「いろにでにけり」

思いつきをとりとめもなく。You are my moonlight☆

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【空気人形】

※ネタバレではないですが、この映画は予備知識がない方がいいかもしれません。^^;





<彼女>はずっと家にいる。
ご主人が帰ってきたら黙って彼の愚痴を聞いて、
それから彼の性欲を満たすために夜の相手をする。
朝になると、ご主人はゴミを持って家を出て仕事に向かう。
<彼女>はいつも家にいる。

ある日、<彼女>は家から出てみる。
自分にできる仕事を見つけて、ご主人に内緒で昼間になると出かけるようになる。
そして恋をして、自分の正体を隠すために嘘をつき、装う楽しさを知り……。
やがて、変わった<彼女>は、ご主人を問い詰める。
なんで私を選んだの。私は一体、あなたの何なの?
ご主人は「オマエは面倒なことを言わないからよかったんだ」と答える。
「なぁ、元に戻ってくれよ」と。

---------------------------------------------------------------------

<彼女>は、見た目は可愛くて若くてスタイル抜群の<ラブドール=空気人形>。
心を持った人形と、心がありながら空虚なものを抱えている人間たちの
温かくも悲しく、切ないファンタジー。

……なんだけど。

ペ・ドゥナの<空気人形>だからこそ、エグイ描写が多少あったって
こんなにも儚く優しいファンタジーになってるんだよね。
心を持ったけれど人間にはなれない人形。
心はあるけれど満たされない人間。
どちらも切なく哀れだけど、
もしも、心があるのに人形のように扱われる人間がいたら、それも哀れだよね。

冒頭の文中の空気人形の<彼女>を、主婦の<A子>に置き換えても、話は通ってしまう。
ふと、そんなことに気付いて恐ろしくなってしまった。
もちろん、話の本筋はそんなことじゃないし、
人形っぽいペ・ドゥナの可愛らしさが、そんな思いを振り払ってくれるけど。

みんな自分の気持ちを発信するだけの一方通行で
自分が望む形で「誰かから返ってくる」ことがないから
どうしても満たされない。
丸の形に開いた心の「カラッポ」に、
三角や四角の誰かの「想い」はキチンとハマらない。
自分の「想い」の形が、愛する人と同じとは限らない。
自分を満たしてくれるものが、他の誰かをも満たすとは限らない。

<彼女>の愛の破たんは、あまりに痛々しくて…。
ショッキングなだけに強烈な印象が残るけど、
だから逆に、その部分だけが妙に浮いて感じられてしまう。

ラストシーン、せめて「リアル」ではなく、「ドール」であってくれればよかった。
なんだか、とても精巧にできた造花を見て、その技術と美しさに感嘆していたら
実は生花をムリヤリ固めたものだったとネタバレされたような気分。
<彼女>は、最後まで「心を持った空気人形」であってほしかった。
心があることを認めてもらえない「人形のような人間」の姿ではなく……。

閉じる コメント(12)

う〜ん 確かにラストの生々しさは賛否分かれそうだなと
想ったのですが

それでもドゥナの肉体を
悲劇の逆説としての現実賛歌としてのファンタジーに結晶した
監督の想いもわかる気がします

ラストがドールだったら
そっちの方が綺麗に収まって賞とかも取れそうですが
ここまで後に引きずったかどうか。。。

いずれにせよ今年観た映画で
一番痛ましさが残る作品でした
自分の中で『チェイサー』越えちゃったかも

2009/10/10(土) 午前 4:03 ヒノキオ(鈴木ピク) 返信する

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俺はDVD待ち予定ですが、ナカナカ面白そうですねコレw

人との繋がりが希薄になって、記号化してしまった感もある今では人形と人の違いも少なくなりつつあったりしてね。
この作品の空気人形の空気って「空虚なもの」を指すんでしょうねw

考えてみれば「ラブドール」ってのは空気入らない高級タイプだそうですしw
「シリコーン樹脂を使用した高級ダッチワイフを「ラブドール」として区別」してるそうですね。
廉価版はともかく、普通で60万くらいで、ワンオフ品だと普通車買える金額もザラだそうです・・・ってす、凄い世界だなあ。
金額もだけど、どっちかとゆーと造型とかの無駄に凄い技術力がw

ポチりんこ☆

2009/10/10(土) 午前 4:11 宅庵 返信する

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こんにちは☆

>主婦のA子

私も、そんな感じを受けました。主婦でなくても、男に都合のいい、便利な女なんです。
男の人は、自分の要求ばかりで、女の気持ちをあまり考えてくれていないみたい。というか、気づこうとしないのかな。
自分が満たされれば、相手も満たされている、と思ってしまうことも
あると思うし、そう思いたいのかもしれないかな。
望むように愛されたい、というのは、私には、遠いものです。
本当に、満たされている人は、いるのかしら、とも思います。
なんか、愚痴っぽくなってしまいました><

2009/10/10(土) 午後 0:28 [ yutake☆イヴ ] 返信する

とても綺麗で切ない作品でしたね。

ラストシーン、過食症の彼女が綺麗とつぶやくシーンが印象的でした!

2009/10/12(月) 午後 7:23 かず 返信する

ヒノキオさん♪
>一番痛ましさが残る作品
確かに、痛ましさが美しく光る(ゆえに残酷な)作品でした。
たぶん、映画冒頭、彼女がまだ「物体」だった時に
すでにもうそれが「ワタシの知ってる誰か」に見えてしまったことが
ワタシの中で「せめてコレはファンタジーなんだ、と言ってほしい」
という思いが湧きあがってしまった原因なんだと思います。^^;
あのラスト、ドールかリアルか、監督は迷ったかしら。決めてたかしら。
そこに一瞬でも迷いがあったと思いたい、と望むのは、
やっぱりワタシがそれなりきにトシ喰った女だからでしょうかねぇ…(汗)

2009/10/17(土) 午前 10:55 [ エンジェル ] 返信する

capeさん♪
>この作品の空気人形の空気
コレ、きっと観た人によってイロイロなんだと思います。
もしかしたら、コレだと思うこと自体が、その人自身の鏡だったりとか
希望だったり、絶望だったり…。
とりあえず、観たらまた教えてください。(笑)
しかし、そーゆー方面への技術力って、ホカでも使えそうですよね。
あくなき追求…まぁ、実際、「よくぞこんなもん」と思うよーな
アレとかコレとか、たまに見かけますしねぇ…(どこでだ!爆)
ポチさんくすです〜♪

2009/10/17(土) 午前 11:02 [ エンジェル ] 返信する

まだむ♪
>自分が満たされれば、相手も満たされている、と思ってしまうことも
>あると思うし、そう思いたいのかもしれないかな。
映画の中から感じたのは、「自分を満たすものが、相手を満たすとは限らない」
「相手が望むものが、自分の思ってるものと同じとは限らない」とか
100%満たし満たされ合う関係なんてありえない、ということでしたね。
とはいえ、ただ悲観するのではなくて、
ありえないからこそ、人は誰かのささやかな行動や温もりに癒されるんだよな、みたいな。
なんか精神論みたいになってますが(汗)、とにかく一見の価値ありです。^^;

2009/10/17(土) 午前 11:20 [ エンジェル ] 返信する

かずさん♪
結構エグいシーンもあるんですが、きれいだったな、という印象が残るのは
ドゥナちゃんと、川沿いの場面の美しさのおかげでしょうかね〜。
彼女のつぶやきは、冒頭へのリンクでもありますよね。
変化の兆しを手にした彼女の未来が温かなものだといいなぁ、と思いました♪

2009/10/17(土) 午前 11:24 [ エンジェル ] 返信する

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そうですね。みんな発信するだけの一方通行が多くなってる気が
します。そしてまた人と交わることも拒否。
せっかく身体も心も持っているのにもったいないことです。
TBさせてくださいね。

2009/10/17(土) 午後 6:52 car*ou*he*ak 返信する

cartoucheさん♪
>せっかく身体も心も持っているのにもったいないことです。
そうですよね。
なんか、この映画観てて、
「私もひとり、あなたもひとり」というスタンスから生まれる優しさって
「一緒だね」という共感をベースにしないと無理なんだろうか、と思った次第です。
TBありがとうございます〜♪

2009/10/18(日) 午後 0:55 [ エンジェル ] 返信する

こんにちっは!
お久しぶりです。Flapperですよー。
空気人形、実はめっちゃんこ観たいんですが、未だ鑑賞ならずです。
あえて、----------以下は読みませんでした。
早く観て読みたいですぅ!

2009/11/18(水) 午後 1:32 [ sur**ali*me12* ] 返信する

flapperさん♪
どもども、お久しぶりです♪^^
【空気人形】、一見の価値ありですよ〜。
観た後、なんか誰かと語りあいたくなる映画です。^^

2009/11/25(水) 午前 0:43 [ エンジェル ] 返信する

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