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「(続5)チベット問題080421」(2)
1.さて、民主制度の発達が先行した欧米だが、そこでも一直線的に民主制度が定着した訳ではない。

英国を見よう。清教徒革命は1642年に始まった。国王の首を斬ったがそのあとクロムウエルの独裁体制が始まる。1660年、王政復古となる。これが名誉革命(1688年)で倒され、やや穏健な王政となるが、議会制度は認められたが国王には強大な権力がまだまだあった。百年がかりで次第に議会の力が強くなっていく。19世紀の末になって漸く、男子普通選挙が行われるようになった。ここまで来るのに2百年以上かかっている。

フランスはどうか? 1789年にフランス大革命。直ぐにジャコバン党の独裁。次にナポレオンが皇帝となって独裁国家を造る。1814年、ナポレオンロシア遠征に失敗して全欧州を敵に回し戦さをやって完敗。ブルボン王朝が復活する。1830年、革命が起きより穏健な王政に代わる。1848年、革命が起き民主制復活。1852年、ナポレオン3世がクーデターで得た権力を使い、第2帝政を始める。1870年、普仏戦争で皇帝ナポレオン3世、プロシャのビスマルクに完敗。英国に逃亡し、共和制復活。ところが実は右翼による強権政治だった。19世紀末にユダヤ人の冤罪事件があり、これを巡る民主化運動で漸く民主主義が定着した。ここまで約百年かかっている。

米国はどうか?1775年独立戦争始まる。ところがこれは、民主主義とは全然関係なかった。英国はスペインやフランスから米国を守る為莫大な金を使った。その頃は北米大陸の大部分はスペインとフランスのものだったから。この戦争により、米国の領土は広がった。だが英国は戦費がかさみ、税金を上げざるを得なかった。すると米国は、英国議会に代表を選出していないから、英国は米国に税をかける権限はないと言い掛かりを付けた。

米国人は英国に帰れば選挙権があったのである。だが海の向こうでは遠すぎて選挙権がなかった。実は21世紀の最近になるまで、多くの先進国では海外に出かけた人の選挙権は認めていなかったのである。電信技術の発達した現在でさえそうした状態だ。まして18世紀に無理なことだったのだ。現在日本では海外に行った人の選挙権はどうなっているのか?少なくとも最近まで認められていなかったはずだ。

実は真の独立の理由は、その頃英国で奴隷制が廃止されたことに有るらしい。これでは奴隷制に基づいている米国は終わりだと、民衆を扇動したという。ジェファーソンなどは奴隷に子供を作らせていたという(注3)。ワシントンも大奴隷農場の持ち主だ(注4)。

そして独立が達成されるとフランクリンなどの有力者は早速秘密会議を開き米国憲法を決めてしまった(注5)。絶対に内容がばれないようにしたという。というのは、国民の権利が極めて曖昧なものだったからだ。普通選挙権など認められなかった。普通選挙権がぼちぼち州によっては認められるようになったのは19世紀に入ってからだ(注6)。というのは必要性がなかったのだ。金持ちになれば選挙権が出来る。米国で金持ちになるのは簡単だった。奴隷1人が当時百万円(注7)した(21世紀の現代では奴隷は非常に安く、1人2−3万円(注8)といわれている)。つまり、初めは一生懸命働き、先ず百万円貯める必要があった。そして奴隷1人を買えばあとは左団扇だったわけだ。民主主義の要求が労働者から高まってきたのは、豊かな土地が次第に少なくなっていった後の話だ。つまり奴隷を買っても畑で働かせることが出来ず、自分は一生労働者を続ける以外ないとなった為だ。そしてリンカーンが奴隷制をなくし、実際に黒人が人権を持つようになるまでには20世紀になる必要があったし、結局100年以上かかっている。

我が日本ではどうか?明治維新が1868年。終戦になって民主制度が出来るまで約80年。しかもこのままいくと、現在のままの民主制は維持できそうもない。

現在日本で起きていることは、非常にモラルが急激になくなっていることだ。これは根深い原因があり、親が駄目だから子供も駄目だという連鎖が何代にも渡り、しかも急激に加速度的に悪化を進めている。つまり、道徳を守る人が少なくなる・法律も守らないという状態になっている。恐らく国民の90%以上が既に犯罪者となっているだろう。政府・自民党政治家・公務員・警察の腐敗は特に激しい。

こういう状態になると、然も人々が絶えず勝手なことを言う状態ではとても国はやっていけるものではない。では何故議会制度が辛うじて保たれているのか?それは第2次大戦により、ファシズムが敗北し、1990年ごろに旧ソ連という左の全体主義が崩壊した為だ。つまり、民主主義こそが最も強い制度であることは既に実証されているから、ここをやめて非能率的国家体制を作ることは支持者がない。だからせいぜいブッシュ流の議会制の建前を残した独裁制が考えられる有力な国家像となる。

私はこういうことに賛成するものではない。反対だ。だが人々が勝手なことを言い、勝手なことをやる状態では、如何しても強い権力が必要とされるようになっていくと思う。あと10年もすれば臨界状態に達するだろう。それまでに世直しが成功することに力を入れねばならぬ。

1.つまり何を私は言いたいのだろうか?
第1には、先進国でさえ民主主義を確立することは時間がかかった。後進国が直ぐにできないからと、外部から押し付けるために先制攻撃で核戦争など起こして欲しくないということだ(注9)。

第2に、或る国がどういう国家体制を造るかは風土で決まる面が大きいのではないかということ。結局現在の中国とは、歴代の中国王朝がやっていたことと同じだ。

よく言われることは、ロシアが民主化されたあと、色々旨くいかないのは共産主義の残りかすがある為だと。だがレーニンのロシア革命のときも同じことが言われた。共産制度が旨くいかないのはそれまでの資本主義の残りかすがまだあるからだと。
実はそれは、蒙古がロシアを2百年間支配した為ではないか?中国は蒙古(元)に百年しか支配されなかったのにロシアは2百年間支配された。だから東洋的になったのではないかとも言われている。ところがロシアの歴史を調べると、ロシア人は蒙古に支配される前から凶暴で独裁的な国民性があったのだ(注10)。蒙古は中国を支配するときは元々の中国の風土・民情・制度に合わせて支配を行った。ロシアの時も全く同じだったのだ。アフリカが欧州に植民地支配されたから遅れたというのも同じ言い訳に過ぎない。

つまり、チベットに今人権がないと言われているが、それも中国がチベットの風土・民情・制度に合わせて支配を行っている為に過ぎないだろう。080416、TBSテレビの「ピンポン」という番組で「生激論 亡命チベット人VS.中国人 本音を語る」というものがあった。
そこに宋青宜という女性(日中環境協会理事長)が出演し、次のように語った。

「ダライ・ラマ14世がチベットを支配していた1959年以前はチベット人の平均寿命は37歳。現在は68歳だ(注11)。同じく教育を受けた人は2%だったのが今は99%(注12)。以前はチベット人の多くは農奴だった(注13)」と。
この発言はチベットを詳しく調べると正しいのである。つまり中国は、チベットの風土・民情・制度に合わせてチベット人を良い方向に導いていると言えるだろう。だがそれなら何故暴動がおきるか?
普通自分の状態が悪くなるとき暴動がおきるということはない。世界の何割かは飢えているがそれで普通暴動が起きるということはない。悪い状態が暴動を引き起こすのであればこれまでの世界の歴史の大部分は暴動の歴史のはずだが、実際は民衆とは悪い状態に黙々と耐えるものである[その理由は、悪い状態が暴動を引き起こすならあらかじめ体制側が予測できるからだ。だから万全の準備が終わっているはずだ。だから普通は暴動がおきても大規模になることはないし、暴動後は更に苦しい状態が続いても民衆は耐えていく]。逆に1970年ごろの世界的学生暴動とは何だったのだろうか?黒人は奴隷制度のとき暴動を起こさなかった。暴動を起こしたのは自由を手にした1960年代だ。世界の革命の歴史を見ても生活が悪化して革命が起きたということは稀だ。そのことはA・トクヴィルが『アンシャン・レジームと革命』のなかで述べていることだ。殺されないと思ったから暴動を起こしたのである。

第3に、中国の風土から来る国民性を考えよう。人肉食こそ中国の真の伝統であることを先に述べた。そこにモラルはない。だから現在金儲けの為全く考えられないことが次々に起きている訳だ。つまり中国人は自分のことしか考えない。出来るだけ平和に丸く収まる方法をとるだろうが自分を守り抜く為なら文字通りなんでもやるだろう。現在の日本でさえ勝手な人間が増え過ぎて民主主義を維持することが困難になると予想される訳だ。米国もブッシュ流の独裁の後には自由化が起きるだろう。だが自由化が今度は行き過ぎて勝手な人間が増える。麻薬に手を出す人間・銃を乱射する人間・ゲイだホモだシビリアンだと男同士で結婚する権利を認めよとかも要求するだろう。裁判では次々に言い掛かりで奇妙な判決が出、真面目に働く人間が少なくなり言い掛かりにぶら下がって食う人間が増えるだろう。こうして持続可能な限界状態に達する。そして再び何らかの独裁制が生まれるわけだ。つまりモラルのない状態ではこうした輪廻しかありえないわけだ。中国で今民主化されたらそれこそ勝手な人間が多すぎて大変なことになるだろう。今独裁政権が有るから辛うじて押さえつけて、いい方向へも進ませられる。もう少し経済発展し「衣食足りて礼節を知る」状態になるまでは無理だ。犯罪天国になるのは確実だ。マフィアが国と核兵器を支配する国に成るだろう。その被害を受けるのは近隣国だろう。毒入り食品を食べさせられるのは現在のようなこととは規模が違ってくるだろう。自分のことしか考えない人間がどうして国全体のことを考えられるか?そしてどうして民主主義が可能なのか?

(注1-13):次をクリックして下さい。
過去記事「(続5)チベット問題」への注080425

参考記事:
「チベット問題080405」
「(続)チベット問題080406」
「(続2)チベット問題080409」
「テロを支援する朝日社説080409」
「(続4)チベット問題080411」
「(続5)チベット問題080421」

080422/0425/0425pm加筆訂正

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