マラヤ通信

姫とサンとマヤーとくうとチキとドゥルとぱっぷくと牛男のブログ

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日本のニュースを見ていると、いじめに関する事件がまた再燃してきているようだ。日本にいたとき、僕は子どもたちのいじめや自殺、突出行動を関わる仕事をしていたので、全国各地から送られてくる作文や自殺した子どもたちの遺書に接することが多かった。それだけに今回の一連の事件は気にかかる。

いじめは同調圧力の強い場所で起こる。同調圧力、つまり、みんなが同じじゃなくちゃいけない暗黙の空気があって、その空気を読みながら生活しているグループがある。そのグループは、そうした場の空気を読もうと必死になっているメンバーによって構成されている。空気をうまく読んで、気の利いた言葉を発することができる人間が、場の人気者になる。ただし、人気者は場の空気を読み間違えた場合、その地位が転落するおそれがある。だから見たくもないテレビやファッション、流行語に敏感になって必死で場の空気を読もうとする。これは過酷なサバイバルゲームだ。

マレーシアで塾の教師を始めたときは驚いた。日本国内の強い同調圧力がここでは感じられないのだ。男の子と女の子の仲が良く、中学生になっても一緒に遊んでいたりする。日本人学校は私服で髪型の規制もないので、好き勝手な服装をしている。出身地は文字通り北海道から沖縄までなので、同調圧力のかけようがないからか。当時の生徒に聞くと、「だってみんな転校生だから転校生の気持ちがわかるし、自分が自然に受け入れてもらったから新しい子が来ても自然に受け入れられるでしょ」ということだった。

最近、「テメエ死ね!」という言葉を日本人学校の生徒の間で聞くようになった。おそらく彼らはそこに何の意味も感じてなくて、ただリズムを整えるために使っているのだと思う。でも、この言葉だけは僕は許さない。それは、相手の存在そのものを否定する言葉だから。そういう言葉を耳にしたら、その場で彼らと話しをすることにしている。「君は相手の存在を否定しようとしているのか」「いや、そういうわけではないけど」「冗談でも『死ね』と言われた人間の気持ちを想像したことがあるか」「……ちょっと言葉がすべっただけです」「すべった言葉にどれだけ重い意味があるのか考えずに君は話しているのか」。うるさいおやじである。だけど、言葉がエスカレートしたときに、自分の中でもどこかで「止めてくれ」と思っている自分がいるはず。甘いかもしれないけど、僕はそのことだけは信じているし、これまで僕が出会った子どもたちは実際そうだった。

いじめをなくすのは難しい。それは、「近頃の子ども」の問題ではなく、日本社会にある同調圧力の強さが大本にあるから。いじめをなくすには、大人を含む「社会」そのものが変化しなければならない。それは、簡単にいうと「違いを認める」ということ。「あなたとは価値観が合わない、はっきり言ってあなたのことは嫌いだ。だが、私はあなたが存在していることは認める」。僕がマレーシアから学んだことは、こうした異文化の共生のありかた。英語でいう「tolerance」だ。異文化とは、何も別の国や肌の色のことだけを指すわけではない。関西人と関東人だって、をぢさんと子どもだって、男と女だって、そして私とあなただって異文化なんだ。

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いじめの原因は、いろいろなことが考えられますが、同調圧力はとても大きな要因だと思います。最近では大人のイジメも問題になっていますね。日本独特の集団意識は、大人にこそ強いですからね。スペシャルなotiani的画面で、仕切り線とか入れたくなっちゃった。。。(汗)

2006/12/3(日) 午後 6:21 miruku4989 返信する

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最近、生徒たちとよく話し合います。こういう場合、いじめそのものについて話しても面白いものにはならないんですよ。だから、「うざい」「きもい」「消えろ」「死ね」などという言葉を使ったことがあるか。なぜ使うか、そのときどんな気持になるかなどを徹底的に話しました。言葉の意味をしっかり考えると、そういう言葉は教室から消えましたよ。

2006/12/4(月) 午前 11:56 牛男 返信する

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言葉を軽く使いすぎているのでしょうね。大人も子どもも。私も気をつけないと。。。

2006/12/5(火) 午前 0:15 miruku4989 返信する

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みるくさん。多分彼らにとっては、意味のない符号のようなものだと思います。ちょっと前にはやった「チョ〜」とか「っていうか」というのと同じで。でも、上記の言葉にははっきりとした意味がある。そのことを伝えるだけでも違うはずです。

2006/12/5(火) 午前 0:17 牛男 返信する

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牛男さん、遅れてすみません☆「同調圧力」といわれると確かに・・・。私は日本人の和を尊ぶ精神そのものは好きなのですが、時にそれは集団狂気とでも呼ぶべきものを産んでいて、気持ち悪さを感じるときもあります。戦時中の日本とか、生理的に嫌いです。。。

2006/12/16(土) 午前 0:26 うみわあお 返信する

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umi ha aoさん。僕もあなたの文章にコメントを入れようと思って入れられないままです。今の僕だと何を書いても嘘っぽくなります。他の記事とか一通り読ませてもらってから、コメントさせてください。僕も日本人の穏やかさとかお人好しなところは好きです。海外に住んでるとそれは本当にいいもんだなと感じます。

2006/12/16(土) 午前 0:33 牛男 返信する

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以前のわたしの人間関係の基本姿勢は、「わたしはあなたが好き。あなたもわたしを好きになってほしい」でした。でも、それでいろいろと問題が出てきた。考えてみて、「わたしはあなたを大切にしたい。あなたもわたしを大切にしてほしい」という姿勢に変えました。そういった基本的な姿勢があれば、いじめは起こらないような気もします。でも、そう簡単ではないのかもしれないけれど。

2006/12/20(水) 午後 4:54 [ medulla☆ ] 返信する

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medullaさん。スケープゴートを作って排除することで共同体の結束が強くなるというのは、いつの時代、どの場所でもありました。何もしなくても自分を安定させる楽な仕組みですから。人間関係を考えるとき「好き」というのは僕には難しいけど「大切」だったら何とかできそうだなと思えます。

2006/12/20(水) 午後 8:17 牛男 返信する

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共同体は生贄を必要とするのかもしれない。そう思います。最近、わたしはブログに「犯罪という極限の愛のイメージ」という文章を載せました。共同体と生贄に関するフィクションです。わたしは、それをトリックスター的なものだと思っていたんだけれど、スケープゴート的なものでもあるのかもしれないと、このあなたのコメントを読んで思いました。

2006/12/21(木) 午前 8:51 [ medulla☆ ] 返信する

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medullaさん。その作品、読ませてもらってました。トリックスターは境界領域に住むもの。スケープゴートは共同体内に居たもの。そういうイメージで僕は見ていますが、共同体から排除されて境界に住むということもあるわけで、そうなるとどっちだろう(笑)

2006/12/21(木) 午前 9:27 牛男 返信する

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どちらにしろ、境界を横断するときに事件が起こるんですよね。犯罪者はトリックスターの要素を持つ。そして、境界を横断したことによって罰せられ排除され、スケープゴートの要素を持つことになる。頭がこんがらがってきた(笑)

2006/12/21(木) 午前 10:14 [ medulla☆ ] 返信する

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そうだと思います。そして、面白いことに境界線など実はどこにも引かれていない。だから共同体を維持するためには、儀式によって外部を意識させ内部の結束を図る。そうでないと境界は消失してしまうから。共同体の論理に従うと犯罪は共同体にとって必要なものになると思います。恐ろしい結論ですけど。

2006/12/21(木) 午前 11:01 牛男 返信する

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失礼します。
長野県丸子実業高校のいじめ自殺した高校生のお母さんは、バレーボール部担当の教師やバレーボール部員から損害賠償請求を逆提訴され裁判で負けました。
今度は、校長が遺族のお母さんを提訴しています。

お母さんまで本当にいじめ殺されそうです。
転載してくだされば幸いです。

2009/7/5(日) 午前 7:03 [ 丸子実業高いじめ殺人判決は大誤審 ] 返信する

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上のコメントから、何が起きたのか理解できませんでした。ブログで転載するより、専門家に相談されたほうがいいのではないでしょうか。

2009/7/5(日) 午後 8:34 牛男 返信する

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