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サイエンスカフェ最終回の報告と感想が『級長』のKさんから
届いたのでそのまま掲載します。
第6回バンクーバーサイエンスカフェ(VSC)総括
今年の最終回は前座を含めて話題3つ、参加者も
13名を数え狭い会場が超満員。
加えて4名の若手が先生方の話の後、大いに議論を
盛り上げてくれたので、誠に活気のある会となった。
来年以降もこの活気が継続されることを望みたい。
さて本題に入ります。
前座として東京工業大学の高久先生からセルロース
ナノファイバー(CNF)の研究開発および実用化の
現状について話があった。
CNFは第4回VSCで大槻先生から現在の鉄を中心とす
る文明から将来はCNFを中心とする文明に代わるか
も知れないとして、話されたテーマである。
CNFの素材であるセルロースはリグニンを結合材と
して植物の骨格を形成している物で地上最多の炭水
化物である。
このセルロースをナノレベルまで細分化する技術が
東大磯貝教授によって有機化合物TEMPOを使う事
によって実用化された。
CNFは鉄の5分の一以下の軽さでありながら、鉄の5
倍以上強度を有する。かつ熱変化が殆ど無い等多く
の特質がある。
しかも植物由来のため環境に優しく、再生産可能で
あることから正に夢の素材として評価されている。
本日の本題は前回のテーマであった超伝導の発現機
構である二つの電子が作るクーパーペアーと中性子
星の話。一見無関係に思える二つのテーマであるが、
強い力(原子核の中で陽子を結びつけている力で湯
川博士が予言されたπ中間子を遣り取りする事でも
たらされる。
宇宙に存在する4つの力(重力、電磁気力、弱い力、
強い力)の内の強い力が深く関わっていると言う点
で共通している。
まず同じ負の電荷を持つ電子が、どうしてペアーに
なれるのか。これは導体を低温に冷やすことにより
原子を構成する、電子や原子核の振動が小さくなり
原子核を介在して接近した二つの電子間にはフォノ
ン(物質の中を伝わる音を量子化した物で一種の仮
想粒子)を交換して非常に大きな引力が働くように
なり安定で強固なクーパーペアーを作る。
そしてこのクーパーペアーはボーズ粒子としての特
性を持っており、これまで存在したフェルミ粒子と
して制約から解放され、エネルギの最も低い安定し
た状態に凝縮(アインシュタイン凝縮)する。これ
によってこれまでばらばらに動いて互いにぶつかっ
ていた電子が規則正しい運動をする事で抵抗が無く
なり超伝導状態が生じる。尚クーパーペアーは一種
の量子もつれの状態であるとも言える。
中性子星は太陽の質量の約8倍以上の星が超新星爆
発を起こした後残された中心部が自身の重力で重力
崩壊を起こし、殆ど中性子(原子核内部にあった陽
子は電子を吸収して中性子になる)だけの集まりを
形成した物である。
なお質量が太陽の約40倍以上になると重力崩壊した
中心部の質量が中性子の限界質量を越えてしまうの
で、中性子星としては存在できず、光さえも脱出で
きないブラックホールとなる。
従って中性子星はブラックホールと兄弟、或いはブ
ラックホールになり損なった星と言う事が言える。
余談になるがこの超新星爆発時の陽子崩壊によって
生成される粒子(ニュートリノ)を世界で初め観測
に成功したのが神岡鉱山跡地に建設されたカミオカ
ンデで、これによって小柴博士がノーベル賞を受賞
されている。
余談ついでにこの小柴博士のカミオカンデ建設には
、当時学術会議のメンバーであったVSC主催者の大
槻博士の尽力が大いに寄与したことが、当時のエピ
ソードを交えて話された。
中性子星の質量は非常に大きく角砂糖の大きさで数
億トンもある。大きさは精々半径が20km程度。
多くの星は自転しているので当然中性子星も自転し
ている。問題はこの自転速度である。
フィギュアスケートで回転を速めるのに広げた手を
折りたたむのと同じ原理で、太陽よりも大きかった
星が僅かに半径20kmにまで小さくなるのである。
これによって自転速度も秒以下となり、強い磁場を
持つ中性子星からは強力なパルス信号が発せられる。
この星をパルサーとよぶ。
このパルス信号を観察することによって中性子星の
事が色々判るようになった。
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