前回この欄で15日のバンクーバー、東京間のエアカナ
ダのフライトが異常なルートをとったことを書きました。
理由は信じられない機長の説明でしたが、ともかく『乗客
の安全のため』ということに感謝、感動したと申し上げま
した。
 これをここで訂正します。結論は『乗客の安全』ではな
く『米軍優勢維持のため』だったようなのです。ブログを
書いたあと、これを読んだ教え子のパイロットから電話を
受けました。北のミサイルが北海道沖の北東2000キロ
あたりに着地しました。これを待って待機していた米軍機
(偵察機?)と日本機は現場あたりに急行。もちろん海軍
も協力。
 何のために?もちろん着地点を確認すること、残骸を収
集して分析するためです。これまでもミサイル実験が行わ
れるたびに日米軍部の情報収集は行われ、その都度、航路
の変更を強いられた、というのです。
 着地点はEmperor Seamountあたり、北海道から東へ
2000キロと言えばまさにエアカナダの航路とほぼ一致
するものです。このあたりに日米、それにロシア空軍、韓
国空軍も?まさに軍がこの周辺を支配したのです。
 この地区を管制するのは民間機に対してアラスカ半島に1
か所、カムチャツカに2か所ありますがこの時間帯にはアメ
リカ、カナダからアジアに向かう民間機が集中してたった
3か所の管制官は大忙しなのです。それに加えて日米の軍
用機の集中。しかも軍事優先の原則がある、というのです。
 そこでやられたのはこの通常ルートには民間機を入れな
いということでした。これまでもこのような例はあった、
と教え子パイロット。まさに世界のソラはアメリカ軍部が
抑えている、というわけです。つまりソラもウミも、中国
や北朝鮮が出張ってくることを許さない、という原則。
 これが本当なら私がエアカナダに感謝、感激したのはお
かど違い!日米両軍こそがエアカナダに感謝すべきなので
す。
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カナダ北極圏に近いホワイトホース付近

 

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矢野さんの『1時15分発のエアカナダなのだから朝9時
にメトロタウン発は早すぎる』というモンクににもめげず、
2017年9月14日の朝、バンクーバー国際空港の搭乗前
手続きが終わって、ゆっくりラウンジに落ち着いたのが10
時20分だった。たしかに早すぎる。出発までまだまだ3時
間もあるではないか。矢野さんも怒るはずだ。
 しかし私にはやることが山ほどあったのだ。まず空港の
エアカナダネットにPCを接続。北朝鮮のミサイルICB
Mの実験の有無をたしかめることだった。私はこの実験の
可能性がこの日にあるとの情報が気になっていた。それも
ICBMの可能性というからにはその着地点は北太平洋、
つまり前回のような北海道と本州の間、を通過して北太平
洋に飛ばすはず、と読んでいた。
 そうならば、まさにエアカナダの飛行ルートではないか。
そのときはエアカナダはアメリカ海軍の方針にしたがって
24時間飛行禁止になるかもしれない。カウンターで搭乗手
続きができないおそれもあったのだ。しかしこの日、この
とき、搭乗手続きに何の支障もなかったのだ。ミサイル実
験はない、ということか。
 しかし、PCでのあらゆる情報によっても何の情報も収
集できなかった。予定どうり12時40分にはラウンジを出
て、搭乗した。そして1時15分にドアは閉まった。極めて
順調だった。しかし異常なことがこの後に起こった。ドア
は閉まっても飛行機は動かない。5分、10分。。。15分ぐ
らいして機長からのアナウンス。『ただいまちょっとした
ことで調整中ですのでしばらくして出発します』と。ちょっ
としたこと、とは何か?ICBMだ?!
 これは今日は飛行中止か?それならそれで家に戻って1週
間ぐらいゆっくりしよう。いやいや待てよ、今日の夕方は
仕事の約束があったじゃないか!!やはり東京に到着しな
いと困る。ICBMが北太平洋をまざすのなら、そこを通
らなければいいではないか。つまり陸地を遠回りの手があ
るのだ。ホワイトホースからアラスカ、アラスカから、北
極、北極からシベリア、サハリン、北海道と南下するのだ。
機長のアナウンスの『ちょっとした調整』とはこの打ち合
わせだったのか?
 航路は思ったとおり、異常な北極ルートだった。その時
の航路図は下記のとおりでした。いつものバンクーバー、
成田の航路はバンクーバーと東京をまっすぐほぼ直線にな
ります(地図は球面図)。ところがごらんください。まっ
たく太平洋を通らないルートでした。
 そこで私は飛行機がサハリン付近を南下するころ、機長
に連絡を試みました。しかしその仲介を依頼したチーフ客
室乗務員は『機長とは話せない』と拒否しました。そこで
改めて名刺を渡し、機長に『決してあやしい者ではない早
稲田大学理工学部名誉教授です。勉強のため、本日の異常
なルートについて質問したい。これはやはり北朝鮮による
ICBMの実験が行われたのが原因か?』とメモを渡した。
 答えは奇妙ものだった。『航路変更はタービュランスが
あったため。もちろん北朝鮮のロケット実験は行われたの
で会社の担当部局からそれなりの注意があった』というこ
とだった。これは信じがたい。これまでもタービュランス
などいつもあること。いわゆる乱流のことだ。しかし乱流
はどんなに大きくても50キロぐらい。しかもレーダーで
事前に分かるのだ。時速900キロで飛ぶジェット機では
ほんの10分の遠回りで回避できるし、いつもそうやって
いるではないか。いくら何でも北極経由するほどのタービュ
ランスなどあるはずもない。
 明らかに北朝鮮ミサイル実験を避けたのだ。それならそ
れでなぜそう答えなかったのか。一体会社として秘匿すべ
き軍事機密でもあったのか?機長の答えは丁重で言葉も論
理的であったが、そのうらに隠された事実が垣間見られた。
『会社から受けたそれなりの注意』とは何か。ここだけが
極めてあいまいで抽象的だったのが気にかかった。
 それはともかくエアカナダが相当な燃料費の損害ももの
ともせず、乗客の安全を考えてくれたことに感謝、感激
です。
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コメントに反論

コメント引用
  大槻先生、この官僚をかばうわけではありませんが、
名目が「文化庁芸術祭賞」となっております。

私は個人的に、思想(政治的)を含む芸術はなにか別の意図を感じて、それを芸術と捉えるのは疑問に思います。

歴史を受け継ぐ「語り部」、古典芸術等も再現という分野であると思います。再現から発展させると、芸術でありましょうが、過去の歴史を受け継ぐという点ではこれは芸術と判断できるかは解りません。

政治的思想、歴史を受け継ぐという点で両者は我々の子孫及び生活にかかわってくる重要な課題であると判断しますが、また、芸術に高めようとする努力もありますが(というのは芸術という名目で利用しやすいからです)、これは芸術として判断して宜しいのでしょうか?

出来れば「文化庁芸術祭賞」ではなく「文化庁思想文化賞」とかであればスッキリするとおもいます
        (引用終わり)
 そのとおりかもしれませんが肝心の文化庁が、この『芸術』の中に『テレビドキュメント部門』を設定
しているのです。したがってコメントの内容はいささか的外れと言えるでしょう。
 

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呆れた高級官僚

 まず朝日新聞の驚くべき記事を紹介しよう。
   (以下引用)
 昨年度の文化庁芸術祭賞のテレビドキュメンタリー部門での
審査過程で、文化庁職員が「国を批判する内容の番組に賞
を与えるのはいかがなものか」という趣旨の発言をしてい
たことがわかった。東京新聞が9日付朝刊で報じ、林芳正
文部科学相は12日の閣議後会見で発言を認め「誤解を招
く発言だった」と釈明した。この番組は、優秀賞を受賞し
た「NHKスペシャル ある文民警察官の死〜カンボジア
PKO23年目の告白」。自衛隊の国連平和維持活動を検
証する内容だった。
    (引用終わり)
 文化庁高級官僚とは何者なのか?報道機関が国を批判し
てはいけないのか?報道機関は単に事実を報道するのだけ
が役割ではない。報道そのものが批判を含み、評論を含む。
つまり『報道の視点』というものが存在する。
 したがって報道からこの視点が欠如して無批判になって
いたのでは報道ではない。まして国の権力を監視するのは
報道機関の大きな役割である。これこそ民主主義の根幹で
ある。報道機関の自由な批判のありなしでその国の民度、
民主主義の成熟度が分かる。
 北朝鮮や中国の報道機関をみよ。政府機関の批判をやっ
たならその記者は即刻クビどころかその報道機関は捜査さ
れ担当者は行方不明となる。
 文化庁の高級官僚の思想の裏にはこのような北朝鮮、中
国のような報道機関の国有化の理想があるのか?本当に彼
は国家公務員1種試験に合格したのか?これが事実なら彼
の合格は取り消されなければならない。

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仮想通貨はアブナイ?

本欄で仮想通貨、ビットコインなどを批判したらコメン
ト欄には私をあざ笑うコメントが相次いだ(一部削除)。
『年寄りは黙れ』『ビットコインの暗号技術なども知らな
いで』『未来グローバルな通貨、国家管理のない自由経済
の基盤』 などなど。
 これは私の記事を良く読まないか、読もうともしない人
の妄言だ。私は現在流通している仮想通貨は危険だ、と言っ
ている。将来国家管理がうまく出来、国際金融システムに
仮想通貨が組み込まれて行けば私も信頼して仮想通貨を購
入するだろう。
 私のように居場所が定まらない人間には手軽で安全な国
際同一通貨は喜ばしい。それに日本の巨大銀行が企画して
いるような仮想通貨で国際送金が手数料ほとんどナシで手
軽にできるようになれば有難い。
 しかし私が今『仮想通貨は危険』と指摘するのは現在の
仮想通貨の危険性なのだ。以下の記事(日経新聞)は中国
がこの危険な仮想通貨の全面禁止に動いて来た様子を伝え
ている。
   (以下引用)
中国当局が4日、仮想通貨発行による資金調達「新規
仮想通貨公開(ICO=イニシャル・コイン・オファリン
グ)」を全面禁止した影響が広がっている。米情報サイト
によると、ビットコインなどの仮想通貨全体の時価総額は
発表前に比べて一時、2兆円超下落した。香港や東京を拠
点に日本人が主導するICOプロジェクトは中国語サイト
を一時閉鎖すると発表した。--
   (別の記事の引用)
ビットコインなど仮想通貨の取引所を閉鎖するとの報道が
伝わったほか、急拡大するネット金融にも規制の網を広げ
る方針だ。規制強化は資金洗浄や海外への資本流出を防ぐ
狙いだが、仮想通貨の値動きが激しくなるなど市場が大き
く動揺している。
     (引用終わり)
 つまり中国当局は仮想通貨の発行も取引所も禁止する、
ということだ。言葉を換えれば中国では仮想通貨そのもの
を否定する、というのだ。中国共産党の政策で『法輪功弾圧』
と今回の『仮想通貨全面禁止』だけは正しい、真っ当な政策だ。
 

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バンクーバーサイエンスカフェの常連参加者の御一人、
Kさんから『パリティに関する感想文』がよせられた。
この6月、何の気なしに、手元にあった物理科学月刊誌
『パリティ』(丸善、大槻義彦編集長)をバンクーバー
に持参したら、これが回し読みされたらしい。Kさんには
ずいぶん遅れて回されたらしい。
 以下Kさんの感想文の一部である。
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 パリティは30年以上の歴史を有する大槻教授が編集長
をされている物理科学雑誌である。出版社の丸善の宣伝
文では専門の研究者から物理科学に興味がある一般社会人
までが読者対象とある。100ページにも満たない薄さだが
中身は濃い。記事の半分はアメリカの物理学会が発行する
雑誌の翻訳記事である。大槻教授が全ての記事に目を通さ
れているかどうかは確認した訳では無いが、今回読んでみ
た印象では、間違いなく先生のチェックが入っていると思
う。
 理由は2つ。
その1 記事のタイトルが非常に面白い。思わず中身が読
みたくなってしまう。
その2 全ての記事の難易度が非常に似通っている。又科
学文章に多い直訳型の文章では無く、随所に大槻イズムの
人間味が感じられる。
 表題は実に魅力的で一見易しそうではあるが、その内容
は実に深く且つ専門的である。相当の物理科学に関する素
養が無ければ、内容を理解するのは困難である。しかしな
がら記事の種類や構成、文章表現が随分工夫されており、
深く理解しようとしないで、斜め読みに徹すれば、物理科
学の最先端の息吹を感じることは可能である。
 私にとってパリティは2000年に会社を辞めて以来初めて
であった。会社居る頃は周辺に専門家が揃っていたので、
難しい本との印象は持っていなかったが、今回久し振りに
一人で読んでみて自分の知識の乏しさ、最新の科学知識に
疎くなっていることに愕然とした。全く初めての用語が多
々出てくるのである。でもお陰で少しは目が覚めた気もす
る。今一度勉強する気にもなった次第である。何しろ時間
だけはたっぷりあるので。
 
 
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yam....さま

いつもいつもコメントをいただいているようですね。

『何故自分のコメントに回答してくれないのか』 
   それは簡単です。私はあなたのコメントがほとんど分からないのです。私だけでなく
   物理の専門家であなたのコメントが分かるひとはいないでしょう。

『何故会ってくれないのか』
   名前、住所も分からない不特定多数の人と用事もないのにお会いしません。

『何故電話番号を教えないのか』
   私は固定電話はありません。携帯はその都度、その場所で契約しますので
   一定の確定したものはありません。
                
                 以上    大槻義彦

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何とも呆れたケンブリッジ大学だがまず共同通信の記事
をご覧いあただこう。
【ロンドン=共同】英ケンブリッジ大出版局は20日
までに、同出版局の中国研究誌「チャイナ・クオータリー」
のサイトに掲載された天安門事件やチベット関連の論文な
どについて、中国当局の要請を受けて中国国内からのアク
セスを遮断する措置をとったと声明で明らかにした。英メ
ディアによると、対象は300点以上に上るという。
 中国の言論統制が海外にも波及、英国の有名大学が中国
の圧力に屈した形だ。
   (引用終わり)
 いやはや、ただただ驚きだ。イギリスと言えば民主主義、
人権、自由主義の権化と信じられて来た。その中でケンブ
リッジ大学はその学問的裏付けを代表する国の基幹支柱で
あった。学問の自由と独立、発表の保障、自由、公平は当
然のことである。
 ところがこの、われらがケンブリッジ大の出版局は中国
共産党に歴史の正確な研究発表を部分的に遮断したのだ。
つまりケンブリッジ大は現共産党政権が気にいっている内
容の中国研究しか自由に閲覧できなくなる。何のために?
お金のために。中国で売れる部数300部からのお金のた
めに。
 日本の明治以来の富国強兵政策、第2次世界大戦の日本帝
国主義の研究、朝鮮、中国、台湾などの植民地政策の研究
も日本の右翼政権が抗議すれば論文の遮断をするのか。
 研究の自由、発表の自由を保障しないケンブリッジ大学
はもはや死に絶えた。
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