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なぜ大学研究者の自衛隊のための研究には国は金を出すべきか190824
1.さて当HPでは、大学研究者に対し国が、癌の撲滅とか民間経済発展のための新技術開発など国の役に立つ研究に対し、金を出すからやってくれと研究を募集して審査したうえで合格した者に金を出すというやり方に反対してきた。
癌の撲滅や民間経済発展のための新技術開発などは確かに国の役に立つのではあるが、そのために金を出すということは理研などの特殊な研究所に対してのみ行うべきであり、一般の大学にはなじまないと言ってきたのである。
だが例外的に、自衛隊のための研究であれば同様な研究を大学の研究者にやらせることに私は賛同してきた。
1.このことに対し、疑問を持つ方から質問が出たため、なぜそのような区別が必要かの点について論じておく。
1.第1に、国防技術とは、ある意味において国民の命にかかわることであるから、いくら金をかけてもやり過ぎということはない。
一方で、民間経済発展のための新技術開発などは事の本質としていくらでも金をかけていいというものではない。
第2に、国防技術開発とは、絶対に成功しなければならない。したがって未知の技術をこれから開発するのではなく、すでに原理などが分かっている既存の科学を応用するのである。
既存の科学の応用と言ってもいくつかのレベルがあるのであるが、科学を技術として実現化する場合、全くハードルが存在しないものから、いくつものネックが存在し極めて困難なものまである。
国防研究とは、割と科学から技術への道が遠くはないものの分野において行われる。
つまり国防研究における他国との競争とは、新たな画期的なことを発見することではなく(そういうことが偶然実現したならば素晴らしいことであるが)、すでにある既存の技術を、いかに早く形にするかの競争である。
つまりいかに莫大な金を国が投じるか。あるいはいかに多くの科学者・技術者を動員できるかの競争ということになる。
しかし民間経済に応用できる技術とは、そういうことを行えば絶対に利益よりもコストの方が大きくなるであろう。それどころかこういう日の丸親方を行えば、とんでもない借金だけが増えて成果は全くでないであろう。
まさにここが自衛隊のための研究とほかを区別しなければならないもっとも重要な点である。
1.ところでこれまで書いた部分においても、相当な単純化と極端化があり、「軍事研究はそんなものじゃない」と怒られそうである。
しかし議論の方法として、単純化・極端化は分かりやすくするため有効な手段である。
そこで第3に、研究者の態度に関し述べるのであるが、ここで極端な単純化を行うことにする。また以下で述べることは私の直観に基づくことであり、果たして本当に正しいことかどうかは分からない。
1.技術開発に関し、軍事研究と民間経済応用化技術で2つのタイプがあることが分かった。
そこでこの違いを極端化していこう。
すると民間経済応用化技術が純粋科学の基礎研究に極端化されるであろう。
つまり一方に科学があり、他方に技術がある。これをさらに極端化すると、一方に純粋科学があり、他方に軍事技術があることになる。
そして私は、純粋科学に対応する科学者の態度として「深考力」を上げ、軍事技術に対応する科学者の態度として「速考力」を上げたい。
「深考力」と「速考力」はどちらも社会にとって重要で不可欠なものだが、育成方法は全く異なる。
つまり「速考力」は競争によって、成果を上げた場合にご褒美を上げることによって育成される。
例えば親が、いい成績をとった子供に褒美を上げたりほめるならば、これは「速考力」を育成することになる。
一方で「深考力」の場合は、深く物事に没入しなければならない。
つまり「速考力」の場合は、脳の働きを、注意力を制限することで育成される。例えば漫画が読みたくても我慢するなどが必要である。
しかし「深考力」の場合は、脳の働きを制限するのではなく、100%全面的に働かなければならない。
こういうことが可能になるためには、その研究者が真にその物事に興味・関心を持っている場合のみである。
言い換えれば、回りの人がどう思おうと、当人にとってはその研究がこの世で一番面白いのである
(「マッド・サイエンチスト)。
このような基礎研究とは、お金が目的で行うわけではないから、インセンテブのやり方が全く異なるであろう。
つまり、お金をあげるから国の役に立つ研究をやってくれということに全くなじまないのである。
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1.現在我が国の最大の問題は北朝鮮核問題である。これについて緊急に次の3つの記事を書いているため、読者の方々はぜひご覧になっていただきたい:
「広島市長「平和宣言」・原水協「世界大会広島決議」は全くナンセンスだ!190808」
「北朝鮮核問題とイラン190810」
北朝鮮核問題とイラン「2」190814
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