|
バンヤは言葉を止め、ピノを見詰めた。ピノもまたバンヤをしかっりと見詰め返した。
二人の間に再び沈黙の時が流れた。 そして今度はピノがその沈黙を打ち消した。 「明日ルナに会いに行きます。僕は彼女の前から逃げ出した。けど、僕は逃げることを止めたんです。だから彼女にちゃんと話をします。そして前に進もうと思います」 ピノは乾ききった口を潤すために、言葉を止め唾を飲み込んだ。 「だから、僕をサカキという人に会わせて下さい。もう、迷ったりはしません。僕はその人に会いたいんです」 バンヤはピノの言葉に頷き返した。 「僕も彼にもう一度会わなければならない。君が前に進むように、僕も進まなければならない。強くなるために」 「僕も強くなりたい。そしてもう一度父に会いたい」 「何故?」そう問われればピノは返す言葉を失ってしまったかもしれない。ピノの言葉をバンヤは優しく受け取り、いつもの優しい笑顔を向けた。二人はそのまま言葉を交わすことなく、全てが動き出す明日を迎える為に眠りについた。 |
全体表示
[ リスト ]






