「とある」保険営業マンの一日

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格闘技界に進んだ後輩

がいる。
最初はパンクラスという団体で、フリーになり全日本プロレスにも招待され試合をするヤツだ。
私の同期がそいつの元中学教師で、事あるごとに試合を観に行く。
その彼は大学時代のアメフトの後輩でもあり、常に敬語だ。
彼は30代後半で妻も子供もいるが、毎日遠征仕事のため単身赴任のようなもの。
だが普段の苦労はおくびにも出さない。
両親も先生の事を覚えていて挨拶に来る。毎回息子の試合の応援に来るのだろう。
もちろん先生もこの元教え子を可愛がっているだろうし親もそれを知っていると思う。
だが久しぶりに観たプロレス、とても痛そうだったし来客もそれほど多くなくて大変だと思った。
会場には熱烈なファンがいて、紙テープを投げたりデカイ声で応援している。
私は身内が盛り上げているとばっかり思っていたが違うらしい。追っかけがいるのだと言う。
全国の試合を観に来るらしい。
驚くとともに、一見華やかそうに見えて実に地味な格闘技界に心髄している女性ファンが多い事にも驚く。
この後輩は身長は175センチくらいしかないからメインイベンターにはなれないはずだ。
そんな事自分で解っていてももはや抜け出せない。だが大学まで出て未だにその先輩からタダ酒とタダ飯を喰らうその姿はとても潔く、楽しいひと時であった…。

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