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門の開かれる大きな音で居眠りをしていたコルトは目を覚まし、サカキの元へと歩み寄った。
「ずいぶん早かったですね。今日はこれからどうします?」 サカキは何かを考えているらしく、コルトの言葉に曖昧に頷き返した。 「バンキンスはあの音について俺の推測通りだと言っていた。コルト、ゴールドタウンに向かってくれ」 サカキは再び河馬車に乗り込み、今度は道と呼ぶには相応しくない程度に舗装された砂利道を進んだ。サカキは朝方の不吉な予感は口髭のバンキンスの言葉を指し示しているように思える反面、それ以外に自分の計画を脅かす何かが存在しているように思え、再度何かを知らせるための胸騒ぎが心の中を埋め尽くし、不規則な揺れのせいでサカキは胃の底から湧き上がる不快感に耐えかね、コルトに車を止めさせ、ゴールドタウン手前の平野に降り立った。サカキは直ぐに胃の中の不快感をはき出すように嘔吐したが、黄色く濁った胃液が地面に垂れ落ちるだけで、一向に不快感は消えず、サカキはその場に膝を着き蹲った。コルトはサカキの身を案じ、言葉を掛けたが、サカキの耳には何も聞こえていないように、蹲ったまま動きを止めていた。呼吸は乱れ、間を置いて嗚咽を繰り返した末にサカキは意識を失ってしまった。 |
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