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まだ雪深い2月の頃、一度お邪魔している目黒邸です。
目黒家は戦国大名の会津蘆名氏に仕え、伊達政宗との戦の後、天正18年(1590年)この越後北魚沼の広瀬谷の地で帰農したと伝えらる中世武士の系譜をひく豪農です。 邸宅の内部は前回の見学でも十分でしたが、積雪のため、贅沢な造りになっているであろう中庭の様子が全く見えず。。。隣接してあるという目黒邸資料館も冬季閉鎖中でした。春になって、雪が融けたらまた来よう!とは思っていましたが、丁度梅雨時という事もあり、雨が落ちて山登りも出来ない日曜日に再び訪れてみました。 前回は分厚い雪壁に覆われていた門付近も、すっかり緑豊かに、そして、雪のために一時取り去られていた冠木門が復活していました。 表の旧会津街道に沿って野面石で塀を築き、冠木門を設けるなど、中世武士の館を思わせる屋敷構えになっています。冠木門を潜ると、前回は積雪で隠れてしまっていた、塀とは別の石積みが見られました。 目黒邸の主屋です。 前回訪れた際、大きなかまくらが造られていた場所です。 式台状の縁が張られている様子が見え、藩の役人はこの縁から槍の間、中の間、奥座敷へと通されたようです。ドラマ『天地人』の撮影で使われたのは、この部分からのカットですね。 では、正面の表中門より、目黒邸内部へとお邪魔してみましょう。 冬の間は、家の周りも高い雪壁に覆われ、家の中に入ってもまるで「氷室」の中にいるように寒く、暗い空間でした。今回は初夏ということもあり、全ての戸が開き、明るく開放的に感じました。 (上写真右)土間より、炉地、茶の間方向。暑い時期でも、やはり囲炉裏に火が入って燃えていました。
そして、これらの部屋の突き当たりから、冬には見られなかった見事な中庭の様子が見えます。 中庭は、江戸時代後期の築庭とみられる池泉回遊式庭園です。奥には、神社の赤い鳥居が見えていますね。 冬場は窓が閉められていたので、その存在も良く確認出来ませんでしたが、こうやって明るくなって見てみると たかが便器、されど便器! 便器の内部にも外部にも、絵が染付けされた見事なものでした。 江戸時代末期、当時一般的だった木製便器の形状を模し、陶器製の便器が瀬戸で作られ始め、富裕層や旅館、料亭などで、主として客用に使われたそうです。 このお宅は家族用に使っています。 あっ、お客用のトイレは特別には無いようだったので、家族と共用かも知れません。どちらにしても、やはり贅沢! 家族の居間・寝室部分を通り、離れ屋敷の “椽亭” へと向かう窓辺もすだれが巻かれて下がり、日本の夏らしい光景が広がっていました。 そして、“椽亭”から見える池泉庭園も綺麗です。 中庭に出て見ると、屋敷の中から眺めたのと、また違った雰囲気になります。 飛石、瀧、三尊系石組が自然との調和を見せています。 池に浮く睡蓮の花が綺麗でした。 稲荷社の奥手には、枯山水の石組も伺えます。 また、この写真の左上部分は、当時、酒蔵があった場所になります。 耳の部分が欠けて無くなっていますが、この丸い雰囲気の狛犬。。。 以前、与板城実城にあった狛犬を思い出していました。 同じ年代のものかな? (下左写真)稲荷社から見る中庭と主屋の様子。小高くなっているこちらの眺めだと、池の飛び石の様子など、中庭を歩いた時よりもよく分かりますね。 (右上写真)庭越しに見る離れ座敷“椽亭”です。普段は公開されていませんが、椽亭は二階部分もあり、一階部分の純和風な造りとはまた違った造りになっているそうです。いつか拝見してみたいです。 主屋の裏付近からの様子です。 写真の左から 、離れ座敷である椽亭、家族の居間 ・ 寝室部分、内間や上流場のあった部分が見えています。銅版葺、数奇屋造の椽亭は、目黒家最盛期の明治34年(1901年)に建てられています。 さらに屋敷を移動すると、最初に屋敷に入った表中門の裏口部分が見えて来ます。 中の土間部分から同じ出入り口方向を見ると、こんな風にその奥(家の裏手)には蔵が見えます。
家の中から見えていた蔵は、中蔵と新蔵と呼ばれていたものです。 現在、一部は「目黒邸資料館」に展示されています。 初代「中蔵」の建造は寛政9年(1797年)で、現在の建物は明治4年(1871年)に再建されたものです。 建物の大きさは梁間3間(5.5m)、桁行5間4尺(10.3m)です。「新蔵」は天保11年(1840年)の建造のままで、建物の大きさは梁間3間(5.5m)桁行3間(5.5m)です。「中蔵」の右側空き地部分には梁間3間(5.5m)の「味噌蔵」がありました。味噌はもちろん自家製であり、味噌樽の多さが富の象徴であった時代、目黒家でも専用の蔵で、管理・保存していました。 こちらは、「中蔵」「新蔵」の左隣にある「もみ蔵」です。 建物の大きさは梁間3間(5.5m)桁行7間(12.7m)で、約2,500俵(150t)を収納出来たといわれています。 中央で横になっている石は戸の敷居です。柱の礎石もそのまま残っています。 建物は平屋建て、屋根は石置き板葺でした。また、蔵の後ろには雪室もありました。 これらの蔵跡の裏手を流れる天神川です。 写真奥に見えている橋に向かって歩いていくと、先ほどの稲荷社左上方向にあると述べた「酒蔵」跡にでます。跡地には、現在「東屋」が建っています。 目黒家での酒造りは1673年に金80両で、酒造免状を得て、当時日本一であった銀山 (旧・湯之谷村奥只見ダムに埋没)向けを中心にはじめられたといいます。 酒造業は、現・玉川酒造(株)(ゆきくら館)地に大正元年(1912年)玉川屋を創立して受け継がれ、現在では地元の名産品になっています。 ここにあった酒蔵は、梁間4間(7.3m)桁行12間(21.8m)の大きさで、水車の設備もありました。石垣、石臼などに当時の様子がうかがえます。 酒蔵跡から続いている遊歩道に沿い、緑の木々を眺めながら5分も歩くと「目黒邸資料館」に到着します。 また、目黒家当主は、明治前期に新潟県会議員、次いで衆議員議員となり、地方自治や国政で活躍するとともに地方の交通・教育・産業等の近代化推進者として貢献した。。。そんな足跡をたどってみることが出来ます。 そして、ここでの目玉はやはり上杉関係の品でしょう。 慶長3年(1598年) 上杉家は、会津への国替えを命じられます。国替えに先立ち、景勝公は会津を視察するため会津街道にある目黒邸に立ち寄ったそうです。その際、景勝公に濁り酒を振舞ったそうですが、その酒をたいそう気に入り、そのお礼に。。。と、盃を与えたそうです。その時に拝領された盃も、この資料館に展示されていました。 資料館をあとにし、来た道を戻り、赤い鳥居の稲荷社前まで来ました。 この神社のすぐ奥には、須原スキー場のゲレンデが見えていました。 さらに、日本庭園を眺めながら旧会津街道の方へと進むと、裏門ともいえるもうひとつの冠木門があり、ここから外へ出て、2回目の目黒邸の見学は終わりとなりました。 2度目でもあるし、さらっとお庭拝見。。。と思ってやって来ましたが、時期が違うと家の表情がここまで変わる驚きと、広い庭の散策は結構な時間を費やしました。 全てにおいてスケールが大きく、まさに豪農の館でした。 |
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萱葺きの屋根。郷愁をさそわれます。
2010/6/29(火) 午前 3:27
Keiさんへ♪
週末、こちら方面通過されていたんですね。
目黒邸は、旧守門村にあります。
越後須原駅からすぐですし、大きな看板があるので分かりやすいと思いますよ。
ポチありがとうございます。
2010/6/29(火) 午前 7:06
KAWAさんへ♪
会津街道が真ん前にあるお宅ですから、当時は賑やかだったと思います。
雪の時期は、住むのも大変な地域ですよね。
見学の際、私は写真しか撮らないんですよ。
なので、時間が経つと忘れてしまうことも多いです。(^_^;)
ポチありがとうございます。
2010/6/29(火) 午前 7:07
バニままさんへ♪
早い時期から発電して電気を通したり、自家用車を持ったり。。。
本当にお金持ちのお宅ですよね。
冬と全く景色が変わっていて。。。四季ごとに風情がありますね。
狛犬は、年月が建つとみんな丸っぽくなってしまうんですね。
2010/6/29(火) 午前 7:10
きゅんさんへ♪
普段見えないような部分にまでお金を使う(気を使う)のは、やはりお金もちの証拠ですよね。
発電や自家用車の所有など、県内で早いうちに整ったお宅です。
狛犬も、風雪に耐えて丸くなると可愛い雰囲気ですね。
2010/6/29(火) 午前 7:13
Stitchさんへ♪
雪が無くなると、また違った雰囲気になりますね。
豪邸にはつきもののお庭。。。はやりもう一度見に来て良かったです。
見えない部分にもお洒落を。。。って、やはりお金持ちの証拠ですね。
ポチありがとうございます。
2010/6/29(火) 午前 7:15
栗千代さんへ♪
豪雪地帯ですから、雪のある風景も現実、そしてこちらも現実なんですよね。
秋のお庭は紅葉が素敵でしょうね。
狛犬さんは、風雪と共に角がとれて丸い雰囲気になっていきますね。
それで優しい印象になるんでしょう。
耳が無いから、確かにカエルっぽい。
ポチありがとうございます。
2010/6/29(火) 午前 7:18
花ママさんへ♪
狛犬さんも、角がとれると可愛い雰囲気になりますね。
2010/6/29(火) 午前 7:19
オセロママさんへ♪
囲炉裏や土間のある風景も珍しくなりましたが、幼い頃の思い出とダブルって素敵ですね。
豪雪地帯なので、雪とのコラボも素敵でしたが、庭の風景も素晴らしいです。秋はまた綺麗でしょうね。
2010/6/29(火) 午前 7:21
ももままさんへ♪
今の時代、手入れの必要な茅葺屋根は贅沢だったりしますよね。
屋根だけ関して言えば、私は真冬の雪ののっていたほうが隙かもしれません。
2010/6/29(火) 午前 7:23
追伸、今度どこかへ行く時はちぇるし-さんの記事を運刷してから持っていこうっと。同じように順番に歩いて・・・って思ったけれど、足が付いていかないかも。
[ M.iseri ]
2010/6/29(火) 午前 8:17
花ままさんへ♪
私のは。。。そんなに参考にはならないですよ。
1日の移動距離も、あちこち飛んで大変だったり。。。(^_^;)
我が家がこんな風に出歩けるのも、今のうちだけかぁ〜!って思って、行けるられる時、気の向くままで歩いてるだけです。
2010/6/29(火) 午後 0:51
ほほぉ〜雪景色もなかなか良いもんですねぇ〜。
でも、行くならお天気が良いの方がいいですね。
だって、俺・・・寒いの苦手ですから(笑)
2010/6/29(火) 午後 1:14
ぷらてぃーにさんへ♪
寒いの、苦手ですか?!
でも、雪景色の中、燈籠に灯りを入れる光景は幻想的ですよ。
冬には冬の、夏には夏のよさがあります。
2010/6/29(火) 午後 1:34
池に浮く睡蓮の花がキレイですね+゚*。:゚+(人*´∀`)ウットリ+゚:。*゚+.
時期が違うと家の表情がこんなにも変わるものなんですね\(◎o◎)/
ポチ
2010/6/29(火) 午後 9:50
ダブルポチ成功です(^_^)v
2010/6/29(火) 午後 9:52
かおりんさんへ♪
丁度睡蓮が咲いていて、池に華がありました。
雪が無いだけで、こんなにも景色が変わります。
ポチありがとうございました。
2010/6/30(水) 午前 7:08
かおりんさんへ♪
Wでポチして下さったんですね。
ありがとうございます。
2010/6/30(水) 午前 7:09
初夏の目黒邸は、中庭の緑が鮮やかですね。四季折々に楽しむことができそうですね。
TB有難うございました。
こちらにもTBいたします。
2011/11/24(木) 午後 7:11
アノニマさんへ♪
日本庭園って、四季の移り変わりで変化するよう、うまく出来ていますよね。
冬には見られなかった見事なお庭、感動でした。
こちらにもTBありがとうございます。
2011/11/25(金) 午前 7:33