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数年前のこと、ニュートリノが光の速さを超える実験結
果が発表されて、相対性理論が破れたと大騒ぎされた。と くにマスコミの一部は『物理学の根底が崩れた』と『喜ん でくれた』。 これらのマスコミは常日頃科学文明の頂点に立つ物理学 の科学文明支配を苦々しく思っていたからだ。もちろん オカルトや宗教者の一部は『それみたことか!』と大騒ぎ したのだ。 パリティ編集委員会でもこのことは話題になったが実 験結果に否定的な意見だった。物理学の結果にはそれ相 当のニオイとかカオリみたいなものがある。今回のニュー トリノ実験には何かおかしなニオイがあった。もちろん、 私のブログではもっとはっきりと実験の誤りの可能性を 指摘した。 しばらくして6月8日、この実験のグループOPER Aは京都の国際会議でこの実験結果を撤回した。時刻を 精密に測定するGPSに取り付けた光ファイバーに1. 5mmもの接続不良が見つかった、というものだった。 なんともあっけない幕引きである。 この実験グループOPERAには名古屋大学、神戸大 学の人たちが参加している。名古屋大学、神戸大学と言 えば私の尊敬する先輩、後輩が多数所属しており、彼ら は素晴らしい研究を行ってきた。いわば物理学のメッカ の代表ともいえる。このような伝統ある研究グループ内 の研究者が物理学の全体像を覆すような(さらに言えば 文明を否定するような)実験結果を発表し、それが単な る接続不良の実験だったとは信じら れないではないか。 このようなとんでもない実験結果が出れば通常は教室 内で話題になるし、教室のセミナーでも討論になって大 騒ぎとなるはずだ。当然のことながらこのようにして学 内、教室内で批判、疑問が提出され、また発表はしばら く慎重になるように忠告されて検討がつづくはずだ。 今回の実験結果にはこの種の教室内の討論がなかった のだろうか。最近では『研究の自由』という過度な自由 主義がはびこり『隣は何をする人ぞ』という具合に相互 対話、相互批判が欠落していると言われる。これは教室 だけではない。学会でもしかり。専門の狭い分野以外に は関心を示さず理解する努力もしない。今回のニュート リノ騒動の背景にはこの種の『研究自由主義』があ った ような気がするのは年寄の余計な気苦労だろうか。 それはそうと今回のニュートリノ実験騒動を安易に、 否定的に見てはいけない。物理学の長い歴史を見ればほ とんどの研究は間違いだった。ただ間違った研究は歴史 に残らないだけである。たとえば万有引力の原因を探る 研究論文は少なくとも200本以上発表されたそうだ。 すべて間違っていたが、その間違いの基礎に新たな発見 がなされる。その意味でも若い物理学者が間違うことを 恐れず新な挑戦をすることがもっとも重要である。OP ERAグループの再挑戦を期待したい。あれから数年たっ た今、OPERAグループのその後、何の音沙汰もないが。 (科学誌『パリティ』(丸善)より一部転載) -- -- |

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学習指導要領の改訂により、批判や討論が強化される予定ですので、
次世代で変化すると思われます。
2017/4/19(水) 午後 10:30 [ 減二 ]
ゴミ
2017/4/20(木) 午前 2:19 [ p ]