フランス東部、ライン側のほとりの美しい町、ストラスブールの
ど真ん中のクリスマス市場で、11日銃乱射事件が起こり多数の死
傷者が出た。新聞にはすぐそばの巨大な、有名なカセドラルを背景
とした広場が写っていた。ここは筆者が若いころ、ストラスブール大学
客員助教授として滞在していた1970年当時、頻繁に食事に出かけた
場所で、こんな事件でなつかしい写真を見れるとは思わなかった。
事件から2日後、ストラスブール市郊外出身のイスラム教徒の青年
が逃走の過程で射殺された。犯人が銃で抵抗しても警察や治安部隊
は通常犯人が銃弾の尽きるまで待って逮捕する。しかしフランス警察
は多くの狙撃部隊で即刻射殺した。死刑が廃止されている国で、これが
一番手っ取り早い死刑なのだ。フランスに限らず多くのヨーロッパの死刑
廃止国で射殺が行われているから驚きである。ほとんどの場合射殺さ
れるのはイスラム関連のテロの場合である。
フランスは1981年、ミッテラン大統領以来死刑は廃止された、2007
年になってフランス国会は賛成828票、反対26票という圧倒的多数
で憲法改正を行い憲法上に死刑廃止が明記された。現在、2017年
の統計では142か国が死刑廃止である。死刑存続国は日本、北朝鮮
など56か国jとなっている。その死刑廃止国142か国でもフランスを
はじめヨーロッパ各国は人権を守るというアムネスティ活動の中心で
その主要な主張の根幹は死刑廃止である(1977年死刑廃止ストックホ
ルム宣言) 。
しかしこれらの死刑廃止やアムネスティの人権論はイスラムは例外
である。つまり欧米の人権論としての死刑廃止はイスラムに対しては
成り立たない。欧米の人権はあくまでキリスト教的範囲の人権である。
その証拠にキリスト教国韓国には事実上死刑はない。
もちろん私はキリスト教、イスラム教などすべての宗教は嫌いである。
しかし死刑制度がない『人権国家』でイスラム過激派を、大勢の治安部隊
で、裁判をすることなく即刻射殺するのは死刑でなくて何なのか?