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「いじめ」が社会の問題になっている。文相が「学校教育法に定めてある 出席停止 の措置も活用していい」と言い、それが報道されている。
おかしなことだ。学校や教育委員会がそれぞれの考えでやればいいものを、わざわざ文相が言う。まるで、新しい施策が打ち出されたかのように、テレビがそれを報道する。
それが、おかしなことだ、と思わないほど、教育界は手足が竦んでいる。歩いていいんだよ、言われても、そうやすやすとは駆けだせないだろうと思う。
学校教育法という法律に次のような条文がある。
この条文は、現場では「体罰禁止」の条文として、拡大解釈されて、生徒が他の子をいじめている現場にいる教師が、それを制止するのに、やめろ! 大声をあげてもいいが、乱暴をしている生徒を羽交い絞めにしてその場に倒し、なおも抵抗するようであれば拳骨の一つや二つ食らわせて、ともかく制止する、ことなど生徒を殴ったりしてはいけない、と教師も、生徒も、親も、教育委員会も思いこんでいるのである。
この条文にそんなことは書いてない。
「懲戒」とは、こらしめいましめる、ことである。悪いことをした生徒に、拳骨を食らわせるような、こらしめをしてはいけない。水を入れたバケツを持たせて長時間廊下に立たせたりして身体に苦痛を与えるような、「懲らしめ」「罰」を与えるのはダメだといっているのである。
懲らしめや罰は、悪い事自体はもう止んでいるのである。お前はこんなことをした、それは大変いけないことだ、罰として・・・懲らしめとして・・・というようにくわえられる。その懲らしめ、罰として身体的苦痛をくわえてはいけないと書いてある。
現に進行している悪いことを「制止」するのに怒鳴ったり、言い聞かせても聞かない時、引き離したり、その場で取り押さえたり、それでも暴れれば拳骨を見舞ったりしてはいけないとは書いていない。
罰としてのことは禁止されているが「制止」のために教師が体力を使うこと、手を上げることを禁止してはいないのである。
もちろん、腹立ちまぐれに、平手打ちを食らわせて鼓膜を破ったりすることは注意しなければならない。
出席停止についての条文はつぎのようである。
第三十五条 市町村の教育委員会は、次に掲げる行為の一又は二以上を繰り返し行う等性行不良であつて他の児童の教育に妨げがあると認める児童があるときは、その保護者に対して、児童の出席停止を命ずることができる。
一 他の児童に傷害、心身の苦痛又は財産上の損失を与える行為
二 職員に傷害又は心身の苦痛を与える行為
三 施設又は設備を損壊する行為
四 授業その他の教育活動の実施を妨げる行為
○2 市町村の教育委員会は、前項の規定により出席停止を命ずる場合には、あらかじめ保護者の意見を聴取するとともに、理由及び期間を記載した文書を交付しなければならない。
○3 前項に規定するもののほか、出席停止の命令の手続に関し必要な事項は、教育委員会規則で定めるものとする。
○4 市町村の教育委員会は、出席停止の命令に係る児童の出席停止の期間における学習に対する支援その他の教育上必要な措置を講ずるものとする。
この条文は、小学校の条項の中に書かれているから「児童」となっている。中学校の場合は、生徒と、読みかえることになる。
これを読むとなかなか面倒で、なるべく使いたくないという気にさせられる。これは仕方がないことで、教育を受ける権利を一時奪うことなので、慎重な手続きが必要になるのだ。
じゃ、法律の条文は最後のこととして、これだつて最後のことにはならない。指導の中で、一掃出来ないものか。
長くなった。明日に続けよう。
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