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日本一のHERO俳優 【宮内洋】 出演作品エピソードガイド&各種レポート

刑事ドラマ観察日記

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レギュラー出演作品から特に刑事ドラマでの活躍をフィーチャー。
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第21話「小さなプレゼント」 (放送日:1975/3/31)

 借金苦から悪い仲間に誘われ金庫破りをさせられた大木は警察の目をそらすための囮にされていた。そうとは知らない鉄男たちは大木の住むアパートに踏み込むが、そこにはたった一人で父親の帰りを待つ少女ミホがいた。フェリーの船長をしていると言う父の言葉を信じているミホに真実を知らせたくない鉄男とミホのために仲間を裏切る大木。だがそんな親子に悪の手が迫る。
 
 今回のエピソードは久し振りに美味しい風間刑事てんこ盛り(*^^*)ミホの誕生日に大木が帰宅すると知った鉄男と風間はプレゼントを持って大木のアパートを訪れる。部屋から出て来たミホを見た瞬間の風間の表情が、もう、ほんっとにムチャクチャ優しい目!かがみ込んでミホと同じ目線になって頭をなでる仕草は、うっわぁ〜っ!これは絶対に風間刑事じゃない!ってくらいにキャラが別物(^^;ミホに促されて部屋に入りテーブルの上に置かれた沢山の人形やぬいぐるみに向ける笑顔、そこへ帰宅した大木の足音に気付きハッと顔を強張らせるなど、台詞は全然ないのに次々と変化する表情に目が釘付け(はあと)。娘の前で大木を逮捕したくない鉄男ともみ合うシーンではさっきまでの優しい表情が険しくなり、大木を追って部屋を飛び出す場面では大木が投げつけたアタッシュケースを振り払ってしまう力技も披露(笑)。大木親子を拉致した仲間を逮捕するシーンでは久々に軽いアクションもあって見所満載。
 
 一方、このエピソードでは鉄男もすごくカッコイイ描かれ方をしている。逮捕される前に娘との思い出を作らせてあげようと遊園地で大木とミホを遊ばせたり、幼い少女の心を気遣い彼女に父親の本性をバラしてしまった仲間を怒り狂ったように殴り続ける鉄男。いつものドジでおっちょこちょいな鉄男ではなく「少女を守るナイト」のような印象。風間はクール、鉄男は熱血漢と同じ「ヒーロー」でも対照的な2人をきっちり描き分けながらバランス良い仕上りになっている。


第22話「少年探偵団SOS」 (放送日:1975/4/7)

 少年探偵団のメンバー「シャーロックホームズの見習い」君が目撃した事件。それは麻薬の運び人菅原が舎弟の三郎を殺した現場だった。三郎はヤバイ仕事から足を洗うために鉄男に接触していたが、裏切りが菅原にバレて口を塞がれたのだった。事件を知った少年探偵団は、自分たちの手で犯人を捕まえようと証拠を捏造し捜査をかく乱して鉄男を振り回す。
 
 軽い好奇心で始めた探偵ごっこ。その「ごっこ遊び」も一歩間違えると命に関わるような事件になってしまうという教訓も含めたエピソードで番組の視聴年齢層に非常にマッチしている。悪人を追い詰めた少年探偵団が逆に捕まって冷凍車の中に閉じ込められ、危機一髪の処を探しに来た鉄男たちに救出されると言うシチュエイションは、当時大量生産されていたヒーロー番組には欠かせない(苦笑)。
 
 で、風間刑事。今回は本当に出番がない(^^;居るには居るのだが存在感がまるでない。唯一目立つ場面って言ったら、クライマックスで犯人逮捕の際に見せた背負い投げくらいか(苦笑)。カメラアングルの関係で首から上(つまり頭部)がカットされてたり(怒)、ちょっとばかり伸び過ぎた髪の毛が風になびいてせっかくの表情が隠れちゃったりと、残念な場面もあったし(^^;

・・・っかし、風間刑事の髪の毛をかき上げる仕草があまりにも似合わないので思わず爆笑。個人的には男の人が前髪かき上げる仕草ってすごく好きなのだが、どうも宮内洋には違和感を感じて仕方ない。変に気取ってると言うか格好がつかないと言うか(^^; まあ、この辺は個人的嗜好の問題だろうけど(笑)。


第23話「涙とぬいぐるみ」 (放送日:1975/4/14)

 宝石強盗事件を捜査していた鉄男は容疑者の加谷を追い詰めるが、逆上した加谷は鉄男にナイフを向けもみ合ううちにビルの非常階段から転落死する。それを偶然目撃した恋人の早苗は加谷を思い無実を信じるあまり鉄男を逆恨みし殺そうと付け狙う。加谷が盗品のダイヤを犬のぬいぐるみに隠し早苗にプレゼントしたと気付いた鉄男は、加谷の残したナイフを向ける早苗に真正面から立ち向かう。
 
 エピソードを一言で言うなら「女の怨念」。あまりモテそうにない地味な女がやっと掴みかけた「結婚」の夢。幸せにすると言ってくれた最愛の男、それが例え強盗犯であっても、私の夢と彼を奪った刑事が憎い。話は単純だが早苗に対峙する鉄男と、同時進行で島さんと風間が共犯者を追い詰め加谷の本性を暴いて行く筋立てはハードボイルドタッチ。いつもあまり存在感のない島さんが沈んでいる鉄男を励まし、普段は怒鳴ってばかりの時村さんも「最後の責任は俺が取る」と鉄男をかばう。風間も(別に鉄男のためって訳じゃないだろうけど(^^;)地道な聞き込み捜査と張り込みを続け強盗に襲われた宝石店の店員が実は加谷と共謀関係にある事を突き止める。いつも笑顔で困難を乗り切る鉄男が今回は普段とちょっと違う真面目で厳しい表情を見せ、それぞれのキャラがそれぞれの立場に合った形できちんと描かれている。だからこそ、事件解決後に捜査の最中に鉄男が知り合った少年と刑事たちが城南署の屋上に寝転がり青い空を見上げる様子が、いつもの「刑事部屋で時村さんが怒鳴って終わり」のパターンとは違う爽やかな印象を残す。屋上のコンクリートの上に仰向けに寝転がっている風間刑事のふわっと広がった髪の毛がなかなか可愛らしくてマル(笑)。
 
 余談だが、鉄男が電車を待っていた駅は西武池袋線の大泉学園駅。そこへ入って来た電車は西武線小手指行き。当然だが駅の様子も電車の形も見慣れた現在のものとはかなり違う。ああ、昭和40年代はこーゆー駅だったのね、と妙な感激(^^;


第24話「愛の巣を見つけた」 (放送日:1975/4/21)

 連続強盗犯福本を逮捕するため鉄男と風間は元ボクサーの山上を訪ねる。8年前ケガでボクサーの夢を絶たれた山上は、福本にそそのかされただ一度の過ちを犯した過去を持っていた。出所後に結婚した妻と親子3人の静かな暮らしを望む山上だったが、行く先々で過去を暴かれては職場も住まいも追われる日々を送っていた。警察を嫌い一度は福本逮捕への協力を拒んだ山上。だが福本から「前科を暴いてやる」と恐喝された山上は妻と息子のために福本を殺す決心をする。
 
 引越しして来た山上親子を待ち構える鉄男と風間の足元のアップからドラマは始まる。その靴の踵の高さが鉄男は3センチくらいで普通だが何と風間は5センチくらいのを履いている。確か風見志郎の時もそれくらいのヒールを履いていた気がするが(^^;鉄男とは元々のタッパが違うのに何でそんなにをつける?(笑)
 
 珍しく初っ端から鉄男を押さえて一人目立ってる風間。「ちょっとこちらへ・・・」と山上に向けた愛想笑いが妙に妖しい(笑)。山上に協力を拒否され「刑事嫌いか・・・」と立ち去る際に傍で遊んでいる男の子の頭をなでて行くが、それがいかにも自然で、通り過ぎた後でちょっとその男の子を振り返る何気ない素振りに、風間ってホントは子供好きなんだなぁ〜と思いつつ、でもやっぱりキャラが違う〜っ!と複雑な気分。それにしても知らない人に通りすがりにイキナリ頭をなでられたら普通はビックリすると思うが、その男の子は全然気にせずジャンケンに夢中(^^;現代なら完璧に「変なお兄さん」として警戒されるんだろうけど、おおらかな時代だったんだなぁ〜(苦笑)。
 
 山上の信頼を得ようと真正面からぶつかって行く鉄男。少し離れた場所で張り込みながらその様子を見ている風間。植木の影にタバコふかして立つ姿は、やっぱサマになってる〜(*^^*)と思ったら!島さんから差し入れられた三角パックの牛乳(時代を感じさせる小道具だわ(笑))を受け取ると今までくわえてた火のついたタバコを地面に投げ捨てたっ!こらぁ〜!刑事がそんな事してイイと思ってるのか〜っ!ポイ捨てするならせめて火を消してからにしろっ!と思わず突っ込んでしまった。・・・ったく、いくらおおらかな時代だったとは言え、お子さま向け番組(視聴者ターゲットは小学校高学年〜中学生だったハズ)でそんな行動が許されるなんて大雑把過ぎるぞ(汗)。


第25話「おじさん刑事の涙」 (放送日:1975/4/28)

 宝石店連続襲撃事件を捜査していた鉄男たちの前に謎の子連れ刑事が現れる。大鳥というその刑事は風間の本庁時代の先輩だが捜査でドジを踏み2度も左遷されたいわく付きの男だと言う。何故か大鳥に気に入られてしまった鉄男は捜査にくっついて来る大鳥を無下に出来ずにいたが、風間に「捜査の手の内を明かしている」と非難され大鳥が犯人を知って庇っている事に気付く。
 
 息子を交通事故で亡くした大鳥は留守がちな父親と暮らしている鍵っ子のオサムを我が子のように可愛がりいつも連れ歩いているが、「子連れ狼」なんて格好いいモンじゃなく単なる自己満足。実の息子に与えてやれなかった愛情を他人の子供に与えているのは実は自分が寂しいからに過ぎず、エゴイズムとしか思えない。そしてオサムの父親が宝石店を襲撃した連続窃盗犯であると知っても尚、オサムのためにと捜査の邪魔をする。これは「捜査妨害」「犯人隠匿」というれっきとした犯罪で現役の刑事(いくら左遷されまくりのダメ刑事でも)がやっていい事ではない。しかもその大鳥の気持ちを汲んでオサムの前で父親の逮捕はしないと決めた鉄男とそれを支持する城南署の面々。いつもながらの鉄男の甘さを「何を寝言言ってるんだ」と締めようとした風間は逆に時村さんにたしなめられてしまう。でも今回ばかりは風間刑事支持だな。犯人を逮捕ではなく説得して自首させ、犯人隠匿という刑事にあるまじき「犯罪」を行った大鳥はお咎めなしのストーリー展開はあまりにも甘過ぎる。
 
 今回の見所は何と言っても「風間刑事の髪型」(*^^*) だってこのエピソードから新命さんの髪型になってるんだもーーーん♪ それまでのちょっとパーマかかったふわふわの髪型から、ヘルメットやテンガロンハットを被るためか少し毛先を短くしたストレートっぽい形に変えている。「ゴレンジャー」の放映開始が4月5日。と言う事はこの頃にはキャラが完璧にバッティングしていた計算になる。さて、クールな風間刑事の性格が新命明モード@キザキャラに変わるのはいつ頃だろう。非常に楽しみだ(爆)。
第16話「つとむ君、強く明日へ!」 (放送日:1975/2/24)

 親分を殺し青龍組の金を持ち逃げしたチンピラを追っていた鉄男と風間だったが子供を人質に取られ鉄男の拳銃が奪われる。犯人の背後に回った風間も撃たれてしまい、拳銃を持ったまま男は逃走する。男がいずれ接触するであろう愛人をマークしていた鉄男達は女が接近した少年つとむが囮にされている事に気付く。
 
 タイトルにも使われているつとむ少年。演ずるは当時のアイドル荒川努。ジャニーズ系のカワイイお顔立ちの子だけど芝居はちょっと・・・で、その後どうしたかと思い検索してみたら、現在何と劇団四季に所属し、余談だが「コーラスライン」や「エビータ」など数多くのミュージカルに出演、「キャッツ」ではラムタムタガー(一番男前の雄猫(*^^*))を演じてるそうな。って事はアイドル辞めた後に演技が目覚しく上達したのか、最初から上手いのに「アイドル芝居」していたのか、かなり気になる処(笑)。
 
 冒頭で左腕を撃たれる風間。だがその撃たれたリアクションが実にあっさりしていて宮内らしくない(爆)。カメラアングルの都合もあるのだろうがどこをどう撃たれたのかが分からずその後の鉄男と時村さんの会話がなければ「風間が撃たれた事」も良く分からない状態で中途半端。そのまま今回はお休みかと思ったがドラマ後半に痛々しい包帯姿で登場(^^;「大丈夫ですか?」と聞かれて「何ともないさ、この位の怪我」と吊っていた腕をはずして見せた後でちょっと顔をしかめるのが笑える。相変わらずタフな人ね、あなた(笑)。でもホントに大丈夫だったら最初からはずして来ればいいのに、そこがやっぱり「宮内キャラ」(爆)。


第17話「一人ぽっちの季節」 (放送日:1975/3/3)

 歌手を目指しオーディション番組出演を控えた少女マコがライフルで狙撃される。犯人は大学の生物学教室で助手をやっている大野。警察に犯行予告電話までする大野はずっとマコに付きまとっていたのだった。大野は警察の無能さをあざ笑うかのように「目撃者」として城南署に出頭し鉄男を振り回す。
 
 「ストーカー」なんて言葉がなかった昭和40年代のストーカー男は「髪の毛はベターっと脂っぽくて口元にだらしないニヤニヤ笑いを浮かべている汚いヤツ」という典型的な「気色悪い男」として描かれている。大学で助手をやっているとは言え友達もいないし当然彼女いない歴ン十年のまんまストーカー男のイメージ。結局、彼が何故マコを狙ったのかその理由がよく分からない。振り向いてもらえない悔しさに相手を殺害するパターンは現代にも起こる事でちょっとリアルだが、もっと理解不可能なのは彼がマザコンだった事(^^;マザコンが何故ストーカーになる?
 
 マコを演じたのはデビュー2年目の浅野ゆう子。出演時は中学3年生だったらしいがその落ち着きっぷりは見事でとても中学生には見えない。と言うよりも・・・ふ、老けてる〜っ(泣)。
 
 すっかり風間刑事を忘れる処だった(^^;今回の風間は城南署内のシーンばかりだったためか全然目立たない(泣)。やっぱりこのヒト、野外で走り回ってる方が絶対に目立つんだよなぁ〜。「キャラが立つ」ってのは台詞の数だけじゃないって事を教えてくれるキャラクターではあるが(苦笑)。


第18話「片隅のふたり」 (放送日:1975/3/10)

 若い女性ばかりを狙った連続殺人事件が起こる。いずれも黄色いスカーフで絞殺する手口で犯人は変質者と思われた。容疑者として残った16人の中から佐久間を怪しいと感じた鉄男は佐久間のマンションを訪ねるが、そこには「恋人」と名乗る19歳のアサ子が居た。別の容疑者が逮捕され一度は解決したかと思われた連続殺人事件だったが、やがて第3の犯行が起こる。
 
 「ヤングアイドルシリーズ第3弾」として、ツッパってはいるが佐久間を慕うアサ子に麻生よう子を起用、紳士の仮面を被った連続殺人犯に佐々木功を当てるキャスティングはとにかくメチャクチャ濃い(笑)。東映制作ドラマでは犯人役が多い佐々木功は、大人の女性に対して異常な敵意を持ちながら幼さの残るアサ子の事は可愛がる、一種の「ロリコン男」を怪演。一方、麻生よう子の棒読みを超越した台詞回しにはただただ呆然(^^;だが、心を寄せた男に裏切られ殺されかけた少女が心の痛手から立ち直り大人へと成長する姿を、台詞ではなくその立ち姿で見せたのは良かった。まあ、それが本人の演技力か演出の上手さかはあえて言及しないが(笑)。
 
 それにしても風間刑事。今回は強引な取調べによる自白強要で無実の男を逮捕してしまう。まあ、逮捕された方も容疑者リストに挙げられているような変質者だから仕方ないけど(←そうなのか?)城南署のホープ「総監賞男」が誤認逮捕はマズイだろう(^^; 本当なら名誉棄損で起訴されて訓告処分を受けるくらいだと思うが、どうやら本人も上司もそれほど意に介していないらしく、その後城南署でその話は一切出て来ない。これってもしかして、触れてはいけない風間刑事の汚点?(笑)


第19話「白い窓辺」 (放送日:1975/3/17)

 城南署が追っている連続ひったくり犯栗原に心を寄せる女子高生は鉄男が通勤バスの中で偶然知り合ったひろ子だった。不良に絡まれたひろ子を助けた栗原はそれ以来いつも彼女を見守っていると言う。ひろ子に栗原の本性を明かせない鉄男だったが、捜査を進めるうちに栗原とひろ子は幼い頃生き別れになった実の兄妹だと知る。
 
 「ヤングアイドルシリーズ第4弾」として林寛子をヒロインに据え、いかにもアイドルっぽいブリッ子(←死語(^^;)なお芝居をする寛子ちゃんも可愛らしいが、どう見ても主役は兄の栗原(^^;早くに父親を亡くし罪を重ねながらも、幼い頃に生き別れ今は金持ちの娘として大切に育てられている妹を遠くから見守っている兄。風間らは栗原がひろ子を利用するために近付いたと考えるが、栗原を見ていると計算ずくではない兄の「妹への思い」が感じられる。兄とは知らずに慕うひろ子のためにも何とかして更正させようと栗原を追う鉄男だったが、ケンカ強い栗原にボコにされる(^^;
 
 今回、風間はホントに「その他大勢の捜査員」扱い(^^;鉄男の話を元にひろ子の生い立ちを先回りして調べるなどキレ者の一旦を垣間見せたりもするが、鉄男に対するツッコミもイヤミも冴えず島さんと聞き込みに歩いてるだけで印象が薄い。台詞の量ではなく質が悪いとでも言うのか、印象的な台詞もないしひとつひとつの演技が簡単に流れてしまいインパクトがない。島刑事もインパクトが弱いので2人揃って没個性(苦笑)。風間刑事は出番は少なくても個性を強く打ち出せるはずのキャラクターだし、宮内洋は台詞で聞かせるのではなくワンカットの一瞬の演技が光る役者なのでちょっともったいない。かと言ってファン視聴者に媚びるような無意味なアップは必要ないと思うが(苦笑)。


第20話「大人への階段」 (放送日:1975/3/24)

 会社重役の城所が自宅で殺された。一人息子のユウジは父親の死など意にも介さないように明るい。そんな彼に疑問を感じた鉄男はユウジが偶然犯人の姿を目撃した事を知る。父親の仇を討つためにたった一人で犯人を追うユウジの前に空手の有段者でヌンチャクを自在に操る湯原課長が立ちはだかる。
 
 ユウジ役に当時人気絶頂のアイドル城みちる@イルカに乗った少年をキャスティグ。優しい顔立ちの城がヌンチャク技を披露し台詞回しはアレだが(^^;感情の変化を微妙な表情の演技で表し意外に芸達者な処を見せる。鉄男の前で見せたバック転は吹き替えが見え見えだが(苦笑)ヌンチャクを使ったシーンはワンカットで撮影しそのまま振り向きを入れて城本人である事を見せている。城のアクションはスピード感はやや落ちるものの空手の型もヌンチャクの扱いもそれなりに格好がついていて、なかなかやるじゃん!って感じ。まあ、鉄男との立ち回りでは何発か鉄男にヒットしていたような気もするが(苦笑)。当時はカラテブーム真っ盛りではあったが、城みちると言えば今のジャニーズのような人気アイドルだから、もしも現在ジャニーズがヌンチャク振り回してアクションドラマやったら「暴力シーン」だと言って大ブーイングが起こるだろう。今では想像もつかないようなおおらかな時代だったんだなー(^^;
 
 ゲストキャラがちゃんとゲストらしい扱いをされていたので(笑)ほとんどユウジと鉄男のドラマになってしまい、今回は風間刑事の見所な〜し(爆)。鉄男が食べていたお菓子を取り上げて自分が食べちゃう仕草は可愛かったけど(笑)どうにも印象が薄い。以前に比べて風間の出番が減ってるような気がするのは「ゴレンジャー」の撮影と被り始めていたからだろうか?
第11話「天使のいるところ」 (放送日:1975/1/20)

 もぐりの貸し金融業を営んでいた男が殺された。幼い一人娘のナオは「自分が殺した。早く刑務所に入れろ」と鉄男を困らせる。ナオは、半年前に自分を誘拐して逮捕されたホステスを慕い、彼女に会いたいがために駄々をこねていたのだ。ナオを思いながらも「あなたなんて顔も見たくない」と突き放したホステスは、半年前の誘拐が実はナオの叔父ブンジとの共謀だったと自白する。ナオの身に迫る危険を察知し駆け付けた鉄男の目の前に、ナオにナイフを突きつけるブンジがいた。
 
 ナオを演じた子役の芝居の上手さには絶句。台詞は棒読みだが(^^;駄々をこねて道端に座り込んだり、すねてムッとした表情と笑顔との切り替えが見事で、今で言う「美少女」ではないけれど本当に愛らしい。はっきり言って桜木建ちゃん、喰われていた(苦笑)。
 
 主役が子役ゲストに喰われてしまったおかげで、風間は「その他大勢」扱い(爆)。ナオを人質にしているブンジに近寄ろうとして鉄男に逆襲されひっくり返り、自ら人質となりながらもブンジを捕らえて気絶した鉄男を抱き起こし(あ、変なの想像しないでね。腕つかんで上に引っ張り上げただけなんだから(笑))、鉄男に「風間さん・・・さっきはすいませんでした」と謝られて「ああ、分かってる分かってる」と答えた笑顔のアップは「視聴者サービス?」と勘ぐりたくなるほど意味がない(爆)。ひとつひとつの動作はサマになってるのに、役の印象が薄いのはちょっと寂しい(苦笑)。


第12話「恋心-死をのりこえて・・・」 (放送日:1975/1/27)

 鉄男の弟のガールフレンドがピアノを教わっているユミ先生(岡崎友紀)は女子大生。教え子の父親由木原(岡田真澄)に密かに想いを寄せているが空回りばかり。ある日ユミは由木原にリヒテルの演奏会に誘われ有頂天になるが、それは殺人事件の巧妙なアリバイ工作だった。
 
 当時「おくさまは18歳」「なんたって18歳!」など大映ドラマ5本に立て続けに主演し視聴率30%ものメガヒットを飛ばしていたアイドル女優岡崎友紀ゲスト編。岡田真澄もなかなかダンディでミステリアスなオジサマを演じているが、その彼をも霞ませてしまう岡崎のインパクトは凄まじい。よくまぁしゃべることしゃべること、その勢いたるやまるでマシンガン(^^;で「夢見る夢子ちゃんの恋物語」と言う印象しか残らない。

 ちょっとカン高い声で早口にまくしたてそれでいでどこか夢見がちなユミに圧倒されタジタジの鉄男(爆)。刑事という立場を捨てユミの悩みを聞き入れてやる「イイ男」を演じてみたりもするが岡崎の強烈な存在感には太刀打ち出来ない。つまり桜木建ちゃん、2週連続で「こまっしゃくれた女の子」に喰われた事になるのか(笑)。それにしても、あの当時って、アイドル女優だろうが新人歌手だろうが、みんなお芝居上手かったんだなぁ〜(遠い目)。
 
 それにしても風間刑事、どんどん存在感薄くなって来るんですけど〜(苦笑)。時村さんと島さんと風間刑事っていっつもくっついてて3人トリオ状態だし(^^;一応、林婦警に「俺にはそんな回り道は出来ない、ですか?風間さん」と突っ込ませ「俺だってね、人並に血も涙も持ってるつもりだよ」と答えさせたり捜査方針を巡って鉄男と対立させたりとライバルキャラの設定を崩さないように配慮してるのは認めるが、その割には「その他大勢」扱いなエピソードが続くのが気になる。第3話のようなオイシイエピソードはもう望めないのかしら(^^;


第13話「雪の花嫁」 (放送日:1975/2/3)

 鉄男の親友津田が射殺された。容疑者として津田の婚約者ゆう子に言い寄っていた太田が浮かぶが太田のアリバイが成立し捜査本部は解散になる。悔しい思いでひたすら捜査をする鉄男。一方、諦めきれないゆう子は太田に近付き自らの手で犯人を探し出そうとする。
 
 ゆう子が太田と結婚すると知って焦る鉄男はゆう子と太田を追い続けるが何ひとつ手がかりを得られない。太田の車に乗り込み去って行くゆう子の笑顔を辛い思いで見送る鉄男に風間が声をかける。「人間なんて所詮金のある方へなびいてしまうんだ」その妙に説得力がある言葉に、もしや風間の冷徹さは過去に負った心の傷から来るものではないかと勘ぐってしまう。ぶっちゃけた話、恋人にこっぴどいフラれ方した暗い過去があるとか、安給料なのに忙しくてデートもままならない刑事さんを見捨てた彼女がどっかの御曹司に転がった、とか。それで人間不信になって仕事一筋になったのかも(←深読みし過ぎ(^^;)
 
 ロングヘアーの清楚な女性ゆう子を演じたのは南陽子。失礼ながら彼女の名前を知らなかったのでネットで調べてみたら、当時のメジャーなアイドルで'73年にあの「スタ誕」からデビュー、桜田淳子らと同期だった事が判明。デビューが21歳だからゆう子を演じた当時は23歳くらいだと思うが、「大人の女性」の一途な思いや美しい微笑みの裏に隠された執念をいやらしくなくしっとりと演じている。あの当時って、アイドル女優だろうが新人歌手だろうがみんなお芝居が(以下省略(^^;)
 
 このエピソードは非常に映像が美しい。全てに絶望し木立の中でウェディングドレスを燃やすゆう子の姿(思わず「そんなトコで焚き火したら火事になるぞ」とツッコんだが(笑))や、亡き恋人への想いを胸に雪降る故郷へと向かう列車の窓に映るゆう子の表情も印象的。やはり綺麗な女性がゲストだとスタッフも気合が入るんだろうか(笑)。


第14話「命かけても」 (放送日:1975/2/10)」

 誘拐事件が発生した。身代金受け渡し場所に張り込む城南署刑事たち。だが鉄男の失態で張り込みがバレて犯人は逃走する。誘拐された妹の身を案じる兄の本間は妻の実家から一千万円を工面させ受け渡し現場へと向かうが、兄の態度に疑問を感じる鉄男は張り込みを続け、誘拐事件が妻の実家からお金を引き出すために兄妹が仕組んだ狂言だと見抜く。
 
 今回は実に見所たっぷり。何しろ東西のヒーロー横綱として宮内洋と並び評されるキカイダー”伴大介”ジローがゲスト(テロップは「直哉」表記)で、それも妹と共謀して妻の実家から金を巻き上げ、狂言がバレると妻を殺そうとする最低な男って役処。元々ヒーローのイメージがある方だからこれだけでも「ぅお〜〜っ!悪役だぜー」って感じなんだけど、そのキャラがまたすっごい嫌なヤツで、最初の身代金受け渡しの際にドジを踏み張り込みがバレた(本間にとっては都合が良かったのだが)鉄男をここぞとばかりイビりまくる(^^;一方、風間も鉄男をかばい本間に頭を下げるが「謝って済むなら警察はいらない」と蹴られる。いやー、風間の性格考えると本間に謝るの、すっごい嫌だったろうなぁ。内心「俺ならこんなドジ踏まない。っつったく、三神のヤロウ(怒)」って思ってただろうし(笑)。いっその事、お互い「嫌なヤツ」同士で「嫌味対決」やったら良かったのに(←やってどうする(^^;)
 
 この当時、伴氏は「イナズマンF」が終わり「忍者キャプター」に出る前の「ヒーロー職休業中」ではあったが、ヒーロー作品と視聴者層が被る「刑事くん」に犯人役で出演するとは恐れ入った。余談だが、確か伴氏は「キャプター」終了直後「ゴレンジャー」に明日香健二を欺く上官役で出演してた事もあった。恐らく彼はヒーローだからとかイメージとかにこだわらず、来た仕事(与えられた役柄)を淡々とこなしていたのかも知れない。そういう部分ではヒーロー作品で悪役を演じた事のない宮内洋とは大きく異なるが、それは伴氏が特別なのではなく宮内が特別なのだろう。そう考えると、風間刑事も「鉄男の対極に居るライバル刑事」にはなり切れないのかも知れない。主人公と対立するライバルキャラは、突き詰めれば「悪役」になってしまうのだから・・・。


第15話「涙でファイト」 (放送日:1975/2/17)

 進入禁止の土手を突進して来た車が親子をひき逃げする。町の有力者川田が容疑者として浮かぶが目撃者の女性は何故か証言を拒否し、裏から手を回した川田は鉄男の母をスリにでっち上げ鉄男を窮地に陥れようとする。母を救い出そうと捜査に奔走する鉄男だったが川田はなかなか尻尾を出さない。焦る鉄男は、だが留置所の母に励まされ再び捜査へと向かう。
 
 母をスリだと訴えた女を問い詰めようとする鉄男。それを風間が押し止める。「焦ったら負けだ」「お袋さんを早く出すにはな、焦っちゃ駄目なんだ」そして「お前はお袋さんの所へ行ってやれ」と笑顔を向ける。このエピソード、久々に風間が「いいヤツ」として描かれているが、風間って実は非常に母親思いの息子なのかも知れない。で、母親思いが高じて「マザコン」となり若い女性に対しては冷たく厳しくなってしまったとか・・・(考えすぎ(^^;)
 
 ・・・と思ったが、これはどうもシナリオの関係らしい。脚本は阿井文瓶。彼のシナリオは母子の愛情を底辺に据えたエピソードが多く、この「刑事くん」第4部では第3話と第7話を書いている。特に第3話では母親の手術に風間を立ち合わせるため鉄男が一人で潜入捜査をし、今度は風間が鉄男を励まし母親の所へ向かわせる、一種の対比エピソードのようにもなっているのが面白い。どちらも風間が非常に爽やかに描かれていて、ライバルと言うよりも「お互いに不足な部分を補い合う息の合ったコンビ」に見えてすごくイイ感じなのだが、これでまたライターが変わると「ただの嫌なヤツ」に戻っちゃうのがちょっと残念(^^;
第6話「きみの勇気こそ!」 (放送日:1974/12/16)
 
 連続婦女暴行事件が発生した。被害者の由美子に名指しされ逮捕された犯人は青木ファミリーの御曹司。犯行を否認する青木に業を煮やした時村と風間は由美子に面通しをさせるが由美子は証言を拒否し青木は証拠不十分で釈放される。捜査を進めるうちに由美子と父親が青木ファミリーの下請け会社に勤め、青木は過去にも同様の事件を起こしていたと分かるが、被害者たちは一様に口を閉ざし事件の立証が難しい。鉄男は何とかして由美子に証言してもらおうと説得に向かうが、事件が発覚したため恋人に去られ青木によって会社も退職させられた由美子は死を覚悟していた・・・。
 
 今回の見所はやっぱり鉄男と対立する場面。鉄男は由美子の身元を明かさないと約束していたため由美子に面通しさせようとする風間に食ってかかるが、その時の風間の動じない事と言ったら(^^;横目で鉄男をねめつけ「君は少し捜査に私情を入れ過ぎるんじゃないのか?」と言い放つ。で、いつの間にかしっかり由美子を署に呼び出してるんだから手回しが良い。あくまでも捜査を自分主流で進めようとしているのがアリアリ(苦笑)。時村さんも風間の刑事としての能力を認めてるもんだからすっかり風間ペースだし。何よりも、青木を釈放する際の風間、取調室から廊下へ出てくるっと後ろへ向き直ると「どうぞ」と青木を促すんだけど、その一連の動作がすでに「本部長」してて時村さんよりはるかに偉そう(爆)。自分の思惑通りに事が進まないんだからもうちょっとしおらしくてもいいのに、まさに「身体もデカいが態度もデカい」の典型(^^;
 
 もうひとつの見所は、青木が鉄男を名誉棄損で告訴したと知った時の「なにぃ〜?」って目。対立はしていてもやっぱり後輩を心配してるんだなって感じが強く伝わって来て、久々にいい表情を見せてもらった気がする。やはり宮内洋は台詞で芝居するタイプじゃない。一瞬一瞬の目、表情、動作(アクション含)にインパクトを持たせてその存在感をアピールする役者なんだとあらためて実感。


第7話「母の心 子の心」 (放送日:1974/12/23)

 洋装店に若い男が押し入り現金を奪って逃げた。通報を聞き駆け付けた鉄男は女主人の態度に疑問を持つ。調べを進めるうちに、若い男は5歳の時に離ればなれになってしまった女主人の息子恭介で、母を捜して来たものの冷たくあしらわれたのに腹を立て悪事を重ねていると知る。ストーリーはほとんど歌舞伎の「瞼の母」(^^;互いに相手を思っているのにすれ違う母子の心を何とか通わせようと鉄男が奔走する。
 
 監督が「キイハンター」のアクション編や「ゴレンジャー」でおなじみの竹本弘一氏なのでどんなアクションが登場するのか楽しみにしていた。残念ながら風間のアクションはなかったが恭介をそそのかす不良グループのリーダーが中村文弥氏で、そのスピードと重量感のあるアクションには思わず拍手!
 
 エピソードの筋には無関係な所で風間の性格が破綻しているのが非常に気になった(^^;;洋装店の前で待っていた鉄男に「よぉっ!」と合図すると「君こそ休みなのに大変だな」と爽やかに笑いかける風間。その笑顔は、もう、すっごく素敵なんだけど、本来の風間ならこういう表情はしないのではないか。これまでに構築されて来た風間の「台詞」は「刑事としての立場を逸脱し事件に私情で関わって行く」鉄男を理解できないゆえの言葉であり、その性格から行くと「非番の日に通報もされないのに現場に駆け付ける」鉄男にはやや呆れ気味にもっと嫌味っぽく言葉を投げるのではないだろうか。それがあのニッコリ笑顔・・・や、素敵なんだけど、宮内の役作り及びキャラの基本設定にはかなり疑問を感じる。
 
 余談だが、クライマックスで時村さんが鉄男に「先月処理した事件の件数」を聞いていたのには吹き出してしまった。まるで「先月は何件契約を取った?」と責められる営業マンみたいだ。刑事にもノルマがあるんだろうか(^^;だとしたら、いちいち事件の関係者に首突っ込む鉄男のやり方では成績は上がらない。やっぱり風間のように要領良くこなさなきゃ・・・って、もし風間が営業マンだったら営業成績は常にトップだろうな(妄想爆発)。


第8話「ハートの総監賞」 (放送日:1974/12/30)

 半年前に風間が逮捕した強盗殺人犯の息子ヒデオが風間を逆恨み、風間と間違われた鉄男がボコにされる(^^;世間を騒がせている花園爆破事件捜査のために警視庁へ出向している風間に代わりヒデオの姉から事情を聞いた鉄男は、父親の事件のためにプロボクサーの道を自ら閉ざし不良グループに入ってしまったヒデオを何とか立ち直らせたいと奮闘する。
 
 前回に引き続き竹本監督のアクション編、って言うよりも「鉄男ボコボコ編」(^^;バイクに追われ、ボクサーの卵には殴られ蹴られ、不良グループからリンチを喰らい、揚げ句の果てには崩れ落ちて来た廃墟の屋根を支えるっていう、まさに身体が資本のエピソード。一方、本庁へ応援に行った風間は爆破犯人グループのアジトを発見するなど本庁捜査官を差し置いての大活躍。鉄男が自分への逆恨みを肩代わりしている事も知らず「君、もっとしっかりしてくれなきゃ困るなぁ」といさめる風間に鉄男は笑顔で「頑張って下さい」とエールを送る。
 
 何をやらせても要領良くて「城南署期待のホープ」として肩で風切って歩く風間と一生懸命頑張っているのに上司にも同僚にも理解してもらえず報われない(最後にハッピーエンドにはなるが)鉄男。公園ですれ違う二人の間を師走の風が通り抜け、颯爽とした風間の後ろ姿と背中を丸めて歩く鉄男が対照的に描写されセンチメンタル。よくもまあ、こんなに重くて暗いエピソードを年の瀬に放送したものだ(^^;
 
 相変わらず性格に一貫性のない風間(苦笑)。本庁応援が決まり激励されると「責任重大だなぁ〜ハハハ」って・・・(^^;風間ほど捉え所のないキャラも珍しい。「クールでエリート」の仮面がしょっちゅうはずれるのはやはり台詞回しに問題があったのではないか。人間臭い猪突猛進型キャラの鉄男と対比させるのなら、もっと柔らかい物腰の丁寧語で言葉尻に冷静さのある危険な感じを漂わせた方がよりクールさが際立ったと思うのだが。せっかくのキャラクターが中途半端になっている気がしてとても残念。


第9話「栄光を君のものに」 (放送日:1975/1/6)

 暴力団に匿われている福田を逮捕するため隣の城西署から木口が配属された。コンビを組まされた鉄男は早とちりでそそっかしい木口に振り回されるが、同じ警察官であった亡き父と父に苦労をかけられた母のために早く一人前の警察官になって手柄を立てたいと願う木口の本心を知り、福田に襲われ視神経をやられた木口を庇いながら凶悪犯を追い詰めて行く。
 
 何事にも一生懸命過ぎて先走り一人空回りしてしまうドジな木口巡査をせんだみつおが怪演。口パクとアテレコの台詞が全然合ってないのはご愛嬌(苦笑)。そんな木口を見た風間は鉄男に「お前とはいいコンビだ」と言い残して去るが、それが決して嫌味っぽくなく、呆れたような微笑ましいような複雑でなかなかいい表情。だが木口が鉄男と離れ単独捜査の最中福田に襲われたと知るや「父親の話にでもほだされたんじゃないのか」と鉄男に鋭く突っ込み「もし木口が刺されたりでもしたらお前が殺した事になるんだぞ」と詰め寄るが、時村は珍しく「何もそこまで言わなくても・・・」と鉄男を思いやり、鉄男を応援している林婦警には「風間さんはクール過ぎるのよ」と非難され、さすがのキレ者もちょっと怯むのが笑える。
 
 オープニング主題歌も手がけている長坂秀佳のシナリオだが、長坂らしさがあまり感じられないある意味平凡なエピソードでちょっと残念。所々にスタッフの「お遊び」が入っていて、一番面白かったのは鉄男の弟がテレビを観ているシーン。画面には何故かウルトラマンエースが怪獣と戦ってる場面が映っている。この時に偶然テレビのスイッチを入れた視聴者はビックリするぞ(^^;同じTBS系列の番組だから、これは視聴者サービス?(笑)


第10話「君の明日はバラ色だ!!」 (放送日:1975/1/13)

 剛腕弁護士の息子トシオは父の期待の重圧感から逃れようと連続金庫破りを続ける不良グループへ仲間入りする。不良たちはトシオの心理と弁護士の父親の存在を逆手に取りトシオを自分たちの身代わりに自首させ、彼等の思惑通りトシオは父親に連れ戻される。そして鉄男たちがトシオの言動に振り回されている間にも金庫は次々と破られて行く。

 このエピソード、風間刑事の一番の見所はトシオを自白させようと尋問する場面。60秒強という長回しのワンカットの中、怒りを込めた詰問や冷静さを装った素振りで煙草を手にする仕草など強弱取り混ぜ次々に変わる表情には目を離せない。鉄男がトシオの供述を引き出せなかった時には鉄男を非難していたのに、自分がトシオから嘘の自白しか引き出せないと分かると「まるで奴さんの言ってる事は嘘っぱちだらけで手に負えないなー」と半ば開き直る辺り負けず嫌いでプライドの高い風間のキャラクターが良く出ている。また、取調べ中のトシオを迎えに来た小田弁護士と対峙する風間は、刑事としての正義感や自白させられなかったために犯人(の仲間と思われる者)を釈放しなければならない悔しさにふっと目線を下に落とすなどなかなかオイシイ表情を見せてくれる(*^^*)
 
 余談だが、この当時の宮内洋の髪型って・・・どうよ?(爆)そりゃあ茶髪ロン毛は好きだし「分け目が・・・」なんてこたぁ言うつもりもないけど(←言ってるって ^^;)あのくるんくるんの前髪ともみ上げがどうも京本政樹に似てる気がして・・・(^^;
第1話「希望の山を涙で越えて 」 (放送日:1974/11/11)

 白昼、銀行強盗が発生した。犯人グループは逃げ遅れた仲間を射殺し逃走。仲間割れなのか次々と死んで行く犯人グループを追う警察は、ついに人質を取って山越えしようとしている主犯の男を追い詰める。
 
 半年ぶりに復活したシリーズ第4弾。入院していた鉄男が城南署に復帰してみると、そこには警察学校を首席で卒業し「総監賞男」と異名を取る風間刑事が着任していた(という設定らしい)。捜査には手段を選ばぬ強引さで挑む風間と「罪を憎んで人を憎まず」の精神を持つ鉄男は互いが理解出来ない。風間は仲間に撃たれ瀕死の重傷を負った犯人を強引に尋問し、主犯の名前とアジトを吐かせた後に犯人が死亡した事を鉄男に詰め寄られると「これで彼も犬死にしないで済んだ」と言い放ち、一方の鉄男は山越えしようとしている主犯を下山した所で逮捕すると先回りしようとする風間に「別天地を求めようとしている犯人をそんな捕まえ方をしたら、ヤツは二度と立ち直れなくなってしまう」と単独行動に出る。優等生としてのプライドかライバル心があるのか分からないが妙に鉄男に対抗している風間が可笑しい。確か鉄男は後輩のはずなんだけど(笑)。それにしても熱血刑事とクールなライバル刑事ってメチャクチャ分かりやすいキャラ設定だけど、どっちもどっちって言うか、こんなのが二人も部下でいたら上司はたまったモンじゃないだろうなぁ〜(^^;
 
 新命明に先駆ける事半年前、早くも「クールな二番手キャラ」を好演(怪演?)する宮内洋。相手を見下したようにフッと唇の端を上げて笑む様や一瞬顔を強張らせ次の瞬間に大きく目を見開く表情、肩を入れての振り向きなど、宮内の個性的な動きはこの辺りで完成されたのではないかと思える。初登場シーンは病院の廊下を歩いているバックシルエットだったが、その歩き方だけでそれと分かるのだから(爆)。
 
 余談だが、ちょっと気になったのが風間の衣裳。スーツのジャケットサイズが合ってないんじゃないかと(^^;袖口からシャツのカフスが思いっきり出てるし、病院の階段のシーンで上半身アップになった時、ジャケットの前ボタンの所から横しわが出て第一ボタンがはじけそうになっていた(苦笑)。それだったら、スリーピースでジャケットのボタン全部はずしてベストだけ見せた方が絶対にカッコいいのに。せっかく「ダンディでクールなエリート刑事」って表現にするつもりだったのに、これ観たおかげで言えなくなっちゃったじゃないか〜(自爆)。


第2話「英雄行進曲」 (放送日:1974/11/18)

 鉄男が停止命令を無視して警官を跳ね飛ばした男を捕らえると、それは親友のジョージだった。父親を殺され町から去ったジョージは暴力団の黒潮組へ復讐するために戻って来たのだ。やがて町の不良グループのリーダーとなったジョージは黒潮組を相手に次々と事件を引き起こし、そんな彼を尊敬する子供たちに鉄男は心を痛めるのだった。
 
 黒潮組へ乗り込んだジョージは組員を叩きのめすが潜伏していた建物を風間らに包囲される。投降しようとしないジョージに鉄男が語りかける。「あの子たちはお前に憧れてる・・・惨めに捕まれ」悪の道へ足を踏み入れてしまったジョージの最期を見せ付ける事によって英雄の幻想を打ち砕く事が彼らのためなのだと。ジョージは反発する。「そんなカッコ悪い事、出来るかっ!」だが、逃げるジョージの目に彼らの姿が映った時、ジョージは叫んだ。「捕まるのは嫌だーっ!お願いだ、捕まえないでくれーっ!」大乱闘の末に押さえ込まれ手錠をかけられた姿を見た子供たちはジョージに幻滅し帰って行く。
 
 悪ぶってるお兄ちゃんと彼に憧れる子供たち、それを愁う主人公、だが最後には自分の惨めな姿を晒して子供たちを現実に帰してやるストーリー展開が、「特救指令ソルブレイン」の第33話「勇者が涙を流す時」(脚本・宮下準一)に酷似している。特に後半の筋立てや鉄男とジョージの会話の内容があまりにも似ているので、シナリオの焼き直しかと勘ぐってしまったほど(笑)。
 
 このエピソード、風間刑事はもろにアクション担当。鉄男の代わりにジョージの取調べをするなど一応居る事は居るんだけど印象が薄い(苦笑)。だがクライマックス、逃げ回るジョージを追い警官隊の先頭切って川の中を突っ走り、背負い投げをかまし、大立ち回りを見せたのはやっぱ画になってたし、手錠のかけ方も・・・うわっ!すげーカッコつけてる!(爆)
 
 でも。実は風間刑事はジョージの抵抗は鉄男がさせた事だと気付いていたのかも知れない。で、ちょっぴり見直したりしてるんだけど、根がシャイだから(ホントかー!?)出た言葉が、ケガをしてる鉄男に「色男台無しだ、顔でも洗っとけ」と差し出した白いハンカチだったのかも(^^)その仕草がまたキマってて(はあと)。いや〜、だねぇ、風間刑事!


第3話「友情につながれて」 (放送日:1974/11/25)

 窃盗グループと接触を計っていた風間は鉄男と共にグループに潜入するチャンスを得た。だが約束の時間と風間の母親の大手術が重なる。母親よりも仕事を優先させようとする風間を時村は叱責するがガンとして聞かない。だがその風間を鉄男が押し止める。「冷静でなければ潜入捜査なんて上手く行くはずない」と。風間に内緒で単独潜入する決心をした鉄男は待ち合わせの西武園ゆうえんち(笑)でグループのリーダーに接触、あの手この手で取り入り何とか舎弟にしてもらうとアジトへ連れて行かれる。そこで美しい女性がリンチを受けているのを目撃した鉄男は彼女を連れて逃げようとするが、それは鉄男の正体を暴こうとしたグループの罠だった。
 
 風間メインエピソードではないが、とにかく「美味しい」場面のオンパレード。ドラマ冒頭の時村とのやり取りでは、潜入捜査のためか白いジャケットにシャツのボタンを思い切りはずしたチンピラ風で、所在無げにグラサンを弄ぶ格好が、似合うんだなぁ〜これが(^^*) でもやっぱちょっとジャケット小さくない?ってツッコミかけたけど(爆)。鉄男の説得に一瞬目を閉じて「わかった」とうなずく表情には思わず「出たーっ!」(笑)。
 
 鉄男を追ってアジトに踏み込んだ風間は一味に捕らわれ鉄男と手錠でつながれるが息の合った見事な連携プレイで一味を叩きのめす。この立ち回りもかなり見応えがあり、相棒の反動を利用した後ろ回し蹴りや風間が鉄男の身体を持ち上げて敵に蹴りをかまし、最後にはグループのリーダー(演ずるは田中浩、言わずと知れたJAKQのジョーカー)をつながれた手錠で取り押さえるなど普段なかなかお目にかかれないアクションで楽しませてもらった。
 
 しかしこの二人、第1話ではあれだけ反発し合っていたのに、いつの間に息の合うコンビになったんだろう?特に監禁されてる鉄男を救出に来た風間がリンチを受けて意識朦朧となっている鉄男を「一人で潜入しない約束じゃないか!」と殴ったりする辺りは、どっちかって言うと風間が鉄男に一目置いてて、それでもやっぱり可愛い後輩を心配してたって感じでもあるし。「捜査には手段を選ばないクールなライバルキャラ」って設定のはずなのに、いつの間にか鉄男とのデコボココンビになってるような気が・・・(^^;


第4話「理由-嵐を乗り越えて」 (放送日:1974/12/2)

 作曲家の西城あいが傷害事件で逮捕された。だがフィアンセの岬と共に新人歌手の悠木丈を売り出すため奔走していた西城が何故事件を起こしたのか、素直過ぎる程素直に自供する西城に疑問を感じた鉄男は西城が誰かを庇っているのではないかと再捜査を始める。
 
 感情を表さないクールな作曲家に中条きよしを起用。最近はドラマやVシネなどでピン(主役)を張る事が増え俳優としてのイメージが強い中条きよしだが、元々は歌手であり自身の持ち歌である「理由(わけ)」を劇中では丈のデビュー曲として使っている。実はこの時、中条自身がデビュー1年目であったにも関わらず、新人とは思えぬ堂々とした演技でクールではあるが熱い思いを内に秘めた夢を追う男を好演。最近のお子さま番組(東映に限らず)で見かける新人俳優とついつい比較しては「芝居が上手いなぁ」と妙に感心してしまった。
 
 で、前回のエピソードでは鉄男と男の友情でつながれたのかと思われた風間刑事だったがどうも違うらしく出番の少ない分だけ鉄男に厳しいツッコミ入れまくる「嫌なヤツ」に逆戻り(苦笑)。西城の態度に疑問を持つ鉄男に「君はいつから心理学者になったんだ?」とあしらったり「根拠のない推測はやめるんだ」といさめたり「勘でものを言うのはやめろ」と叱責したり。作曲家の肩書きを持つ一方でゴルフはアマチュア第4位の実力、車の運転はA級ライセンスを持ちヨットで世界一周にチャレンジしたりする西城には「まあ、何でもする男だよな。おまけに今度は傷害事件の加害者と言う肩書きまで身に付けたわけだ」と嫌味たっぷり。この辺りを観ていると初登場時の「クールなライバルキャラ」って雰囲気が良く出ているのだが、それじゃあ第2、3話での風間の性格描写は何だったのだろう?と若干混乱気味。そもそも鉄男を見る風間の目の表情があまりにも違い過ぎるのが気になる。シナリオライターによってキャラの性格が変動するのは仕方ないが、もう少し一貫性のある設定にして欲しい(^^;


第5話「おれを射て!」 (放送日:1974/12/9)

 不動産を売却した金を持った老人が射殺された。金を奪ったのは3人組みの若い男。逃走する男たちを偶然目撃したのはタイからの女子留学生ミル。日本人の中に溶け込みたいと願い捜査協力を申し出た彼女を囮にして犯人グループを誘き出そうとする風間に反発する鉄男は、ミルが密かに心を寄せている柘植に彼女を匿うよう依頼する。花を愛し温室で蘭を育てている一見優男の柘植は快く引き受けるが、彼こそが老人殺害の首謀者だった。
 
 犯人を目撃したと名乗り出たミルの口封じを企む犯人の男たちはいかにも怪しいヒッピースタイル。危険を察知した鉄男はミルを部屋から連れ出すが犯人のバイクに襲われる。それを追う風間の車のヘッドライトを浴びたバイクの男は転倒、即死する。このシーン、転倒した男に走り寄る風間が注目ポイント。転がったバイクをヒョイと飛び越してかがみ込むと男の腕を取るが、脈がない事に気付くと中腰でじりじりっとあとずさる。その顔がちょっと驚いたような怯えたような表情で、それじゃあまるで自分がひき逃げ犯人みたいじゃない・・・ って、まあアンタのせいで死んじゃったんだから似たようなモンか(^^;それでも次の場面では何事もなかったかのようにしっかり張り込みしてるんだから図太い神経してる(苦笑)。
 
 前回に引き続きライターは多村映美。彼(彼女?)の描く風間刑事はとにかく冷たい。犯人のモンタージュ写真を作る際に片言の日本語で一生懸命に話そうとするミルを見つめる、一片の優しさもない冷たい瞳。ミルを囮にしようとしていると鉄男になじられると「もう何も付け足す事はないな」と能面のような表情で突き放す。本来、風間刑事というキャラクターは捜査のためには手段を選ばないクールさと基本的な考え方(スタンス)の違う鉄男とは対立しつつもライバルと認める潔さを合わせ持っていると思う。それなのに、内面描写のないエピソードだから仕方ないとは言え微妙な感情の欠片も見せないのは何故なのか。鉄男に痛い所を突かれたのだから本来ならばもっと目に動きがあっても良い。それでこそ宮内洋の本領発揮!となるはずなのに。
 
 これでは前回も今回のエピソードも視聴ターゲットである小学校高学年のお子さまには単なる嫌なヤツとしてしか映らないだろう。主人公である鉄男の言動が「正しい事」だとした時、それを遮る風間はライバルではなく敵役になってしまう恐れもある。やはり「俺だって彼女を心配している。だが犯人を逮捕するにはこれしかないのだ」と言う意思表示をどこかで見せて欲しかった。この辺りの役作りを宮内洋自身はどのように考えていたのだろうか、と小一時間ほど問い詰めてみたい(謎爆)。

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