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日本一のHERO俳優 【宮内洋】 出演作品エピソードガイド&各種レポート

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(観劇:4日昼・夜/20日昼・夜)
 
【 作品データ 】
演出/北村文典 脚本/池田政之 音楽/津島利章、西崎進 舞台監督/赤塚幸信 出演/加藤茶、高木ブー、仲本工事、麻丘めぐみ、宮内洋、誠直也、浅茅陽子 他

【 STORY 】
 品川の浜近くの長屋に母親のおぶう(高木ブー)と住んでいる魚屋の茶太郎(加藤茶)は、幼馴染で大工の工吉(仲本工事)やその姉・お陽(浅茅陽子)たちと貧しいながらも楽しく過ごしていた。ある日、稼ぐあてもなく品川の浜へやって来た茶太郎の頭に、50両もの大金が入った財布が降って来る。思わぬ大収穫に浮かれる茶太郎は長屋へ50両を持ち帰り大宴会を繰り広げるが、翌朝その財布は忽然と消えていた。山のような借金を作ってしまった茶太郎の元へ、馴染みの遊女から心中の誘いが届く。
 
【 口入屋 大野屋洋五郎 】
 「口入屋」とはいわゆる江戸時代の人材派遣業者のようなものらしい。だが物語の中にそういった描写は全く出てこないから、まぁ、名目上の仕事なのだろう。本業は遊郭の主、裏家業はヤクザの親分。
 
◆第一幕 第二場/品川近くの浜
 百姓の次郎兵衛は貧しさから娘・お夏(芦田由夏)を遊郭・白木屋へ身売りする。遣り手ばあさんお勝(勝見史郎)に連れられて行く娘を涙ながらに見送る次郎兵衛を、ヤクザ者が取り囲む。緊張する次郎兵衛。その時、夕暮れ時の鐘の音が鳴り、舞台センター上部に上手側から股旅姿の流れ者らしき男が三度傘で顔を隠して登場する。うーん、さすがは宮内洋、はずさないカッコ良さ100%全開(笑)。
 
 「親分っ!」股旅姿に一斉に頭を下げるヤクザたち。三度傘から顔を上げた大野屋洋五郎は、ゆっくりタメにタメた口調で「馬鹿野郎、親分親分と。旦那様と呼べと、何度言ったら分かるんだ」と子分たちを一喝する。「すいやせん!オヤブンッ!」声を揃える子分共に「それを言うなっつんだ、バカ!」って、地団駄踏んでるんだけど(^^;そのジタバタの動作が妙に中途半端(苦笑)。何となくブレーキがかかっている感じで物足りない。やるならもっとハジケて欲しいし、やらないなら片足ドンっ!くらいの方が場面がシマっていいのに、と思っていたのだが。

 後から知った事だが、実は先月末、リハーサルの時に左膝を痛めたという宮内洋、ジタバタの動作は膝に負担がかかるので少々遠慮気味にしていたらしい。 ・・・ったく、年寄りはこれだから(以下自粛(^^;;)。20日の時はかなり足が上がるようになり上半身の動きも大きくなっていたので、とりあえず合格にしとこうかな(笑)。
 
 洋五郎は次郎兵衛が娘を売って得た50両を狙って来たのだった。そして素直に差し出さない次郎兵衛をすぐさま殺してしまう。この場面は本当にあっさりした展開で、殺しに到るまでの説得力が弱い。洋五郎は今までもこうして恐喝しては殺人を繰り返して来たのだろうと無理矢理納得はしたものの迫力不足は否めない。ところが20日はその印象がガラリと変わった。次郎兵衛に話し掛ける優しいしゃべり方が「迫力不足」ではなく「何を考えているのか分からない恐さ」や 「キレやすい危なさ」を感じさせるものへと変化していた。宮内の持つ、独特の妖しい危険な雰囲気がよく生かされている場面だと思う。
 
◆第一幕 第四場/白木屋 お麻の部屋
 遊郭・白木屋に大野屋洋五郎がふらりとやって来る。口入屋とは表の顔、本業は白木屋の主人である洋五郎は、自分の店で買い取った遊女の親を襲撃し支払った50両を奪い返して儲けている悪どい(セコイとも言える(笑))ヤクザだったが、自分が半年留守にしている間に入ったお麻(麻丘めぐみ)という遊女を見に(あわよくば手篭めにしようと(^^;)来たのだ。お麻は遊女でありながらその身を売らない美貌の花魁として店のナンバーワンになった謎の女だが、互いの顔をひと目見た洋五郎とお麻は激しく動揺する。二人のただならぬ様子をいぶかる女将(和泉ちぬ)に洋五郎は「あの女、この店から絶対に出すんじゃねぇぞ」と言い捨て出て行く。
 
 股旅姿から小豆色(赤茶?)の着物に黒の羽織という、いかにもバクチや女遊びが好きそうな商人風(どういう表現だ(^^;)へと着替えた宮内洋。ヤクザな女郎屋家業のはずなのに、その立居振舞には優雅な気品すら感じられ、くるりと踵を返した所作などは非常に綺麗なのだが、それが逆にヤサ男風で、初見の時は悪役としてちょっと物足りなく感じていた。それが20日には明らかに変わっていた。月初には感じられなかった下品さ、違う表現をすれば、裏では殺しや恐喝を繰り返しているヤクザの成り上がり者が表面上は堅気な商売のフリをしているような、取り繕った上辺だけの上品さが台詞の端々や間合い、ちょっとした動作にも表れていて、実に上手く消化されている。正直言って期待以上の完成度に、大変驚いた。

 洋五郎とお麻の因縁は第二幕 第一場にて語られるのだが、ここでズルしてバラしてしまうと(笑)お麻の父親は美濃大垣藩戸田家家中で勘定方を務めている武士だったが、配下の大田洋左衛門という男の不正を正した処、返り討ちにあって斬られた。その大田が大野屋洋五郎と名前を変え江戸にいると知ったお麻は兄と共に復讐の旅に出る。お麻の兄・水城直次郎(誠直也)も父と同じ武士だったが、手持ちの資金も底を尽き、武士の魂である刀を売らなければならないまでに貧窮していた。そんな兄を見かねたお麻は、兄に父の仇を討たせるため遊女へと身を落としたのだった。
 
 この因縁話を聞いて、えーっと、直次郎にとって洋五郎は親の仇っすか?ってぇ事は、必ずあるよね、クライマックスの一騎打ち♪と期待したのは筆者だけじゃなかっただろうなぁ(笑)。
 
◆第一幕 第六場/品川近くの浜
 第五場と第六場との間、幕前でウロウロする洋五郎の子分たち。白木屋を抜け出したお麻を追う一味。そこへ上手から洋五郎が登場すると懲りもせず「親分っ!」と頭を下げる(笑)。「馬鹿野郎、また親分親分と。旦那様と呼べと言ってるじゃないか」またしても一喝する洋五郎。つか、アンタの子分たちって余程学習しないのね(爆)。
 
 実は親分と子分の短いやり取りも4日と20日では大きく変わっている。4日は「旦那様と呼べと言ってるじゃないか」と一喝する正統派の親分だが、20日は「旦那様と呼べと、いつも言ってるじゃなぁ〜い」って・・・ゾゾゾ、そこでいきなり声色使わないでくれるっ!?(ギター侍かよ(^^;)そんな事してると、明治座の時みたいにまた喉を壊すよ、まったくもう(苦笑)。
 
 洋五郎に正体がバレたお麻は、自分が殺されるのではないかと思い、また身を汚すくらいなら死んだ方がいいと考え、馴染みの客だった茶太郎をそそのかして品川浜で心中しようと企てていた。お麻と茶太郎がいよいよ海へ飛び込もうとしたその瞬間、洋五郎一味が二人を発見するが、自殺志願の二人は海にドボン、そのまま逃げられてしまう。「殺す手間がはぶけた」とうそぶく洋五郎。だが二人は真冬の海から奇跡的な生還を果たす(笑)。  (つづく)

['05/2/23 up date]

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