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http://osan6.cocolog-nifty.com/palpunte/images/ruriko_thumb.JPGエタ・ジェイムスと天童よしみは、歌の巧さとその容貌において
相似形をなしていると、昨日の稿で書いた。
今回はもう一人の相似形、70年代に日本のジャニス・ジョプリンと
もてはやされた天才歌手、大上留利子についてである。
残念なことに、いま彼女の歌を知る人はそう多くないが、
昔からのファンなら“スターキング・デリシャス”をバックに
「♪好きやで 好きやで 好きやで〜」とシャウトし続けた、
オーティス・レディングの『ザッツ・ハウ・ストロング・マイラブ・イズ』や、
BOROの名曲『大阪で生まれた女』の熱唱をたちどころに思い浮かべるはずだ。
当庵のごひいきさん方には特にハギワラさんのカバーがお馴染みだろうが、
私はひそかに彼女の歌にトドメを刺すと思っている。
その『大阪で生まれた女』については、かつてこんなことがあった。
ロマンポルノの観客動員がやや頭打ちになって、
少しコンセプトを変えてみようと、日活が“歌謡ポルノ”なる路線を打ち出したことがある。
ある特定の曲を主題歌に、男と女が滑った転んだする性愛ドラマを作って、
起死回生のヒットを狙おうという目論見の、第一弾が『三年目の浮気』と
『ブルーレイン大阪』という二本立て。
その八代亜紀の歌をフィーチャーした、『ブルーレイン大阪』の脚本を私が書いた。
今にして思えば、よく八代さんサイドが使用許可を出したものだと思うが、
まあこちらも有体に言って、最後にその曲を流せばいいんだろうくらいの、
高ピーな姿勢でホンを書いた覚えがある。(おかげで映画はコケたが…(>_<))
日本のサーカス芸人たちを撮り続けたカメラマンと、
その男について各地を放浪した過去を持つ一人の女。
今は大阪のクラブで小ママを務める女が、偶然そのカメラマンと再会する。
男はサーカスの女パフォーマーと、相変わらず自堕落な生活を送っていて、
心ならずもさよなら三角また来て四角の関係が再燃していく。
本橋成一氏の写真集『サーカスの時間』を使って、
彼のショットを挿入しながら進むその映画に、
大上留利子の『大阪で生まれた女』を流そうと企んだ。
ヒロインの設定そのものの曲であり、彼女の熱唱がたくまずしてその心情を顕すと信じたからだ。
だが、残念なことに大上さんはその申し出に首を縦に振ってくれなかった。
ポルノ映画であるという思い込みが、許諾を躊躇させたのだろう。
内心落胆しながら、それでも私は彼女のファンであることをやめなかった。
それほどに彼女の歌は魅力的であり、
その存在は日本でも確かにブルースが成立するという証だった。
ここに一枚のLPレコードがある。
『ええ歌ばっか。』──数少ないながら、大上さんのことについて触れているサイトでも、
殆どというか一言も書かれていない、文字通りまぼろしのレコードである。
(1)UP・SHOT 作詩:VINYL 作曲:宇崎竜童
(2)空っぽのピルケース 作詩:VINYL 作曲:宇崎竜童 (3)あなたに恋して 作詩:KURO 作曲:西岡恭蔵 (4)サミー・ボウ 作詩:阿久悠 作曲:大野克夫 (5)悲しみのポートタウン 作詩:中村かづみ 作曲:高橋イタル (6)ロケット・ウーマン 作詩・作曲:岡本一生 (7)夢づくし 作詩:VINYL 作曲:宇崎竜童 (8)CRAZY・LOVE 作詩:中村かづみ 作曲:大上留利子 (9)あの娘のBye-Bye・Blues 作詩:KURO 作曲:西岡恭蔵 作詩、作曲に並ぶ、綺羅星のような名前をみただけで、
このLPがいかに名盤であるかお分かりいただけるだろうと思う。
(4)の『サミー・ボウ』は比較的有名な曲で、阿久悠さんと大野克夫さんの知る人ぞ知る傑作。
(1)、(2)、(7)は竜童節が炸裂する、それぞれに趣の違う名作ぞろい。
(VINYLの正体は阿木さん?)。
そして、何と言ってもKURO、西岡恭蔵の、
いまは鬼籍に入ってしまったあの伝説の夫婦の名前が感傷を誘う。
こういう名盤をこそ復刻CDに起こすべきだと思いながら、
今日もまた大上留利子、三上寛、野坂昭如という、
徒花ながら本物の薫りをたたえた三人の歌は、
どうしてカラオケにあまり収録されていないのだと、憤慨している私なのである。
http://www.youtube.com/watch?v=Gsg3IBBcseU 『聞いててや』 大上留利子
その『大阪で生まれた女』を映画にすべく、すでに私が書いた脚本は第一稿が出来上がり、某ビッグスターの本格復帰作として企画が進んでいる。進んでいるのだが、順風満帆というわけではない。Wプロデューサー、Sマネージャー、今日来るか明日来るかと朗報を待っています。どうなっているのか、途中経過の連絡だけでもください。それと約束のギャラも早く……。 |

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取り急ぎ、お昼休みにまたコメントし直しますが。
大上さん!好きだ!
では仕事してきます
2010/9/17(金) 午前 8:57 [ 亮 ]
へぇ〜、こんな歌手もいるんだって思いますね。大阪の歌手って九州では殆ど見聞しません。おそらく関門海峡の激流に沈む?のかも。でも歌唱力バリスゴイ。ポチ☆
2010/9/17(金) 午前 10:00 [ 黒騎士 ]
うわーん!大上さん最高!
庵さんのお薦めアルバム聞きたくなってきました。
2010/9/17(金) 午前 11:09 [ 亮 ]
亮さん、手元にあるのは昔ながらのLPレコードで、再生のターンテーブルも今は始末してしまいましたから、すぐに聴くことは出来ません。
ただ、大阪在住のサックス吹き“スティービー和田”兄が同じレコードを所有していて、これこそ大上姐さんの最高アルバムだと日頃から広言していますので、機会を見てCD化してもらえるように頼んでおきましょう。
2010/9/17(金) 午後 0:24 [ 牡丹亭と庵 ]
庵さん!
ありがとうございます!
ブチュー(^3^)-☆chu!!
2010/9/17(金) 午後 0:36 [ 亮 ]
黒騎士さん、九州福岡の界隈からは井上陽水、海援隊、甲斐バンド、チューリップらそうそうたるミュージシャンたちが、関門海峡を渡って東京へ進出しています。
が、大阪を根城にするシンガーたちは初めから東京志向を持っていない。
東京がなんぼのもんやと、確信犯的に浪速の地に踏みとどまって活動する。
憂歌団、大西ユカリ姐さん、近藤房之助、上田正樹、そして大上留利子……。
と、そんな土地柄ですから、まして南に下って海峡を渡るなどという発想は初めからないのではないかと推察します。
(尤も、やしきたかじんの“東京”のように、じつは微妙な大阪人の屈折を歌った曲もありますから、一概に彼らの志を是とはしませんが。( ̄^ ̄))
2010/9/17(金) 午後 0:39 [ 牡丹亭と庵 ]