私設 松本観光案内所

MatsumotoPrivateInformationCenter/信州松本のさまざまな表情を、自己満足な角度からご紹介。

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 碌山美術館に立ち寄られた方は、ぜひ一度以下の見学の仕方を実践してみていただきたい。

 碌山館に入ると、まず個々の彫刻を見てからでもよし、あるいは個々の彫刻を間近に見る前でもよし、いずれにせよ、壁際に退いて立っていただきたいのである。そこから室内の全景を眺める。それも、入り口の反対の奥の壁の、二列に並んだ彫刻の間、入り口から見て微妙に左寄りがいい。そこが圧倒的にいい。
   
 みな同じ方向を向く中で、その立ち位置からは正面奥に見える「北条虎吉」像だけが、端然とした表情でこちらを遠く見つめる。
 その手前に、頭一つ低い、「翁」の横顔。老人の横顔というのは非常に味わい深いものだが、この位置からだと、まるで主人の「虎吉」と爺やの間柄のようである。彫刻と彫刻の間が有機的に結び付けられていく。
 「翁」のさらに手前に「女」。近代の自我とその開放に目覚めた女性を表すものとして余りに有名だが、それが旧式然とした「虎吉」や「翁」を背景に持つことで、彼女がそこから抜け出そうともがく確執として垣間見えてくる。
 その手前に(確か記憶では)顔と頬に当てた手だけの「戸張孤雁」像が、「女」の方を見向きもせず、知的で冷静な視線を前方に投げかけ、己の世界で想念に浸っている(この辺り記憶が怪しくて恐縮)。動的な「女」との対比が面白い。
 そして一番手前に「文覚」。抑え切れない情熱を筋骨と血脈にみなぎらせたその巨大な男の、大げさすぎるほどに見開かれた目は、遠く高いところを見つめている。その視線の先にあるものを、そこに立つあなたは自分の視線で追うこともできるのだ。
 あなたに後頭部や背中を向ける前列の彫刻たち───「デスペア」は臀部を向けているが───はその表情と感情をわずかにあなたに見せるだけで、それもまたこちらの想像を掻き立ててくれる。
 しまいに、向かいの入り口の壁には、古い時計と古い書籍が彼ら彫刻たちを黙然と見張っている。まるで芸術を学術が管理するかのように。

 すべてが実に上手く計算して配置されている。そのことに気づかされる。そしてなおもそこに───次々と寄せては引く観光客の波を無視して───立ち続けていると、次第次第に、彫刻たちの横顔に活き活きとした生命が吹き込まれていくのに気づくはずだ。
 視線を固定したまま、彼らは各々の声で互いに語り始める。空想のざわめきが静寂に取って代わる。床の赤レンガの微妙な凹凸までが、まるで生きているかのように見えてくるから不思議である。
 ステンドグラスから甘く差し込む光の下、ざわざわとして室内に満ちるこの彼らのエネルギーこそ、死して作品に己を残した碌山の、苦悩し、呻吟(しんぎん)し、沸騰した、短い生のエネルギーかも知れないのだ。

 Each one is art. The whole room is also art.


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