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日本周遊紀行;温泉と観光(29) 「洞爺湖とサミット」



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右は中島、左の山は羊蹄山


洞爺湖の湖岸に出ると高層のホテル群が湖岸に面して屹立している。

洞爺湖温泉」は、この洞爺湖湖畔に広がっていて、遊覧船の発着場でのあり、観光の中心地となっている。 
開湯は比較的新しく1917年頃と新しく、洞爺湖の湖水で熱い場所があることを知った三松、杉山、安西の3氏が、湖岸で43℃の源泉を発見したことが温泉の始まりであったという。 
その後、北海道庁から温泉利用許可を取得し、「竜湖館」という旅館を開業させたのが第一号であった。
開湯当初は「床丹温泉」という名前であったが、後に湖名に因んで洞爺湖温泉となったという。


有珠山の噴火で出来た噴火口が、この温泉街の間近に存在するのも稀有なことであろう。

2000年(平成12年)3月の有珠山の火山噴火では麓に広がる温泉街を、一瞬にして灰の街へと変えた。 
ただ、地域の住民の多くは前回、前々回、中にはそのさらに前の噴火を経験した人も多くいることもあり、叉、有珠山は、噴火を繰り返す周期が短く、かつ一定であるということから比較的「噴火予知のしやすい火山」とも云われていた。
住民は、「温泉などの、有珠山の火山活動による恩恵を受けて暮らしているのだから、30年に1度の噴火は当然受け入れなければいけないこと」という意識が高く、周辺市町のハザードマップの作成や普段からの児童への教育などがもなされていたという。 

今回の噴火でも街は多大な被害を受けたが、危険地域を避けた適切な避難誘導を行ったことなどで犠牲者は一人も出さず、被害が最小限で済んだ要因の一つであるといわれている。
噴火から数年、復興は進んだ、今日ではすっかり活気をとり戻し、観光客で賑わっている。


洞爺湖町は北海道において、もっとも気候温暖な地方といわれ、交通の便もよく観光景観に恵まれていることから、年間400万人以上もの観光客が訪れる北海道有数の観光地となっている。
湖畔の温泉街では露天風呂、温泉はもちろん足湯、手湯、果ては犬専用の足湯もあるという。
洞爺湖温泉の泉質は、ナトリウム・カルシウム・塩化物、硫酸塩、炭酸水素塩泉。 湧出温度は40℃〜70℃。 温泉の効能は神経痛・筋肉痛・動脈硬化症などとされる。


温泉街の正面に絵のような「洞爺湖」が広がる。

洞爺湖は周囲約43kmで東京の山手線とほぼ同程度という。 
最大深度179m、平均深度116mの火山湖で、中央に4島からなる「中島」がある。 湖は河川の流入で、その水質が酸が強いため湖水のph(ペーハー:水素イオン指数濃度のことで、中性が7、数値がこれより小さいと酸性といい、大きいとアルカリ性という)が低下し一時はph5になり、湖の生息魚類にとっては危険な状況となった。 

酸性湖とは、通常は硫酸などに起因する無機酸性湖のことを指し、火山や硫黄質温泉が出る付近に多いとされる。 
因みに、宮城県にある潟沼の酸性度(pH1.4)は世界最強であり、日本ではこのほかに、猪苗代湖や田沢湖、道内では屈斜路湖などが該当するという。


洞爺湖はその後有珠山の噴火があり、湖にも大量の火山灰が降った。 
火山灰がアルカリ性であるために酸性の湖水と中和し水質が改善され、 現在では中性であるph7前後を維持しているとのこと。 
魚類も順調に増加し、ワカサギ、サクラマス、アメマス、ニジマス、等が生息しているという。


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叉、洞爺湖の北方に景勝地、北海道百景にも指定されている「浮見堂」があり、背後に有珠山が控えている。
昔、一人の僧侶が旅の途中で、当時、旧洞爺村屈指のある資産家に宿を乞うた。
1ヶ月ほどたったある日、その僧侶が肌身離さず持っている聖徳太子の像を主人に「大事に祀ってくれたらこの土地はは必ず産業が栄え、豊かな村になる」といって贈り、大変喜んだ主人は、大事に祀ることを約束した。
この像が聖徳太子の本尊で、浮見堂に祀られている。



湖から帰路の途中、洞爺湖温泉街で車をユックリ後退させていたら、後ろからコツンと当てられた・・?、小生急いで降りて、「御免なさい・・、」というと、乗用車の中年のオバサンも「あら、私こそ御免なさい、ほんの一寸よそ見していて・・」 お互いの車には此れといったキズは無く、何となく恐縮しながら笑顔で別れた。 クワバラ・クワバラ・・!


湖畔を走っていると湖の西側、緑の山の頂上付近に白亜台形の巨大な建物が見て取れる。
2008年の7月に開催される予定の、「北海道洞爺湖サミット会場」となる「ザ・ウィンザーホテル洞爺」というらしい。 

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現、安倍首相(2007年9月からは福田総理)は、日本で開かれる主要国首脳会議(サミット)を、北海道洞爺湖町で開催することを決め、首脳陣会議の開催を同ホテルに決めた。

大都市から離れ、参加首脳の警備が容易なことに加え、洞爺湖や有珠山を望む豊かな自然環境に恵まれていることなどが決め手となったという。 
このホテルは、標高約600メートルの高さにそびえ建つ地上11階地下1階のホテルであり、山上の単独のホテルでもある。 
尚、メディアセンターとして、湖の北方にあるリゾート地「ルスツリゾート」が選ばれた。この地は道内のスキーリゾート地としても有名であり、我等もつい最近二家族の大勢で訪れたのが記憶に新しい。


サミット」とは、summitのことで「頂上」を意味する。
通常G8サミットといわれ、日、米、英、仏、独、伊、加、露の8か国の首脳及びEUの委員長が参加して毎年開催される首脳会議のことであり、併せて外相会合及び財相会合など別会場で行はれる。 
今回の主要テーマは、安倍総理の掲げる「美しい日本」を規範とした、地球温暖化問題に係る新提案「美しい星50」、「地球環境」などであるとか。


日本周遊紀行・東日本編は、引き続き青森から太平洋岸を南下、関東地区へ続きます。



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日本周遊紀行;温泉と観光(28) 「昭和新山と有珠山」 


有珠善光寺を過ぎて国道の「入江」の交差点から、道央道の虻田・洞爺湖I・Cの横を通って、洞爺湖へ抜けようと思っていたが、かの有珠山噴火の影響で洞爺湖方面は今も通行止めであった。 
しかたなく、「長和」まで戻って国道453号で昭和新山方面へ向かうことにした。

先ず、右側に白煙を出しながら、茶褐色の岩肌を露呈している「昭和新山」のグロテスクな姿が現れた。 そしてまずは良く整備された駐車場で、「昭和新山」の姿をジックリ拝見した。



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今だ白煙をあげる「昭和新山



昭和新山」は1943年から1945年にかけ、有珠山の噴火活動の一環として新山が形成された山として有名である。 
噴火は普通の畑や林(麦畑や松林)が地割れと共に隆起し忽然として始まったという。 
粘性の高いマグマが地表に押し出し、溶岩ドームを形成し、噴火が収 まった後も地盤の隆起は続き、1945年9月頃までに海抜 407mの昭和新山を造り上げた。 

火山礫が吹っ飛び、溶岩が噴出するような破壊型噴火ではなく、いわゆる静的噴火に留まっていた。
これは火山学史上でも稀有なことで、全山が学術的にも大変貴重な山として、支笏洞爺国立公園特別保護地区、国の天然記念物に指定されている。



園地の見学用説明版には・・、

目前にそびえる昭和新山は、私達に大自然のいとなみの不思議を物語ってくれます。 今あなたの立っているこの一帯は、かつてはのどかな麦畑でしたが、突然火山活動の舞台となりました。  昭和18年12月28日に激しい地震が始まり、多い時には身体に感じるものだけでも1日200回を越え、翌19年4月頃には元の地面から50mも隆起しました。 さらに昭和19年6月23日、盛り上がった畑に噴火が始まり、7個の噴火口をつくりながら、4ヶ月も爆発を繰り返しました。 その間も、田畑、民家(フカバ部落)、鉄道共々隆起が続き標高300mの台地(屋根山)をつくりました。  11月になって噴火口群の中央から地中で固まった溶岩が推し上り始め、翌20年9月末に標高407mに達し、ようやくその活動を休止しました。 今なお噴気を上げるピラミット型レンガ色の部分が溶岩塔で、このタイプの火山をベロニーテ型火山といい、世界的にも珍しい形式の火山です。 』



次に、昭和新山の正面に悠然と聳えるのが「有珠山」(732m・ウスザン)である。

洞爺湖の南面には、眼前に迫る巨大な火山が二つあるのです。  
周知の如く2000年(平成12年)3月31日、北海道洞爺湖の南側に位置する「有珠山」が23年ぶりに 噴火したのである。 
その時、噴煙は約3000m以上の高さ に達し、その後、洞爺湖温泉町のすぐ南にある金比羅山付近からも噴火が起こり、水蒸気爆発や小規模なマグマ水蒸気爆発を繰り返し、凡そ、1年後にマグマの活動(噴火)は終息したという。


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有珠山の噴火
」(2000年4月1日撮影・提供者に感謝)


この噴火で、周辺四市町村の住宅、道路、ライフラインの被害は230億円に達したという。 特に、2度目の噴火(洞爺湖温泉南)は国道230号線の本線上が噴火口になったため完全に破壊され、現在でも道央道の虻田・洞爺湖I ・Cと湖畔間は、国道は破壊され消滅しているのである。

有珠山大噴火で、特に西山付近の噴火の跡が、現在では遊歩道が整備されて一般に公開されている。
まさに天地がひっくり返ったような驚天動地、大地の咆吼,地底の息吹がこの遊歩道から確認する事ができる。 

完全に破壊された民家や幼稚園舎、メチャメチャに破壊された道路、道路のアスファルトや水道管が巨大な力で数mも押し上げられている現状。 
人家のすぐ横に、膨大な量の土砂が吹き飛ばされて出来た噴火口や遊歩道の一番奥には、今でも盛んに蒸気を吹き上げている巨大な火口がある。 
これら地点は、先刻の国道37の入江の交差点から、道央道の虻田洞爺湖I・Cの横を通って、洞爺湖へ抜けようとした道で、この西山噴火のため通行が遮断されている所であった。

しかし、噴火活動が温泉街、人家の近くの山麓で発生したわりには、人的被害は一人も出さなかったという、これは奇跡ともいわれる。 
噴火の数日前から群発性の火山性地震が発生し、第1号の臨時火山情報を出し、噴火の2日前には緊急火山情報を出して住民を避難させ、噴火が発生した頃は17000人という住民全員が避難を完了していたという。 

これには、前回(1977年)の噴火後に、地元に住まいを移して研究を続けてきた北大教授・火山研究者の岡田弘氏を中心とした研究員、行政、地域住民の結束によるところが大きいという。 
岡田氏はいわば「有珠山のホームドクター」と言われ、平成13年、安全防災に顕著であったとして、総理大臣官邸で平成13年度防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞している。


次回は、「洞爺湖とサミット



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日本周遊紀行;温泉と観光(27)「室蘭と地球岬」  


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写真:室蘭の地球岬


国道36(室蘭国道)より室蘭へ、そして「地球岬」へ向かう。

室蘭市街地の一角から、右折方向の国道は37号線になる、伊達方面である。我は直進で室蘭半島へ向う、案内板に従って進むとこれが結構な上り坂なのである。 
通称「地球岬観光道路」と云うらしいが、別に普通の生活道路と変わらない、それが証拠に周辺は住宅が密集しているのである。((道を違えたかな・・?)

これだけの傾斜地では雪の季節は大変だろうなと、余計な心配をしながら、登りきった処が園地のようになっていて、ここが地球岬の展望公園らしい。
観光客、見物人は誰ーれもいないが、園地整備のおじさん、おばさん達が草刈機でガーガーとやっていて、些か騒音で雰囲気を壊しているのは残念である。 

先端に展望台が在った。
本日も好天で快晴の大洋は蒼く澄んでいる。 

東の方は陽光が反射して眩しいくらいである、さすがに「地球岬」の名だけあって大洋の展望は雄大である。 
ただ、地球岬の語源はアイヌ語のチケップ(断崖)からきたと言う、チケップ→チケフ→チキウ→チキュウそして地球になったとか、その名のとおり視野一杯に広がる水平線は丸みを帯びて「地球が丸い」ことを実感させられる・・??


地球が丸く見える・・??、

ところで、「地球が丸く見える」 とは巷間よく耳にする言葉であり、海に面した展望台ではみんなそう思うし、感じているようである。 
実際にそんな風に見える気がするし、いや、はっきりとそう見えるのであり、やはり地球は丸いのだと。 

だが、どうやらそれは間違いらしい。
超巨大な地球の丸さが展望台くらいの高さでは見えるはずがないのである。 

例えば、島影や障害物が全くない「大洋のド真ん中」に居るとしよう。
高いマストのテッペンから見渡すと全周囲の水平線はどのように見えるであろうか・・?、
ギザギザの多角形に見えるか・・?、
ナメラカな円形に見えるか・・?、

言語で既に「周囲」と言っているように当然、円形に見えてるはずである。 
もっと具体的にゆうと、マストに立っている点は円形の「中心」であり、視界までの距離はその「半径」に相当するのである。
岬の先端で水平線を見るとき、丸味がかって見えるのは、円形の部分(円弧)をみているのであって、尚且つ視野(視角)が大きければ、円弧はハッキリ見えるはずである。 
つまり、視野、視界が丸みを帯びて見えているのであって、「地球の丸さ」とは全く関係はないわけである。

因みに、展望台には大抵の場合、手摺がある、左右にまっすぐ伸びている手すりを目の高さを加減して、水平線と手すりが重なるようにして見てみると、今まで大きく彎曲していた水平線が手すりの直線とぴったり重なるという。
手すりの替わりに長い紐を両手でピンと張って代用してもよい。


地上や船の上で、地球の丸さが見える」というのはどうやら錯覚らしい。

計算上では「地球が丸く見える展望台」というのは、気球や飛行機程度の高さでは駄目で、人工衛星程度まで上がらないとだめらしい、地球はそれ程大きいということである。 最近では、人工衛星からTVカメラで、地球の外観を撮影してその映像が送られてくる。 この時はさすがに地球の丸さを実感できるのである。



チキウ岬は、内浦湾(噴火湾)の湾口東端に位置していて、地図上では「チキウ」となっていっるが、地球岬とも表記されている。 
この辺りの太平洋側は、海抜100m前後の断崖が延長13kmに渡って連なっており、特に、地球岬展望台(海抜147m)の西側にある海食崖の「馬ノ背」といいいれる箇所は、断崖絶壁が続く風光明媚な景勝地である。 
この地域は、渡り鳥のルート上にあり、渡り鳥を狙ったハヤブサの営巣地としても知られるという。

地球岬」は、朝日新聞社主催の北海道の自然100選の得票では第1位となり、一躍全国区の知名度となった名所で、毎年の元旦には多くの人達が初日の出を見拝にやってくるという。 「北海道の自然100選」及び「北海道景勝地」でそれぞれ首位を獲得した景勝地でもある。
岬の先端に立つ白亜八角形の灯台があり、こちらも「日本の灯台50選」にも選ばれている。 
灯塔高15m、標高131mで、光度 は59万カンデラ、光達距離24海里(約44km) で、残念ながら、一般公開されていなが、毎年1〜2回、特別に内部が公開されることがある。

帰路、近くの展望台から見える「蓬莱門」という海から突き出た岩峰が見事である、これぞ元祖「チケップ岬」であろう。



国道右に旧時代と思われる重厚な駅舎が見えた、と思ったがこれは旧駅舎(旧国鉄室蘭駅)であった。 
明治後期の建物で、北海道内の駅舎の中では「最古の木造建築物」であり、建築様式も珍しく重要文化財に指定されているとか。 今は市の観光施設として使用されていて、 近隣にモダンな新駅舎が開業している。


室蘭」はご存知、室蘭港、鉄工業を中心として発展してきた北海道を代表する重化学工業都市である。 
中心に新日鉄・室蘭をはじめ、日鋼、日石といった、いわゆる製鉄、製鋼、造船などが湾を囲むように隣接している。


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暫くすると大きく美しい橋が現れた、その名も「白鳥大橋」という。 
「白鳥大橋」は半島先端から本陸の国道36、国道37と道央自動車道を結ぶ橋梁であり、室蘭港の港口部に架かる橋長1380mの吊橋で、関東以北では最大であるとか。 
因みに、我が神奈川の横浜港口に架かる横浜ベイブリッジとは構造的には異なるが、その優美さにおいてはトントンであろうか・・?。

次回は「昭和新山と有珠山」



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日本周遊紀行;温泉と観光(24) 「釧路湿原」 



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写真:釧路湿原(展望台と湿原) 



釧路の市街地を横断して、湿原展望台へ向かう。

道道53(釧路鶴居弟子屈線)の湿原の際をしばらく行くと、高台に「展望館」があった。
夕刻迫る(16時15分〜)終了間際の時間帯であったが、有料入場360円を払って展望台へ駆け上がった。 
円形のほぼ360度方向の展望塔は全方向の眺望が得られるが、やはり夕闇迫る時刻、透明感のある視界は残念ながら望めなかった。 

しかし、我が国最大の釧路湿原の雄大さは堪能できた。 
館内は釧路湿原の生い立ちや、湿原の動植物、遺跡、地形、地質などについて展示しており、展望台の周囲は遊歩道が敷かれ、 温根内ビジターセンターと北斗遺跡(旧石器時代から縄文・続縄文時代を経て擦文時代に至る重複遺跡)へ通じている。



釧路湿原は日本では最も広い湿原で、その凡そ八割はいわゆる低層湿原であると言われている。
湿原に踏み込んでみると地面はスポンジのように柔らかく、踏みしめると水がジュクジュクと染み出してくる。 
これが低層湿原と言われ現象で、寒冷な気候条件から植物が分解されないまま何百年にもわたり堆積し泥炭を形成している姿である。 
普通なら腐ってしまう枯れ草も、寒冷地ではそのまま積もり重なってしまい、積もり具合は1年に1mm程度といわれ、釧路湿原の泥炭の層が平均3〜4m、深いところでは6mに達していることを思うと、最低でも3000年以上の歳月がかかっているという。

因みに、その下には貝の化石や海の泥などを含む層があり、その昔、海だったことを物語っている。


湿原の中には達古武湖、塘路湖及びシラルトロ湖などの海跡湖の他に数多くの小さな池や沼がある。 
又、草原はヨシ、スゲに覆われた湿原が続いているが、わずかに変化を与えてくれるのは高層湿原でもあり、所々にハンノ木の樹海林のなだらかな丘陵や台地が広がっている。


釧路湿原は、低層湿原の他に高層、中間、それぞれに特徴的な植生も見られるという。 
湿原を潤している水は、釧路川と阿寒川から潤沢に供給され、これらの川の源である「屈斜路湖」と「阿寒湖」などが大きなダムの役割を果たしている。 
加えて、湿原の中にある各種の湖や沼も水の供給源となっている。
水源からの豊富な水の供給と泥炭がもつ保水力が湿原を継続的に維持するために不可欠の要素となっている。 

これら水性湿地には、特別天然記念物のタンチョウはじめ、わが国最大の淡水魚・イトウ、氷河期からの遺存種キタサンショウウオ、エゾカオジロトンボなど貴重な野生動物の生息地としても重要な地域でもあり、1980年に一部が「ラムサール条約」に登録されている。



【低層湿原】
一般に湿原と言うと、これを指し、釧路湿原の80%は低層湿原といわれる水性(湿性)湿原である。  
表面が平坦で地形面と地下水面とが一致し、湿原の表面まで冠水しているものを言う。
その水は地表水と地下水に依存し、比較的富栄養性で、そのため、大型のヨシ、ガマ、及び大型スゲ群落などの草木が繁殖する。
また、地下水で涵養されているため集水域が開発されると、その地下水位に変化がおこり、変質や減少、さらには消失してしまうことがある。



【中層湿原】
低層湿原から高層湿原に移行するときの湿原のことである。
地下水で涵養され植生が維持されている低層湿原と、雨水のみによって植生が維持されている高層湿原との中間の性質を持つ湿原といわれる。
植生はヨシやスゲ類が主体となり、指標となる植物はヌマガヤである。



【高層湿原】
分解されず堆積した泥炭が多量に蓄積されて、周囲よりも高くなったために地下水では涵養されず、雨水のみで維持されている貧栄養な湿原を指す、乾性湿原。 
代表例に尾瀬ヶ原やサロベツ湿原があげられる。
植生はミズゴケ類が主体であり、温暖な地域では枯れた植生がすぐに分解されてしまうため、高層湿原は発達しない。
まれに冷たい湧き水などがある場合に、それに近いものが形成され、氷河期の遺存種など、貴重な動植物が生息する場合が多い。



「釧網本線」について・・、

釧路湿原は太平洋に面した海沿いを除き、釧路湿原展望地辺りを境にして、その周りを高い崖、高地でぐるっと取り囲まれて入るのが判る。 
この地が太古には海であり、海跡湖としての形骸が見て取れるのである。 
東の境界が鶴居村、屈斜路・摩周湖へ延びる道道53号線に沿って、西側はJR釧網本線辺りが境になっている。 
従って、JR線からは起点の東釧路(列車はすべて釧路発着)を出ると、列車はすぐに釧路湿原へと入っていくようになる。 
釧路の市街地から、いきなり広大な湿原の風景に変わるところがいかにも北海道らしく、茫々たる湿原に川がゆったりと蛇行し、大小の沼地が点在する風景は大陸的であると。

列車は全体的に湿原の東端を走るため、釧路から乗車した場合は、どちらか言うと車窓左側の方が景色がよいらしい。 
しかし、一部は湿原の真ん中を走る区間もあり、その中心が塘路駅であり、湿原にある湖の中で最大の塘路湖(とうろこ)は、塘路駅の車窓右側にある。

この釧網本線は全国のすべての鉄道路線の中で、最も風景が美しい路線だといわれる。 
尤もで、釧路湿原国立公園・阿寒国立公園の二つの国立公園、さらには網走国定公園の中を走るわけで、景色がよいのも当然である。
国立公園の中を走る路線は全国にいくつかあるが、二つの国立公園の中を走る路線は、全国でもこの「釧網本線」だけである。

次回はその体験乗車・「釧網本線




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日本周遊紀行;温泉と観光(23) 「風連湖と春国岱」 



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写真:白鳥の湖:風連湖、向こう岸を春国岱(しゅんこくたい)と称している



国道243の厚床あっとこ)からは国道44になり、後は根室半島を目指す。

間もなく「道の駅・すわん44」(白鳥台センターともいう)に着いた。
施設の館内へ入ると正面突き当りには、総ガラス張りの展望窓が有り、風連湖とその周辺を一望することが出来る。 親切、丁寧な造りで、酷寒の日には有難く最適であろう。 

また外部展望地には「根室10景 白鳥の風連湖」と木板が掲げてある。 
見渡すと寂々とした湖面で、何となく荒涼とした風景にも感じられ、あたかも深山の湖を思わせる趣きがある。 
よくよく見ると沿岸地周囲は、湿原と草原と森林が混成している様子が判る。


風連湖」は根室半島の付け根に位置し、大雑把には南部域と北部域とに分かれ、南部域が砂州によって根室湾に通じている、所謂、汽水湖である。 
汽水湖としてはサロマ湖、能取湖に次いで北海道第三位であるが、周囲の長さにおいては汽水湖としては全道一であるという。 
そしてこの風連湖の特質は、自然の生成進化の過程が良く現れているようで、それが一目で判るのである。  

先ず、手前から右方にかけては浅瀬・干潟が大きく広がっている。
そして河川の堆積物は浅瀬・干潟をやがて湿原にし、草原となり、森林に変化してゆくのであろう・・?、 その状況、現在進行形が目で確かめられるのである。

風連湖は、この三様が絡み合って、凡そ300種の野鳥が観ることができるという。 
10月上旬にはオオハクチョウが飛来し、まさに文字通りの白鳥の湖となり実に壮観らしい、実は、丹頂の営巣地としては釧路湿原を抜いて道内(国内)最大とのこと。 
また風連湖では干潮時、「泥の上を叩いて貝の場所を探って採る」、というような一風変わった漁が行なわれているらしいが果たして・・?。



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風連湖へ連なる春国岱(資料提供)


南部域の風連湖は根室湾に通じているが、その殆どの部分が砂洲でもって遮られている、この砂洲の部分を「春国岱」(しゅんくにたい)と称している。 

湖から海洋にに向かって三列の砂丘からできていて、長さはkm、最大幅は1.3kmあり、こちらも風連湖沿岸同様、海岸砂地、干潟、湿原、草原、森林など多様な自然と、砂丘の形成年代による植生の違いなどを見ることができる。 

三列の砂丘のうち、湖に面した「第三砂丘」といわれるのが最も古い砂丘で3000年前頃にできたといわれアカマツ、ドドマツ、ミズナラ、ダケカンバなどの原始林の巨木が生い茂り、地上は苔むした森の様相を見せている。 
特に、この森林帯は海に浮かぶ森のようだとも言われる所以である。 中程の「第二砂丘」は、二番目に古い砂丘列で2000年〜2500年前にできたとされ、世界でも珍しい砂丘上に形成されたアカエゾマツの純林帯の森林が発達している。 
この現象は大変珍しく、国内でも唯一の植生といわれる。

又、海に面した「第一砂丘」は春国岱の中では最も新しい砂丘列で、1000年〜1500年前にできたとされ、森林ではなく草原が主体で、長さ3kmにおよぶハマナスの群生が見られるという。

これら砂洲三相の「春国岱」の自然には、タンチョウ、大ハクチョウ、アカゲラ、クマゲラ、シジュウカラ、ハシブトカラ(ハシブトカラスではない・・!、シジュウカラに似た野鳥)、オオワシ、ルリビタキ・・・などなど狭い地域ながら植生に応じた野鳥が生息する楽園なのである。

風蓮湖・春国岱に飛来する渡り鳥は約260種確認されており、世界有数の渡り鳥の中継地点となっている。 
このように「春国岱」は、地質の生成過程や植物の植生過程が羅列的に見られるところから「奇跡の丘」といわれ、学術的にも貴重な自然といわれる。



釧路湿原が「ラムサール条約」の指定地域となり、最近では国立公園となった事はご存知だが当初は、この風蓮湖・春国岱がラムサール条約指定地の第一候補だったらしい。 

釧路湿原へ一歩先を譲った「風蓮湖・春国岱」であるが、2005年11月8日世界的に重要な湿地であるとして、ラムサール条約に登録されたようである。



国道44は温根沼大橋を渡る、温根沼(おんねとう)と根室湾の丁度付け根に当たる。

この大橋からの風景も実にいい。
思わずカメラを向けるが、あまりに視界が広くてフアインダーに入らない、気に入る写真は難しそうだ。

風蓮湖と並ぶ根室を代表する湖沼で、鬱蒼と茂るエゾマツの森に囲まれた周囲15km、の汽水湖が、根室湾につながっている。
干潮時には沖合いまで砂州となり、アサリやホッキ貝などの潮干狩りで賑わう風景は、温根沼の風物詩にもなっているという。


次回は「釧路湿原」



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