有閑主婦の日常

暇だと感じられるのはエネルギーがある証拠。

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艶やかな日々

成長期真っ只中の長女、成長期に突入状態の次女。
娘達の外見が目まぐるしいほどに変化をしている。

長女にはとっくに身長を越された。
私は150㎝を超える世界を知らない。
ところが最近、私は150cmを超える世界というものが少し見えてきた。
ここは、母子の不思議さだと思う。

私は、あたかも、娘達が体験する世界を自分が経験しているような気分になる。
人生9年、12年という小学生には、毎日が未知のスリルに満ちている。

喜怒哀楽のどれかがはっきりと分かる高揚した顔。
「ママ、今日ねっ」
娘の言葉が耳に届く瞬間には、私の記憶が小学生時代にフラッシュバックする。
やはり、私の影響を少なからず受けた娘達。
考えることも小学生時代の私に似ている部分があるらしい。
瞬間だけ小学生の気持ちになっている私は聞いていてうんうんと納得してしまう。
褒められているときは、私も褒められた気分になり、
友達と険悪になったときは、一緒に憂鬱になる。
いじめられたらやり返してやる・・・っ!
絶対に100倍返しだ・・・っ!
・・・とふと我に返って、ああこれじゃだめだと懸命に母親としての意見をかき集める。

「やりかえしたら、後で自分が嫌な思いしちゃうかもしれないから、
今日は我慢した方が良かったね」
「うん、本当は『なんでそういうことするの!』って言いたかったけど、
なんか言って余計嫌なことになったら嫌だから言わなかった。
そうしたら、むこうから『さっきはごめんね』って言ってくれた」
「えらいえらい!」
情けは人の為ならず、と常に思う。
ここで、『誰々ちゃんのために我慢した』となってしまえば、
せっかく誰々ちゃんのために我慢したのに、と愚痴もでるだろうが、
自分が嫌な思いをしないための我慢なのだから、後腐れがない。

さらに、結果オーライとなったのだから娘の選択が正しかったと思う。
「小学生のママだったらやりかえしちゃってたけどね・・・」
つい本音を暴露して、娘も『昔のママだったらきっとそうだろうね』の顔をする。

心の成長だけでなく、外見の成長も自分のことのように感じているのが不思議で、
1センチ伸びたと聞けば1日何ミリ伸びたか計算したり、
靴が入らなくなったら次の新しい靴は何を買おうとときめく。
面白そうなものがあれば、つい全速力で突進するからよく転ぶ。
なめらかな肌の手足に大きな擦り傷があるのは日常茶飯事。

学校から帰ってきたら顔を洗わなくちゃと思いながら、
ソファーでテレビを見たままうっかり寝てしまうから、
おでこに吹き出物が出来てしまったりする。

食べても食べても肉が食べたい。
食べても食べてもお腹がすく。

私は、子供達の空腹を満たすために次から次へと料理を作っている方なのに、
自分までたらふく食べたような気分になる。

ああ今日も食べた、明日も大きくなるのかな。

うっかり鏡を見てしまい、自分が母親の方だったと思い知る。
なんとまあ、小さなおばさんだこと。

私は、かっこよくパンツを履きこなせる足を持っていないし、
標準サイズの洋服が合う体も持っていない。

ミニスカートもおかしなことになってしまうし、流行の赤いリップもホラー映画のようになったので、
慌ててティッシュでふき取った。

自分の年齢に寂しさを感じ始めた頃に、娘達がみるみる女性らしくなってきていた。
後ろから見る長女は、肩の骨が少しとがってきた。
特別にスタイルが良いわけでもない普通の小学生だが、
足の短い私からみれば腰の位置が高くてうきうきする。

ポッコリお腹だった次女も、ウエストができて膝下がぐっと伸びてきた。
似合わなかった洋服がたくさん着られるようになったと喜んでいる次女。

子供達を通して、私まで再びファッションを楽しめるのは、
思いがけないご褒美のようでもある。









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