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日本一のHERO俳優 【宮内洋】 出演作品エピソードガイド&各種レポート

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【 作品データ 】
放映/テレビ朝日系 土曜午後9時〜11時 監督/松島稔 脚本/岡本克己 音楽/津島利章 出演/愛川欽也、大西結花、渡嘉敷勝男、白川和子、本郷功次郎、辺見マリ、宮内洋、他 制作/テレビ朝日、IVSテレビ制作

【 STORY 】
 ビジネスホテルのオーナー篠原の元へ昔の恋人の子だと名乗る娘が訪ねて来る。彼女に別れた恋人の面影を重ねた篠原は自分の手元で面倒を見ようとするが、自分と恋人が別れる原因となった「事件」の記憶と自分が裏切ったために服役した仲間が篠原を苦しめる。だが、かつての仲間が次々と殺されて行き警察から追われる身となった篠原は、忘れようとしていた「過去」に連続殺人事件の鍵を見つけ出すべく一人調査を始める。
 
【 沢村誠 】
 青森で漁師をしていたが貧しさに耐え切れず村の仲間3人と漁業組合に押し入り現行犯逮捕された過去を持つ男。
 
 深夜、車中から漁業組合の入口をうかがう男女。リーダー格の沢村、大石(渡嘉敷勝男)、篠原(愛川欽也)、篠原の恋人・貞子(大西結花)の4人は翌日の給料が収められている漁業組合の金庫を襲う計画なのだ。これだけ見ると若い娘とオジサン3人のアヤシイグループに見えるので現代かと思いきや実は27年前の回想。って事は皆当時20歳位の設定と言う事になる。それでも愛川は目だけ出る覆面状の帽子を被り渡嘉敷もニット帽を目深に被っているから誤魔化しが利くが何故か宮内だけが素顔。それでなくても冬の青森の漁村って設定でアノラックと長靴姿がオヤジ臭いのに(爆)素顔で20代を演じるのはいくら若作りでも無理があるぞ、宮内洋!
 
 更に沢村には本州最北の地で生まれ育った割には訛りがない。冒頭、計画の実行を前にして「やめんべよ」と尻込みする篠原に「なぁに言ってんだ今更!」と標準語で叱咤すると言うミスシーンがある。「現在」が標準語なのは理解出来るが青森に居た当時の会話のイントネーションが標準語同様と言うのはいささか違和感がある。言葉の訛りは無くても良いのだが(本当の東北弁では台詞にならないだろうし(苦笑))もう少し濁音を使えたらもっと「それらしく」なったと思うのだが。「現在」と「過去」の演じ分けが一番しやすい部分だっただけに惜しい。
 
 金庫破りと傷害で捕まった二人は篠原と貞子の事を隠し通す。それは「仲間を守る」ためではなく「後々利用する」ためだった。金庫破りと傷害罪では重くてもせいぜい実刑3年程度。刑務所を出た後、大石は土地転がしをしながら、仲間を裏切り一人東京で事業を成功させた篠原の元へ金の無心に来るようになる。だが元々垢抜けていた沢村は大石とは逆に女を食い物に生きるようになっていった。
 
 沢村は夫と子供を事故で失い水商売で生計を立てていた村山幸子(辺見マリ)のヒモとなり、篠原に自分の愛人を接近させて妻の座に据えその上で篠原の事業乗っ取りを画策していたが、それが仇となり自分の立場の危機を感じた幸子にビルから突き落とされ殺される。その死に顔がまた美しい。目をカッと見開いて口のまわりは血糊が張り付き顔色は真っ白と言う「死人メイク」としてはかなりリアル。メイクの色数も少な目でシンプルな仕上がりだがアイスブルーのアイシャドウが効果的でインパクト100%!思わず夢に出てきそうな顔なのに美しいと感じるのは何故だろう。これも宮内洋の不思議な魅力のひとつである。
 
 この作品では「現実」の沢村誠は登場せず全てのシーンは篠原や大石の「回想」であるため具体的な「人間像」がなかなか掴めない。大石には「カッとなったら何をしでかすか判らない狂暴な性格」と言わせているが、実は沢村は全く「怖く」見えない。宮内洋は「穏やかな表情の中に時折垣間見せる鋭さ」が一番の持ち味である。だから例え「ぶっ殺してやる!」と言葉に出されても台詞や周囲の人間が表現する程の「大物」に見えないためブラウン管のこちらは「へえ?」ってな感じになってしまう。
 
 幸子に二千万円の手切れ金を渡され「これで別れて」と言われた時など、本当に「大きい事を考える」キャラクターであれば「今までお前が篠原に取り入るのを待っていたんだ。こんなはした金で俺が別れると思っているのか!」くらいの台詞で持って行って欲しかったのだが、金と聞いてニコニコと表情を崩す様は何とも情けないし、幸子に突き落とされても仕方ない程隙だらけ。その上「私を手に入れるまでは優しくて・・・」と幸子に語らせ女の金をアテにする軟派野郎の印象を与えた後で、いくら「(大石のように小さくたかるのではなく)もっと大きな事を考えていた」と言われてもまるで説得力がなく、存在感すら薄れて来る。
 
 つまり中途半端なのだ。硬派なら「無口でコワモテ」にすれば良いし軟派なら「目一杯女から金を巻き上げる色男」に仕立て上げた方が宮内洋の魅力は倍増し大石とは違った存在感を発揮しただろう。脚本の問題、演出の問題もあるだろうが、せめてもう少し大石との描き分けが欲しかった。

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