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通常の、放射線によるがん治療はリニアックによって発         (写真)那須岳の紅葉 16年秋
生させた『制動X線』によって行われている。この場合
数十日かけて72グレイもの照射を行うから正常細胞への
ダメージも半端じゃない。
 X線ではなくベータ線や粒子線による治療もあるがこれ
も正常細胞にダメージを与える。しかし最近ではアルファ
崩壊する同位元素をがん細胞のみに取り込ませ、これによっ
てそのがん細胞のみを死滅させる高度な放射線治療法が注
目を集めている。しかしこの場合、放射線同位元素は加速
器などでその日、または数日前に作らなければならない。
同位元素の半減期が数時間から数日だからである。
 それならいっそのこと、その同位元素を体の中で、その
場で作れないのか。それができるようになったのだ。それ
が今話題の『ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)』である。
 BNCTは、腫瘍細胞に取り込まれたほう素10Bと中性子
との核反応により発生する粒子線(アルファ線、7Li粒子)
によってがん細胞を死滅させる。用いられる中性子はほう
素10Bとの反応が大きな熱中性子をはじめとする低エネルギー
の中性子である。この中性子は主に原子炉や加速器で作る。
 がん治療病院ごとに原子炉を設置することは不可能だか
ら小型の加速器を使うことになる。最近はこの種の小型加
速器の研究開発が進んでいる。残念ながらこの場合、中性
子は体の中に6cmぐらいしか入らない。そのため体の深
部にあるがんまでは到達しない。つまりこの治療は皮膚が
ん、脳腫瘍の一部しか治療できない。
 しかし将来中性子のエネルギーを増大させあらゆるがん
の治療に適用されるようになるであろう。そうなればBN
CTは究極のがん治療法となるであろう。『がんで人は死
なない』という日は間近である。
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