『日本周遊紀行』

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日本周遊紀行(50) 遠別・「稲作北限・・?」


遠別町の「道の駅・富士見」へ来た・・、富士見という名称が少々気になったが・・。

小生が住んでいるのは関東圏は西部の神奈川県であるが、周辺地域には所々にその富士見という地名や所名は在る。 勿論、日本一の富士の山が見えてる、又は、かって見えていたという意味合いからであるが・・。

道の駅の裏側高台には、憩いの場所「富士見ヶ丘公園」の広大な緑地があった。 そこの展望台からの眺めはすこぶる良い、遠別川とその向こうに遠別の町並みが望まれ、正面は紺碧の日本海であった。・・と、その右手洋上に浮かぶのは利尻島と利尻山、つまり秀峰・利尻富士だったのである・・、ハハーンこれで納得した、「富士見」は利尻富士のことだったのである・・。

ここから眺める遠別地域は、遠別川を中心とした美しい景観が連なる穏やかな雰囲気が伝わり、周辺は丘陵地帯が大部を占めるが、遠別川に沿って田園も広がっている。 
生活基盤は、日本海の恵みを受けた漁業が中心の地であろうが、水田が広がる農業もそれなりの生業であるようだ・・。
この地が水稲の北限と言われる・・、
稲作の北限・・??、 遠別の地域そのものが既に日本列島の最北の地なのである、云うならば「水稲稲作の最北地」と表現した方がよさそうである。

この辺りの沿岸地域は、酷寒の北海道の北域にも関わらず対馬海流(暖流)の影響により比較的温暖で、合わせて南部にピッシリ岳(1,031m)を主峰とする天塩山地が連なり、この山地に源を発する遠別川は延々80km余にわたるが、この川の水温が、この地にしては比較的高めであることが幸いしていると言われる。 
これらが、遠別川流域での日本における“水稲北限の地”でもあるとの理由とか・・。 しかも、世界的に見ると遠別町より北部の地域での稲作は行はれているが、その殆どが陸稲であるとのことであり、水稲としては世界最北の地でもあるらしい・・。


稲作の発祥は・・?、
明治30年頃、遠別町に初めて入植したのが越前福井の武生(たけふ)の団体であった。
その後、愛知、千葉、熊本県等の団体が入植し、個人移住も続々入植したという・・。

北海道入植者は何処も同様に、特有の原野、密林の開墾から始まる。 それらの伐採、土地の開墾、そして耕作は困難を極めるが・・、当地への入植は時代も進んでいて機械化も進み、遠別の地性(地勢)もその割りに良かったのだろう、入植は淡々と進んだようである。 
開基以後、遠別の農業は馬鈴薯、麦や豆といった畑作が中心であったが、越前団体らは入植後すぐに水稲栽培を試み、試行錯誤のうえ国土の最北地に稲作を実らせたのであった。


ところで越前武生は、福井県・越前平野の最南端にあり、古き越前の国の国府(奈良期の政庁)が置かれていた事で知られ、かつては「府中」とも呼ばれた。( 旧武生市役所:公会堂は旧国府跡地)

この越前平野は、県内の水田面積の凡そ半分を占める大稲作地帯が広がり、国内でも有数の米どころである。 
この地は又、大陸から「越の国」(当時は北陸地方一帯を指す)へ弥生の文化、文明が直接伝わった所でもある。 その中心が「武生」であり、越前平野へ稲作文化を広めていったともいわれ、いわば、わが国の稲作の発祥の地の一つと言えるのである。 
これら、稲作の遺伝子を持つ人々が、最北の地・遠別を目指したのであった・・。
武生の人々に倣って各地域で水田熱が起こり、大正10年頃には急速に水稲栽培が本格化したという。

因みに、現在も当地区出身者の人々が、四世を中心に多数生活していることか・・。
この地名の由来は、内地からの遠い別れの地「遠い別れの地」、「遠別町」などと想像してしまうのだが・・?、実際はアイヌ語の「ウイベチ」(相語る川)からだという・・、他に、「ウイエベツ:さわがしい川」、「ウエンベツ:悪い川」という意味でもあるというが、稲作の実る肥沃な地を造りだす川にして「悪い川」と言うのはチト頂けないが・・?。


次回は、 手塩・「天塩川」


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