牡丹亭と庵の備忘録

映像業界人の某が日々のあれこれを興に乗せて語る茶席風

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決めゼリフ・その2

つい先ごろまで放映していたNHKの朝ドラ、『ゲゲゲの女房』終幕近くの回で、
風間杜夫さんが死ぬシーンをやっていた。

ありとキリギリスよろしく、気ままに生きてきた高等遊民の成れの果てが、
イメージの劇場の椅子に座って、おのれの一生を懐古しながら、
ただひと言「面白かったなあ」と笑って呟き、息を引き取る。

じつはほとんど同じシチュエーションのシーンを、私もかつて書いたことがある。
10年あまり前の映画になるが、『JOKER/厄病神』という作品。

萩原健一さん演じる伝説のやくざと言われた男が、
渡部篤郎選手演じるチンピラに、取り壊し直前の名画座
旧池袋文芸坐で展開された銃撃戦の果てに呟いた、いまわの際のひと言。
それが、同じ「面白かったな」という一行ゼリフだった。

別に、盗まれたの真似されたのと目くじらを立てるつもりはない。
同じセリフはそれより前に、稲見一良氏の傑作短編『煙』の結びにもある。

パパは衰弱しきった顔でぼくを見つめながら、
「あおおもしろかった」
と一言言って死んだ。(追悼短篇集『花見川のハック』より)

つまりはこれ、ドラマが描く臨終の際の究極の決めゼリフなのだ。

これに勝るカッコイイ死を映像で表現しようと思えば、
あとは口笛を吹きつつ自ら帽子で顔を覆って、
ゴダール映画のジャン・ポール・ベルモンドばりに、白々と死んで見せた、
『紅の流れ星』の渡哲也を超えるしかないと思うがどうだろう。(求むあなたの死の名場面)http://img.mixi.jp/img/emoji/206.gif

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