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越後のミケランジェロ、石川雲蝶を訪ねる旅。。。
天文3年(1534年)に開山、魚沼市にある曹洞宗のお寺 西福寺にお邪魔しました。 ≪山門(赤門)≫ 右には火除地蔵が立ち、村を火災から守っています。左には「禁葷酒」と刻まれ、これは禅宗の山門に立つ戒めを説く石碑です。 「葷」とは、ニンニクやニラの類をいい、葷や酒を食した直後、山門に入ることを禁じるという意味で、山内の清浄を汚してはいけないという戒めです。
雲蝶も守って、素面で仕事をしたのでしょうね。 ≪山門(白門)≫ ≪鐘楼≫ 開山堂と同時代の1850年に建立された鐘楼。
ここにも立派な彫刻が見られますが、こちらは雲蝶と並ぶ彫刻の名手・熊谷源太郎(小林源太郎)の作で、47歳の時に雲蝶と共に越後入りし、三国峠の三国権現社で金剛力士像の競作をしたと伝えられています。 また、龍谷寺でも、2人の作品を同時に見ることができます。 ≪開山堂≫ 本堂に向かって左手には、西福寺の開山堂があります。 開山堂全様 大庭園から 開山堂は安政4年(1857年)に建立され、建築様式は鎌倉時代禅宗仏殿構造。屋根は茅葺き二重層、上層部は入母屋造り。唐破風の向拝を有しています。
豪雪地にも関わらず、危険を伴う雪下ろしをしてくれる人が無くなってしまったため、平成11年、開山堂には覆屋根が出来ました。自然の情景とも溶け込むようにあった風流な建物も、150年という歴史の流れの中にあり、少しずつ姿を変化させていかなければならなかったのは、少し残念にも感じます。 そして、開山堂の向拝の彫刻が、これまで見たどの向拝よりも見事です。 境内にある 「仁王像を彫る雲蝶」像 お寺の中には、まだまだ雲蝶作品がたくさんありますので、今度は中へお邪魔し、他の作品を鑑賞してみようと思います。 ≪本堂≫ お寺さんに来たので、まずはご本尊様に手を合わせ。。。 本堂の奥には「雲蝶の部屋」とされた部屋があり、彫り物以外の雲蝶作品が鑑賞できます。 雲蝶は開山堂の完成後も、度々このお寺を訪ね、作品を残していたそうです。 花や鳥を描いた襖絵が多いです。 「富士越えの龍」という襖絵には雲蝶の筆跡で「辛酉初秋写 匠雲蝶正照」と製作年号が書かれているそうです。(万延2年・1861年)雲蝶48歳の時の作品で、他の襖絵も同じ頃に書かれたものと思われるそうです。 ≪春夏秋冬の花鳥≫ 県重要文化財 下写真は仁王像ではなく、その後ろの書院格子が雲蝶の作「三保の松原」です。
デザイン的にも美しく、単なる彫刻家だけではなく、空間デザインにも精通していた事が伺えます。この間は、身分の高い人の接客の間でしたが、年に1度、一般の人々にも開放されたといいます。雪深いこの地で、温暖な気候の駿河の国の新春の風景を愛でながら、宴が催されたのかも知れないですね。 ≪室中の間・雲蝶の間≫ ≪三顧の礼≫ 県重要文化財
≪早春花鳥≫ 県重要文化財 ≪孔雀遊戯之図≫ 1861年 雲蝶作 県重要文化財 岩絵の具を使い、150年前の色彩を今に伝える 襖絵は、孔雀が遊び戯れ、牡丹の花が咲き乱れる苑は、争いや苦しみの無い極楽をあらわし、そして、ここへ到達するには、中央に描かれている橋を渡らなければならず、邪心のあるものが橋を渡ろうとすると、たちまち恐ろしい鬼が現れ、その通路を塞ぎます。人生の目標に向かって苦難を乗り越え、強欲を棄てて精進せよという仏教の教えの図です。 ≪埋め木細工≫ 本堂の大縁の床には、50数箇所に渡り、雲蝶の施した埋め木が見られます。本来埋め木とは、床板の節や傷を修復するときに使う技法なのですが、節や傷を瓢箪や木の葉などの彫刻にしてしまう、雲蝶の遊び心がうかがえる場になっています。
≪開山堂内≫ そして、ここから先の開山堂内は撮影禁止となります。 しかし、自分の目で確かめるのが一番! 開山堂の三間四方の吊り天井いっぱいに、透かし彫りで施された大彫刻 「道元禅師猛虎調伏の図」 は、雲蝶終生の大作ともいえるもので圧巻です。 開山堂は江戸末期の嘉永5年(1852年)に着工しました。 すでに三条に入り、本成寺や栃尾の貴渡神社に彫刻を施し活躍している雲蝶の噂を知り魚沼に招き入れたのは、当時33歳という若き西福寺23代目のご住職でした。この時雲蝶39歳と、年の近かった2人は意気投合し、ご住職の開山堂への思いを理解した雲蝶は、これだけの大きな仕事を一人で任されたことも始めてで、思う存分仕事をし、彫刻家として大輪の花を咲かせます。 岩絵の具で色彩の施された道元禅師の物語。。。彫刻の中には龍虎の他に様々な動物が彫り込まれていて、雲蝶の遊び心も感じられます。 首が痛くなるまで見上げ、思う存分雲蝶ワールドに浸り、鑑賞したい作品です。 訪問日 : 2012年8月12日(日) (C) 2005-2012 四季*おり*オリ*の散歩道で♪ Reserved.
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初めまして
神社仏閣散策が趣味です
素晴らしい西福寺ですね〜癒やされました。
ナイス
[ とし ]
2012/10/8(月) 午後 3:53
西福寺は開山堂が有名ですが、開山堂以外にも雲蝶の作品が随所にあって、ファンにはたまらないお寺ですね。
ところで、「良い酒」を条件に越後に来た雲蝶のこと、「禁葷酒」の戒めは通じなかったかもしれませんね。赤門をくぐってしまえば文字は見えませんし(笑)
昨年の記事ですが、トラックバックさせてください。
2012/10/8(月) 午後 8:06
びんせんさん♪
はじめまして!
私は好き。。。ということも無かったのですが、いつの間にか、出掛ける先が神社仏閣に至ることが多くなりました。
古きよきものは、神社や寺院にある場合が多いです。
作品は素晴らしいものがあります。
ポチありがとうございます。
2012/10/9(火) 午前 7:27
アノニマさん♪
開山堂は天下一品です。
撮影禁止にして、じっくり見るのが何よりです。
私も、「禁葷酒」までが雲蝶の作と知って、苦笑いでした。
仕事の時は素面で、私生活で大酒飲んでいたのかも。。。
TBありがとうございます。
2012/10/9(火) 午前 7:32
ここの雲蝶の作品は、最高ですね♪
ずーっと見てていても飽きないですからね。
見れば見るほど面白いです。
2012/10/10(水) 午前 11:58
哲哉さん♪
天井一面の彫り物は圧巻ですよね。
外観も、人が多くてよく見られなかったので、次回はからす天狗しっかり拝もうと思います。
2012/10/10(水) 午後 3:05