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げんじいのブログ
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 明治39年に作られた私鉄版東海道新幹線計画のシリーズ10回目です。

 明治40年2月に日本電鉄会社より出願された計画(私鉄版東海道新幹線計画)が異例の速さで3月1日に却下されました。
 


 鉄道局の願書不許可の理由
            (鉄道時報 明治40年3月23日)          
 東京大阪間を高速で運転し6時間の急行を走らせる日本電気鉄道の申請は既記のように不許可になったが、その理由を聞いてみると
 第1の理由は国有法に反するとのことで、その第1条第2号は一地方の交通を目的とする鉄道はその限りにあらずの除外例の条文はあるが、今回の日本電気の如きは決してこの除外例の範囲になく、よって法律上到底許可されないものに属す。
 第2にもしこのようなものを許可すると政府の鉄道収入に非常に影響を与え、一方には消極的な鉄道の改良改善を果さねばならず、他方には積極的な新しい線路の敷設等も進捗しなければならないので、国鉄の将来の経営を根本より覆すものとなる。
 第3の理由は日本電気鉄道の発起人は頻りにその技術と電車運行上に遺漏がないと明言しているが、現在の我国の電車運行の実績を考えれば必ずしも発起人の言を過信してはいけない。

 上記のように説得力のない内容で政府の無能ぶりをさらけ出すものでした。
 この内容では納得できない立川勇次郎、安田善次郎は直ちに願書を再提出しました。


 日本電鉄の願書再提出(鉄道時報 明治40年3月23日) 

  安田善次郎、立川勇次郎氏等の計画に係わる東京大阪間の高速度電気鉄道敷設免許状申請書は既記のように去る1日付をもって却下されたが、両氏は去る15日更に再願書を逓信省に提出した。その全文は次の通りである。

 私共発起人が2月9日付で私設鉄道法に準拠し法定の案件を具して日本電気鉄道敷設仮免許状を申請しましたが、3月1日付けで不許可のご指令をいただきなんとも恐縮しています。
 しかし尊厳冒涜を顧みず微衷するの己むなきに至りましたこと、ご賢察奉りますようお願いします。
 そもそも日本電気鉄道敷設の儀は予ねて目論見書中にあるように東京大阪両都市間に第三軌条式電気鉄道を敷設し以って主として旅客交通の便宜を図ろうとするものです。


 この東京大阪の両都市は我が日本における東西対峙の経済的二大都市でいずれも良好な港湾と接し百貨は絶えずこの両都市に聚散して往来が絶えないように共に内外貿易の中枢です。
 従ってこの両都市間の交通の便宜は直ちに我国の産業の消長に甚だ深く影響を与えます。
 そして現在の陸上交通の蒸気鉄道は創設以来すでに年数を経て、逐次複線化を行い、列車速度を上げ、運転回数を頻繁にする等、鋭意その発展をご企画されており、数年前に比べればその改良発達がなされています。

 しかし蒸気鉄道はその機関の性質並に大体の設備に限りがあるため、一方に長足の進歩をなしつつある社会の要求に伴随できなくなっており、貨物は往々に各駅に委積停滞し旅客は急行列車といえども両都市間を十数時間の長時間を費やし、しかも一日僅かに3往復の不便を感じる状態です。

 今後殖産工業が発達して運輸交通がますます頻繁になれば現在のままの交通機関ではとても対応できないでしょう。
 欧米諸国の交通機関の現状を見ればその発達は著しいもので、時速80、90キロより110、120キロの速度の高速度電気鉄道が随所に敷設され、その成績はすこぶる良好で、電気鉄道と蒸気鉄道とは自然とその業務を分け、その能力に応じて進歩しています。
 我が東京大阪両都市間も時代の進歩に合わせ、交通の繁劇に従いこの便利な敷設をしたならば直ちに従来のような不便を排除し公共の利益を増進できます。

 すなわち資本金一億円を募集して大規模設計の下に水力電気を応用して旅客専用の第三軌条式電気鉄道を敷設し我国東西の二大都市を連結し30分毎に発車して閃電一瞬の僅か6時間で往来できる道を開き社会の要求に向け貢献する所があるとして出願いたした次第でございます。
 幸に願いがご許可されましたなら、迅速に工事を進めご許可の日から向う4年間で全部の竣工を期し、遅くとも明治45年大博覧会の開設に先立って交通の便宜を図る計画です。

 本事業の企画が完成すれば我国交通機関の面目は一新されて一般公衆に大利益になるばかりではなく、一面においては従来の蒸気鉄道の力を貨物輸送の方面に専注して十分にその機能を発揮させ、それぞれ相持って国家産業の発達に資する所は実に大きいと云えます。

 また一朝有事の日がくれば直ちに軍隊輸送の便に供しうる等その利益は多々に渡ります。
 政府において昨明治39年に鉄道国有法を発布されて以来、着々その方針を進めつつある今の時点では、日本電気鉄道の計画の如きは直接政府において計画のご方針であるというなら、まことに便益この上もなき次第です。

 しかし日露戦争が終わったばかりの国家運営で経費多端の折から政府において今すぐこの企画が難しいのであれば、暫くは民設でもって起業いたしたく上申書を添え出願した次第です。

  しかるに鉄道会議という鉄道最高機関へのご諮問もなく突然のご指令に接しまして、恐らくは願書に何等かの不備の点があったためかと推察いたしております。
果たしてそうであるならば重大なる事業に対する当然の責任者として発起人等は如何様にも訂正できますので、何等かのご指摘をいただきたくお願いします。

或いは政府は現在の日本においてかかる交通機関の必要を認めずと声明されたと聞き伝えましたが、国運啓蒙の任に当たる当局諸賢においてかかるご方針を出られる筈は万が一にもありえないと信じております。


 要するに発起人等の誠意は国運の発展に鑑み時勢の必要に徴し慎重に精査して出願した計画でありますので、官民いずれによるもこれは一日の急を要することなので、ただ単に鉄道敷設の件は聞き届け難いのご指令に接しただけではいかにも遺憾であります。
何分にも発起人の微意を深くご洞察いただき再審議の上で速やかにご許可されますようお願い申しあげます。 
    
  

ーーー(つづく)ーーー


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