◆Man&Motorrad◆

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ツーリストトロフィーとGT4を利用した小説です。
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前置き:お久しぶりの更新ですが、まだバイクの出番は・・・(殴
 


 
とある金曜日。
 
平塚は、畑中や、会社の後輩である早坂と飲み屋街に来ていた。
 
不意に、小さな居酒屋の前で車を止める。
 
『車』というのも、今日、平塚と畑中は、早坂の車に乗せてもらう形で、ここにきている。
 
そんな訳で店外には、その居酒屋の和風な外装には場違いな、ドイツ車が止まっていた。
イメージ 1
早坂の愛車、BMW M3だ。
 
早坂「着きました。行きましょう」
 
平塚「路駐してて良いのか?」
 
早坂「ここは滅多に車きませんから、大丈夫です」
 
何気なく答えると、早坂を先頭にして店へ入る。
 
 
数十分後。
 
3人は食事をしながら、世間話で盛り上がっていた。
 
平塚と畑中の手にはビールがあるが、早坂の手には烏龍茶がある。
 
この後車で2人を送るため、酒は飲めないらしい。
 
と、不意に、こんな話題になった。
 
早坂「あ、そうそう。この間、銀のアコードと走りまして」
 
平塚「・・・それって北米仕様のアコードか?」
 
平塚が反応する。
 
無理も無い、近いうちに戦おうとしている相手なのだから。
 
早坂「そうですそれです。まぁ、なんてことありませんでしたよ」
 
畑中「お前の車は馬力が違うんだよ」
 
そう。
 
あのM3は、外見こそ大したことがないものの、エンジンにはチューンがされパワーが高められている。
 
とはいえ、ファインチューンなので、
 
早坂「たったの430psじゃないですか」
 
平塚「・・・こっちは150も無いんだぞー」
 
気の抜けたような声で平塚が返す。
 
畑中「で?走ってみた感想は?」
 
早坂は少し思い出すように間を置いてから、
 
早坂「前半は若干圧倒されてましたけど、後半はタイヤが限界迎えてたみたいで。アンダーばっかでしたよ」
 
良い収穫を得た、と平塚は思った。
 
情報収集は意外と大事な物だ。
 
相手の走り方によって、タイヤを温存するか、前半に賭けるか、一定のペースで走るかなどが決まってくる。
 
その情報を仕入れることで、早めに作戦を練っておくことが可能だ。
 
なので、
 
平塚「ストレートは速かったか?」
 
早坂「まぁ・・・そこそこ速かったとは思います。240キロくらい出てたかなぁ」
 
平塚「サンキュー」
 
畑中「それなら300ps程度かな」
 
早坂「あ、平塚さんも走るんですか?『アレ』と」
 
やっと気付いたかのように言った。
 
平塚「ああ」
 
 
それから2時間後。
 
3人は帰路についた。
 


 
久しぶりのご登場、前の小説から引っ張ってきた早坂でしたが、あまり意味がなかったような・・・?

第23話『親子の再会』

平塚宗馬は、店の入口を通り、中に向かって声をかける、
 
その前に、
 
気付いた。
 
店の中ほどに、見慣れたバイクが置いてあるのを。
 
CBR600RR。
 
バイクに興味は無いが、見るだけで名前は分かる。
 
彼の父、平塚弘太郎も、同じバイクを持っていたはずだ。
 
入口に突っ立ったままでいると、そのCBRの横に停めてあったR32の下から、人が出て来た。
 
「おー・・・?お前、もしかして平塚ん所の息子かぁ?」
 
唐突に声をかけて来たのは、店のオーナーの大館宗太郎だ。
 
「ども、お久しぶりです。」
 
「大きくなったもんだな、おい。あ、奥にお前の親父が居るぞ。」
 
親指で、店の一番奥――数段の階段がある先、居間だろうか、そこを指してそう言った。
 
「まあ、それはとりあえず後にするとして。今日はどんなご用件だ?」
 
宗馬はそこで、少し黙った。
 
まさかツケでコンピュータ変えてエンジンのパワー上げてくれ、なんて言えないしなぁ・・・と宗馬は考えたが、
 
「あのー、そこのEKのエンジンをパワーアップしたいんですけど・・・。」
 
若干、小声気味で言うと、
 
「なるほど。予算はどんぐらいだ?」
 
一番痛い所を突かれてしまった。
 
仕方ない、腹を割って話すしかない、と思いきる。
 
「・・・ツケで良いですか」
 
「え?」
 
「・・・ツケで。」
 
「あー・・・。」
 
妙な沈黙が流れる。
 
1分ぐらい黙ってたんじゃないかと思うぐらい沈黙が続いたところで、
 
「・・・よし、なんとかしよう。適当にやるけどな。」
 
最後に不穏な言葉を残したが、大館は承諾してくれた。
 
 
注文してから、奥の居間に通された。
 
彼の父親、平塚弘太郎が居ると言う話だ。
 
居間を仕切るカーテンをよけ、部屋の中に入る。
 
父親は、新聞を読んでいた。
 
「・・・・・・、」
 
他人の家で他人の家の新聞読んで何やってんだと言いたいところだが、ここは抑える。
 
「久しぶり。」
 
それだけ声をかける。
 
弘太郎は、聞き慣れた声に顔を上げるなり、
 
「運動しろ、運動」
 
なんだそれは、と宗馬は思う。が、それは口に出さない。
 
ここは無視して、別の話題を振ってみる。
 
「親父、まだCBRなんて乗ってんの?」
 
「あ?悪いか?」
 
「いや、その歳で時速200キロとか話にならんだろ。」
 
「心配するな。250キロ出してるから・・・」
 
「そういう問題じゃねーよ!」
 
平塚親子の会話は、こんな感じで進んで行った。
 
 
案の定、先にいた弘太郎の用件の方が早く終わった。
 
「・・・たまには帰ってこいよ。」
 
彼は、宗馬にそれだけ言うと、直してもらったばかりのCBRに乗ってどこかへ行ってしまった。
 
「さて。お前の方だが、明日までかかりそうだぞ。」
 
「あ、大丈夫です。今日は電車で帰るんで。後はお願いします。」
 
宗馬も、それだけ言うと、店から出た。
 
「どうなるかなぁ・・・」
 
西日に照らされた路地を歩きながら、宗馬は愛車の未来予想図を描いていく。
 
 
 
 
 
――続く。

第22話『過去と今』

琴美は、自分の過去を語りだす。
 
 
 
父親がクルマ好きでね、物心が付いた頃から周りにはクルマがあって。
 
もちろん、私もそれに影響された。
 
今のNSXも、もともと父親のものだったんだ。
 
でも、周りには、クルマどころか乗り物にさえ興味の無い人が多かった。
 
同じ趣味を分かち合える人がいなかったの。
 
高校卒業して、免許取って、自分のクルマで走れるようになったけど、それでも何かが欠けてた。
 
自分で楽しめてなかったんだと思う。
 
この間ね。あるFC乗りの人とバトルしたとき、教えてもらったことでね。
 
今なら楽しんで走れると思う。
 
 
彼女は大方、こんなことを言っていた。
 
そして、
 
 
――こうして、一緒に走れる人も見つけられたから。
 
 
と、付け加えた。
 
 
平塚宗馬は黙って聞いていた。
 
というより、何も言えなかった。
 
短い言葉の中に、そこはかとない大きなものが詰まっているように思えた。
 
少しの間を置いて、
 
「じゃ、そのうち走りに行くか」
 
一言だけ言った。
 
 
「・・・実力差とか考慮してくれないと困るけど」
 


 
その夜。
 
宗馬は、自宅で預金通帳を眺めていた。
 
彼は、アパートで独り暮らしをしている。
 
大学まで徒歩20分、豊坂峠までクルマで30分という場所のアパートだった。
 
「うっわー・・・」
 
預金通帳の残高には、機械によって印刷された文字で『120,000』と書いてある。
 
宗馬は、愛車のパワー不足に悩んでいる。
 
そのため、エンジンチューンを考えているのだが。
 
こんな額では到底足りない。足りるはずがない。
 
落胆しながらも、ある解決策が浮かんできた。
 
「親父の行きつけだった所に行ってみるしかないか・・・」
 
ツケでやってもらうしかない。
 
それが、彼が捻って捻って捻り出した解決策だった。
 


 
翌日。
 
ここは、神奈川県川崎市だ。
 
彼の目の前には、一つの店がある。
 
そこには、「大館オート」と書かれた古びた看板が掲げられている。
 
晴れ渡った空の下、平塚宗馬はその店の中へと踏み込んで行った――。
 
 
 
続く。
3月も下旬に差し掛かった、第3日曜日。
 
平塚宗馬は、またしても豊坂峠に来ていた。
 
今回も本格的に走るのではなく、ただのメンテナンスである。
 
今は、道路横の、コンクリートでできた広い路肩に自らの愛車を停めている。
イメージ 1
「馬力をどうやって上げるか・・・」
 
自分の財布の中身と通帳を眺めながら、絶望したような声を出しているのは、宗馬だ。
 
彼は、この間の試走で、愛車のパワー不足を課題に挙げていた。
 
そこを改善するだけのお金が彼のもとに無いことが、更に課題の点だった。
 
彼の中の天使は呟く。
 
借金はいけないよ、今は我慢する所だよ、と。
 
彼の中の悪魔は囁く。
 
ここで名前を大きくしとかないと苦労するぜ、と。
 
苦悩の末、選んだのは天使の方だった。
 
「バイト頑張らなきゃな」
 
シートに身を預けたまま、彼は呟く。
 
 
だが。
 
そんなどうでもいい呟きは、突如として聞こえた爆音に掻き消された。
 
(・・・?)
 
彼の耳には、複数のエンジン音が聞こえる。
 
一つは、自分のシビックのものだ。
 
それ以外に、2つぐらいだろうか、やけにうるさいのが聞こえる。
 
(ベンツと・・・NSX?)
 
自分がやってきたゲームの情報をもとに、推測する。
 
音が近づいてくる。
 
やがて、その姿が見えた。
イメージ 2
コーナーの先から現れたのは、深緑色のNSXと真紅のSL600だった。
 
以外にも、彼の予想は的中していた。恐るべきゲームの力。
 
だが、今問題となっているのはそこではない。
 
宗馬は目を凝らし、NSXの運転席を見て、驚いた。
 
その顔には見覚えがある。
 
(あれって――)
 
白波瀬琴美。
 
大学でたまに会う程度だが、その顔は知っている。
 
話もするが、クルマの話なんて一度も出た事がない。
 
思考を巡らせてる間に、そのNSXとメルセデスSLが、目の前をあっと言う間に横切っていく。
 
どんどんその姿は小さくなり、コーナーの先へ消えていく。
イメージ 3
NSXが最初に見えた時から、SLは大きく引き離されていた。
 

 
次の日。
 
宗馬は琴美と話をしていた。
 
「平塚くんも峠走ってたんだね」
 
そういうのは琴美。
 
対して、宗馬は、
 
「そっちこそ、よくもNSXなんか乗れるよ」
 
「あれは・・・まぁ、お父さんが勝手に・・・」
 
「くっそー、羨ましい。俺の親父なんて自分のバイクにいくら注ぎ込んでる事か。俺には一銭もくれやしない」
 
愚痴に、琴美は苦笑いすることしかできない。
 
「あー、失礼。そういや、なんで今までクルマの話しなかったんだ?」
 
彼女は返す言葉が見つからないようだったが、
 
「女子がクルマなんて、理解してもらえないかなって思って」
 
表情こそ笑顔だったが、声に少し元気がなかった。
 
だが、彼女は語り始める。
 
自分の過去を。
 
宗馬に聴いてもらう為に――。
――平塚には、息子が居る。
 
名前は、平塚宗馬という。
 
とある大学の2年生で、両親とは別れて寮暮らしをしている。
 
彼は、どういう訳か父親の弘太郎とは違い、クルマ好きなのであった。
 
更に、どういう訳か父親の弘太郎と同じ、ホンダ信者なのであった。
 
変な所が遺伝した平塚弘太郎の息子。
 
それが、平塚宗馬。
 
 
彼は今、購入したての愛車に乗り、走っている。
 
場所は、豊坂峠。
イメージ 1
彼の愛車とは、98年型のシビックタイプR、EK9だった。
 
バイトで貯めた資金で、やっとのこと手に入れたマイカーだった。
 
もちろん中古だが。
 
 
走っているというよりは、流しているという感じの走りだった。
 
「・・・買ってすぐに事故なんか起こしたら馬鹿みたいだからなぁ」
 
そんな独り言を言ったのは、宗馬である。
 
免許を取ってからおよそ1年だが、その走りにはどこか余裕も感じられる。
イメージ 2
下り勾配が付いているコーナーを曲がりながら、自らの乗るシビックの性能を確かめていく。
 
(もともとサスペンション入ってたし、ノーマルエンジンつっても走りやすいな)
 
彼は、単純に、そんな感想を持った。
 
黄のシビックは、森の中を更に走っていく。
イメージ 3
上り坂で、対向車とすれ違う。
 
相手が本気走りをしていて、スピードが出ている為、なんとなくスリルがある。
 
(・・・やっぱり、少しパワーが足りないかなー)
 
とはいえ、このクルマを買ったばかりの宗馬には、チューニング資金がない。
 
少しの間の辛抱だ。
イメージ 4
「・・・よーっと」
 
コーナーを浅い角度のドリフトで駆け抜ける。
 
FF車でドリフトというのはあまり出来ないイメージだが、彼は難なくやってのける。
 
走りの本質は、父親譲りなのかもしれない。
 
「今日はこんなもんかな」
 
一人呟くと、宗馬は豊坂峠を後にした。
 
 
――この日、平塚宗馬という、新しい走り屋が、誕生した。

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