帰っても旅人。

旅に出る。帰ってくる。 旅に出ても旅。帰ってきても旅。

佐藤初女さん

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佐藤初女さん(87歳)
http://www.geocities.jp/yuki_no_isukia/frame.html
http://www5c.biglobe.ne.jp/~izanami/kaminohado/008sathohatusne.html

「森のイスキア」という駅。
そこに列車はいない。
初女さんと出会い、乗るべき列車に気付いた時、列車は入ってくる。
プラットホームでさまざまな人が交差する。
「出会いがまた新しい出会いを創る」と初女さんが言うように。
今「展開」という言葉が好きだと言う。
初女さんにはその時々好きだった言葉の変遷がある。
「『力が欲しい』っていう時代もあったし、勇気がないので『勇気』と思ったり、『切り替え』という言葉を使っている時代もありました。でも『切り替え』というのも表と裏のように思えて、今は『展開して、開拓して、融合する』というのが私の中で大きいことです」
何歳になっても「展開・開拓・融合」し続けて生きていきたい。
それまでのすべてを打ち消すことなく、次々と新しい場所に出ようとしている人。

 
春まだ浅い雑木林の中に、その人は立っている。
耳を澄ましている。
雪の下のふきのとうの体内を流れる水音。
さまざまな人の発する心の声。
「暮らすこと」のすべてが祈りだった。
炎に包まれた土が陶器に変わる瞬間、透明になるのだとしたら、
もう、とうにこの人も見えなくなっていていい。
しかし、この人はそうしない。
日々、人々の中にいて、病める人の傍らに座り続ける。
「食」という「見える」もので 人々の心の中に「見えない」エネルギーを注ぎ込み続ける。


(「佐藤初女さん」終わります)


佐藤初女さん(87歳)
http://www.geocities.jp/yuki_no_isukia/frame.html
http://www5c.biglobe.ne.jp/~izanami/kaminohado/008sathohatusne.html

佐藤初女さんという人が登場したからには、これを書かずにゃ〜済ませることは出来ない。
(この「にゃ〜」というところに既に不吉な予感がする)

まず言ってしまう。
森のイスキアを訪ねた2度目か3度目の時、酒を飲んだ。
毎回飲んでいるがこの時は、
飲んで〜飲んで〜飲まれて 飲んで〜
飲んで〜飲みつぶれて 眠るまで飲んでしまった。
別に、
忘れてしまいたいことや〜どうしようもない寂しさに〜包まれた訳ではないのに・・・
(忘れてしまいたいことは、飲んだあとにやってきたが)

まだ暗いうちに目覚める。
そして恥かしがり始める。
何を恥ずかしがってるんだ!
半分眠りながら恥かしがるんじゃない!
どっちかにしろ!どっちかに!
ボラティアで働く女の子に抱きかかえられるようにして2階まで上がってきたような、来なかったような。

昼間、数名でフキノトウを取りに行った。
森のイスキアに来る目的の一つは「フキノトウの天婦羅」
その時はフキノトウの季節が過ぎつつあって、4、5人で近くの山林を探し回ったが、ない!
めぼしいところは既に採集されていて取り尽くされている。
出掛ける前に理想的なフキノトウとはどんなものか女の子に見せてもらった。
まだ花が開いていない土の中からちょびっとだけ頭を出したもの。
開いたものはもので料理法はあるのだが、天婦羅にはなんといってもまだ蕾のもの。それがおいしい。
ほとんど収穫なく開きかかったものなど採集して、草臥れ果てて戻った。
それでも夕餉には立派なフキノトウの天婦羅が出た。
そして酒。
そして飲みつぶれて〜眠るまで飲んでしまった。
こんな時、初女さんは決して止めたりしない。好きなだけ好きなことをやらせている。

そして暗いうちの目覚め。
夜というのは順番で言えば次第に朝になることになっている。常識的には。
よく「早く誕生日が来ないかな」とか「早くクリスマスイブが来ないかな」という「来ないかな」タイプの人がいるが「来ないでくれ」タイプの人も世の中にいる。
出来ることならこのまま夜がずっと続いてくれないかな、という人も。
その時の私がそうだった。
太陽が地球の向こう側で行ったり来たりを繰り返して欲しかった。
こちら側に顔を出すんじゃねえ!
朝が近づくにつれ血中アルコール濃度は次第に下がり、それに反比例して恥かし濃度が増していく。

暫定的なプランではあったが、決心した。
皆がまだ起き出してこないうちに、ここから一旦出よう!
入りたくなるような穴が見つかればよし、たとえ見つからなくとも正しい方向性を見定め、その後しかるべき行動を取ろう!
静かに階下に下りると、まだ寝静まっていて台所のカウンターに昨日昼間に行なったふきのとう採集の道具が載っていた。
ナイフとビニール袋が幾つかずつあった。それを手にして表に出る。
そして歩いた。
私はふきのとうを探していたのではなく、入りたい穴を探していた。
農道を歩き、幾つもの畑を抜け、林を抜け、あたりは明るくなってきたが、該当する穴は見つからない。
そんな手ごろな穴なんてそうそう見つかるもんじゃない、という結論に達した頃、私は一つの林の中に立ち、呆然としていた。
これは・・・これは・・・えーと、これは・・・

ふきのとうの群生だった。
しかもまだ地面から僅かに蕾の先を出し始めたばかりの群生。
夥しい数のふきのとうが広い林の中一面に広がっていた。
そこにあることをすっかり忘れられているような手付かずの林。
完璧なフキノトウ!
どれぐらい掘り返していたのだろう。
そこには取りたいだけの、いや取りきれないフキノトウがあった。
夢中で取りつづけた。まるで取れば取るだけ昨夜の酔いつぶれが帳消しになるとでもいうように・・・
100以上のフキノトウを取った。
どこをどう歩いたかわからなかったから地図作成には時間がかかった。
地元の人に聞き聞きして次第に精度の高い地図を完成させ、遠い道を歩いて帰ってきた。

一階の広い部屋には昼食を終えたばかりの人たちが丸いテーブルを囲んで寛いでいる。
台所のカウンターにフキノトウの袋を置き、
「何を採ってきたんだか・・・」の目で女の子が近づいてくるのを目の端にとらえながら、
部屋を出て2階への階段を上がり始める。
「せんせぇーーっ!!!」大きな驚愕の上ずった声。
「これ見てください!これっ!!」
階段を上る速度が遅くなる。
なにやら皆がわさわさと寄ってくる気配。
これはすごいね。よくみつけたな。これならあのひとに送れるね。いやいやたいしたもんだ。

皆が庭に植樹しに出たのを機に荷物を持って階下に下りる。
部屋に残っていた初女さんに挨拶して出ようとするところへ
「私、送ってきます!」とボランティアの子が素早く軽自動車を回してくる。

彼女は完璧フキノトウにまだ興奮していて、その素晴らしさについて熱っぽく話し続けた。
バス停に着き、荷物を降ろし、軽いサヨナラの挨拶を交わし、車を発進させたが、すぐに停車し、しばらくの間があった後、運転席の窓から首を出し、
「よ!っ!ぱ!ら!い! は ダァーメッ!!!」
「フキノトウ、ありがとぉーーーっ!!!」
急発進して砂埃をあげ車はあっという間に小さくなった。



佐藤初女さん(87歳)
http://www.geocities.jp/yuki_no_isukia/frame.html
http://www5c.biglobe.ne.jp/~izanami/kaminohado/008sathohatusne.html

女学校時代、胸を患う。肺結核だった。
喀血を繰り返しながら17年間の闘病。
その体験が現在の「食べる」ことと深く関わって生きるきっかけとなった。

「その頃、注射や薬の効き目は些細なもので、これではなかなか治らないということを感じていましたね。反対に、おいしい食べ物をいただいた時には体内の細胞が躍動するように感じまして、注射や薬に頼るのでなく、食べることで元気になろうと思うようになりました」

「17歳での発病以来、自然と少しずつ体を動かせるようになっていきました。もう闘病は終わったとはっきり実感したのは35歳ぐらいの頃でしょうか。健康であること、そして働けることへの喜びと感謝でいっぱいでした。これ以上の幸せはない、これからは何をすることも厭わないという思いでした」

女学校卒業後、小学校教員になる。24歳の時、結婚。
それを機に退職、ろうけつ染めを教えながら、1983年、弘前市内の自宅を「弘前イスキア」と名付けて開放した。
現在の「森のイスキア」の前身。
次第に訪れる人の数も増え手狭になる中で、初女さんは「森の中に人々の安らげる場所を作りたい」と次第に思い始める。
そして1992年、彼女の思いに共感する人々の尽力で「森のイスキア」が完成した。


今思い出したが去年の暮れ亡くなったKをイスキアに電話で誘ったことがある。
Kは私の説明を遮るように「行かない」と言った。それが亡くなる1年前。
http://blogs.yahoo.co.jp/oyajibag1/5236468.html


佐藤初女さん(87歳)
http://www.geocities.jp/yuki_no_isukia/frame.html
http://www5c.biglobe.ne.jp/~izanami/kaminohado/008sathohatusne.html

「私も年齢からいえばもう働かなくていいと思われますけど、やっぱりちょっときついなと思うところを標準にしているんです。
やりいいところまでにして、これでいいと思うと、次にまた楽な方を選ぶから、ちょっときついなと思うぐらいのところまでやっているんです。
それでも、知らず知らずに体力は低下しているんですけどね」

「みんな、いま揺れているんですよね。私自身も揺れているんです。
ある時、尊敬する先生に『私、揺れるんですよね』って言ったら、『ああ、揺れてもいいですよ』っておっしゃったんですよ。
『でも大揺れに揺れるんです』と言うと『大揺れに揺れても、1本、芯が通っているからいいですよ』
じゃあ、芯がある人にならなきゃだめなんだと思いながらも、また揺れているんです」

森のイスキアができる前、自宅の弘前イスキアに悩みを抱えた若者たちから夜中の2時、3時電話がかかってくる。きっと止むに止まれずしてきているのだろう。彼女は必ず電話に出たという。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

ジャズ、クラシック、ポピユラー その他諸々。
まさにこの人の辿った軌跡が2時間のライブに入り組みあっている。

サクソホーン奏者・金剛督のライブが青山にやってくる。

◆金剛督(こんごう すすむ)ライブ
5月29日(金)19時半〜
青山@ジマジン
http://www.radio-zipangu.com/zimagine/
金剛督(sax) 林あけみ(pf) 岡村タカオ(dr)

◆ライブ映像
http://blogs.yahoo.co.jp/congo1953/58497946.html

◆金剛督ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/congo1953/MYBLOG/yblog.html
ここにもライブ映像あり。



佐藤初女さん
http://www.geocities.jp/yuki_no_isukia/frame.html


1995年に公開された龍村仁監督による
『地球交響曲(ガイアシンフォニー)第二番』http://www.gaiasymphony.com/co_guide2.html
によって、佐藤初女さんは広く全国に知られることになった。
「今生きている私たち1人ひとりが、心にどんな未来を描くかによって、現実の未来が決まってくる」という龍村仁監督の思いがこの映画を生んだ。
封切られた4月に映画を観た。映画が終わり場内が明るくなると、観客のほとんどが若者で、見終わった後の余韻の中で、彼らが一様に軽く上気していたことを思い出す。
世界的に知名度の高いジャック・マイヨールやダライラマ14世の日常が綴られていく中、その映画の核となって節々で登場してくる「佐藤初女」という無名の女性が、映画を見に詰めかけた若者たちの心を揺さぶった。
映画の中で初女さんが、人を驚かすような行動をしたわけじゃない。
東北の豊かな四季を背景に、雪の下からふきのとうを優しく掘り出したり、梅を干したり、おにぎりをにぎったりしただけ。
73歳だった初女さんの穏やかな日々の営み。
どのシーンでも印象的なのが、初女さんのものに触れる時の手の優しい動き。
生まれたての赤ちゃんに触れる時、誰もが傷つけまいとして無意識にとる手の動き。
「母性」というより、もう1つ先の母性「祖母性」という言葉が浮かぶ。
若者たちは見たことのないものを見せられたのではないか。
核家族の時代に育った彼らにとっては「失ったもの」でなく、生まれた時から「無かったもの」を見せられた。

「私も祖母から受け継いだものが多いと思ってきたのですが、母も祖母に教わっているから、母も同じことを私に伝えているはずなんですね。母の方は元気があるから、言いつけるように、叱るように言ってきたと思うんですね。祖母の方は一世代おいているから言葉使いなんか、優しく話すので素直に受け取れたと、この頃思うようになりましたね」

「でも、祖母や母ばかりじゃなくて、人生を振り返ってみると『出会い』なくして、何も始まらないと思います。出会いから出会い、それがまた次の出会いに、というふうにきたので、その中の発見と気付きが大事ですね。出会いの中で、いろんなことを私は教えられてきました。『おにぎりがおいしいのは、誰に教わったのですか?』って聞かれますけど、それは何人もの人に教わって気付いたことなんです。その積み重ねがあって、今は自分のものとして伝えられるようになりました」

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