Weg nach Berlin

2006ワールドカップ決勝の舞台へ

全体表示

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全14ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]

ミュンヘン

 日曜日、俺はミュンヘンを発つ。月曜日から始まるフライブルグの試験対策講座に行くためだ。
 その試験対策講座の試験は、国際ビジネス検定試験というものであり、仕事に関わるドイツ語の検定試験において最難関のものである。この講座をとるためには、中級レベル1の合格が前提条件であり、俺は先週学校で行われた中級レベル1の試験に何としても合格しなければならなかった。
 努力の甲斐というより、最後まで諦めなかった結果、見事試験に合格する事が出来た。4月の下旬に同じテストを受けた時はほとんど歯が立たず、2日間にわたって試験は行われるのだが、2日目の口頭試験は、前日の試験が悪すぎたために受験することさえ出来なかった。試験後、フランクフルトでの3週間、ワールドカップなどがあったが、しかし試験については先週の試験に全ての照準を合わせていた。
 4月の下旬の試験から先週の試験まで約3か月あったわけで、3ヶ月前は、「3か月後は合格どころかかなりいい成績で合格出来るはずだ。」と正直思っていた。しかし、この読みが甘いものだった事をその後の3ヶ月間で本当に思い知らされた。
 ワールドカップが終わってから、間にイタリア旅行はあったが、本腰を入れて勉強し始めた。しかし、勉強していくうちに、本当に試験までに俺は間に合うのかと不安になってきた。それほど、各分野において弱点が多かったのである。しかし、そこで思ったのは、不安をかき消すにはひたすら努力するしかないと割り切り、試験前日まで、教科書がボロボロになるまで粘り続けた。
 そして試験当日、リスニング、文法、リーディング、ライティングの順番で試験を行った。
 しかし、最初のリスニングでいきなりつまづいてしまった。リスニング対策はかなりしていたのであるが、スピードが未だかつてないほど早かったため、パニックになり、わずかな言葉しか書く事が出来なかった。完全にリスニングは落としてしまった。
 しかし、試験は前述の4つの分野と、2日目の口頭試験の合わせて5つの分野において、1つの不合格だけは許されるので、リスニング終了後、パニックになっていた状態から、「残り全てを合格すればいいのだ。」と、気持ちを建て直し、1日目の残りの分野は何とか満足な出来で終了した。2日目の口頭試験は、パートナーが、すでに学校で6、7年もドイツ語を勉強していて、語彙の多さが俺に比べてはるかに多いイタリア系スイス人の友達で、討論の際俺は何回か言葉がつまり、かなり出来は悪く、もしかしたら駄目かなと思っていたが、結果は何とか合格していた。また、絶対合格確実と思われていたイタリア系スイス人の彼は落ちていた。前述したような最後まで諦めなかった結果というのはこのような事である。
 これで、満を持してフライブルグへ行ける。ドイツ留学生活の最後の1ヶ月間、全力で試験合格へ向けて頑張りたいと思う。ミュンヘンを去るのは本当に寂しい。ミュンヘンに戻って来たとき暖かく迎えてくれた先生達、今までのホストファミリーの中で間違いなく、一番親切で優しい、今のホストファミリーのお母さん、そして今後もずっと、世界のどこにいても連絡を取りつづけていく、世界各地の友達。
 フライブルグは小さな町なので、日本に帰る9月の上旬まで、もしかしたらもう日本語で日記を書く事は出来ないかもしれない。この日記がドイツ留学中の最後の日記になるかもしれないので、まだ留学生活は終わってはいないが、今までの約8ヶ月のドイツ留学生活を、こう総括したいと思う。
 「ミュンヘンありがとう!ドイツでかけがえのない思い出を作るならミュンヘンしかない!」

イタリア

 前回の日記からかれこれ2週間以上ぶりの日記になってしまった。
 先々週の週末は、前回の日記に書いたようにイタリアに行ってきた。場所はベネチアで、おそらく日中は35度以上あり、とてつもなく暑かった。町に運河があるため、交通手段は全てボートを使わなければならず、日本ではもちろん、ドイツでも経験したことがなかったので少しとまどったが、しかし、ボートの乗り心地はスピードが特別速くなかったので快適なものであった。
 面白かったのは、ゴンドラの値段が高かったので、乗船をあきらめて俺達がとぼとぼ歩いていると、乗組員が追いかけてきて、値段を下げて交渉してきたのが何と3回もあったことだ。3回値段を下げて彼らは俺達に交渉してきたが、彼らには申し訳なかったがそれでも値段は高かったので、俺達はしぶしぶ断らずを得なかった。しかし彼らは明るくあいさつをして、乗船場に戻っていった。
 語学学校にも何人かイタリア人がいるが、彼らを見ていて思うのは、イタリア人の国民性の話の際にはよく聞くが、本当に陽気な事、そして細かい事にこだわらない事である。今回の値下げの交渉にしても、乗組員は、持ち前の陽気さで俺達観光客に承諾を3回も試みてきた。陰気な性格より、陽気な性格の方がやはり何をするにもポジティブに働く事はまちがいない。確かに、彼らは時間に関してルーズな感覚があるので、それによって、特に俺達日本人はしばしば面食らう時があるかもしれないが、しかし、彼らからすれば、人には時間よりももっと大切なものがあるといった認識を持っているのかもしれない。
 周知のように、今回のドイツワールドカップでイタリアが優勝した。前回の韓日大会では、韓国の不可解な判定によって決勝トーナメント1回戦で早期敗退し、そして、2年前の欧州選手権では、同じグループに属していたデンマークとスウェーデンが、予選リーグ最終戦で工作試合をしたために予選リーグ突破がならなかった。近年、本当に悔しい思いをしてきたイタリア代表。しかし、「また次頑張ればいいさ」と、陽気な性格から派生したポジティブ思考でもって、おそらくイタリア代表は前進を怠らなかったのであろう。
 イタリア人の持つポジティブ思考。これは、サッカーの日本代表だけでなく、ネガティブ思考の多い俺達日本人が見習うべき事であると、イタリア代表のドイツワールドカップでの優勝、そして現地イタリアに行って、何人かのイタリア人とのコミュニケーションで考えさせられた。

7月9日(大会最終日)

 ワールドカップの決勝というのは常に、世界チャンピオンが誕生すると同時に、素晴らしい敗者も誕生する。最近の3大会を例に挙げれば、94年アメリカ大会では、PKを外した事でブラジルの優勝を決めてしまった元イタリア代表ロベルト・バッジオ、98年大会フランス大会では、若さゆえの、極度のプレッシャーに耐える事が出来ず、エースとしての役割を果たす事が出来なかったブラジル代表ロナウド、そして、02年韓日大会では、自分のミスによって優勝を逃してしまったドイツ代表オリバー・カーンである。彼らは当時、それぞれ準優勝に甘んじなければならなかったが、しかし、彼らの、勝利への執念に満ち溢れた健闘を世界中が称え、涙した。
 しかし、今大会の決勝はどうだったであろう。素晴らしい敗者は誕生しなかったと俺は思う。ジダンが最後のPK戦でキッカーとなり、その結果負けてしまったのであれば間違いなくジダンであっただろう。しかし、世界中から擁護論が飛び返っているが、ジダンは何をしたのか。ワールドカップの決勝というのは、世界中に一体何人いるか分からないが、全てのサッカー選手達が憧れる、夢の舞台である。韓日大会の決勝前、カーンがインタビューで、「こんなチャンスは2度とないので、サッカー人生というより、全人生をかけてブラジルを倒す」と言っていた言葉は忘れられない。何を言われたかは分からないが、ジダンは間違いなく、決勝の舞台をぶち壊した。最後の1瞬まで、勝利に執着した素晴らしい敗者を見る事が今回出来なかったのは非常に残念な事だ。
 イタリアの優勝。前回までの日記で触れたように、90年の地元イタリア大会で、西ドイツの優勝を見る憂き目にあったリベンジを見事成し遂げたと言えるだろう。ただ、イタリアに今回エースがいたかと考えると、ちょっと思いつかないのは俺だけであろうか。しかし、サッカーはチームスポーツであるので、突出した選手がいないチームでの、今回のイタリア代表の優勝は、サッカーの本当のあるべき姿なのかもしれない。
 電撃引退を知った時、今回の決勝についての日記で触れようと思っていたので、中田英寿の現役引退について一つ言いたい。色々、引退を惜しむ声があるようだが、俺はそうは思わない。サッカーを辞めた後の第2ビジネスの事を現役時代、常々考えていた彼の、サッカーへの情熱が失われてしまったことは別に想像に難くない。間違っても彼は、俺の尊敬する三浦和良のように、40代近くになっても今だに、純粋にサッカーが好きだからという理由で現役生活を続けたりはしないだろうとも思っていた。今回の現役引退は、まだサッカー選手を続けられる年齢であるにもかかわらず、現役生活をほんの少しでも延長したいという選手がいるのにもかかわらず、最も重要な情熱が消えてしまったのならばやむを得ないだろうという冷めた見方しか出来なかった・・。
 これからの日本代表について。今大会は、準決勝の4か国が出揃った時点で、まるでヨーロッパ選手権のようになってしまった。世界のサッカーの歴史は確かにかなり長いものであるが、このような事から、やはり今だに世界のサッカーはヨーロッパ有利である事は否定出来ないであろう。前回までの日記に書いたように、ヨーロッパで真のサッカー強豪国と言える、今大会の準決勝で死闘を繰り広げたイタリアとドイツのサッカースタイルは共に守備的である。新監督になるであろうイビチャ・オシムが、一体日本代表のサッカースタイルをどのように築くのか非常に興味深い。
 サッカーに関して、これから4年間はカーンの代表復帰、そして、新生日本代表の躍進を楽しみにしたい!
 今大会、残念ながら1度もスタジアムでワールドカップの試合を観戦出来なかったので、その代わりとして、ドイツからあまり遠くない、現在、24年ぶりのワールドカップ優勝で国中が沸き返っているイタリアに週末、旅行に行ってくる!ドイツワールドカップは9日で終わってしまったが、イタリアに行った時の人々の熱狂を見て、おそらく、俺のドイツワールドカップは終了する!
 ドイツワールドカップをドイツで見ることが出来て、一生の思い出を作る事が出来た!1か月間、本当に夢の時間を過ごせた!
 ダンケシェーン・ドイッチェランド!!!

 3位決定戦が、オリバー・カーンの代表引退試合になってしまった。
 ドイツの各誌が、カーンを、1が最高、5が最低の評価で1をつけていた。確かに納得がいく。本当に、素晴らしいプレーをしてくれた。
 同じバイエルン・ミュンヘンの同僚である、3得点全てに絡んだシュバインシュタイガーの活躍も確かに見事だった。しかし俺は、もしかしたら最後の代表戦になってしまうかもしれないカーンの勇姿を目に焼きつけようと、試合中ずっとカーンの動きを目で追っていた。
 カーンは今大会、まるで勇者のようであったと俺は思う。大会直前に、長年守りつづけてきた正ゴールキーパーからの格下げを宣告されたが、決して腐らず、準々決勝のPK戦直前に、レーマンを勇気づけた感動的なシーンに代表されるように、たとえ試合に出られなくても、縁の下の力持ちとなってチームを支え続け、そして、最後に与えられた試合で、もちろんその試合が決勝である事を俺は望んでいたが、しかしその試合が、通常お互いのチームの緊張の糸がすでに切れてしまって、見るべき価値の無いとも言われる3位決定戦の試合であっても、決して手を抜かず、最高のパフォーマンスで今大会のドイツ代表の試合を締めくくったカーンは、勇者であると、俺は思う。
 もう一度、ドイツ代表に戻ってきてほしい。「4年後、あなたは大会期間中に41歳になる。しかし、1982年スペインワールドカップにおいて、イタリア代表を優勝に導いたディノ・ゾフの当時の年齢は40歳であった。」という記者の質問に対し、「時代は変わった。現実を見なければならない。」と答えたカーン。「現実を見て、再びドイツ代表に戻ってくる」カーンを、俺はこれから4年間待ちつづける!

 イタリア対フランスの決勝戦。2002年の決勝のカードなら十分にありえたカードである。しかし、4年の時間が過ぎて、まさか今回このカードが実現するとは・・。というより、イタリア、フランス双方のファンには申し訳ないが、なぜ、俺がサッカーで最も好きなドイツで行われているワールドカップで、決勝戦でこのカードの試合を見なければならないのだというのが本心である。
 今まで、決勝戦のチケットがあたる数多くのキャンペーンに応募しまくり、ものの見事に全部はずれてしまったが、しかし、このカードならスタジアムで見る気にはならない。はずれてよかったとも言いたい。もちろん、4年前の韓日大会の決勝の時のように、チケットが無いにもかかわらず、決勝の雰囲気を味わうために、決勝の会場であった新横浜に行ったような事は今回はしない。
 ポルトガルは、対戦自体が数える程度だが、今まで公式の大会でフランスに勝った事が無かった。思うと、今回のワールドカップは、対戦国同士のジンクスが本当に崩されていない。イングランドとスウェーデンの引き分け、ポルトガルのオランダからの勝利、フランスのスペインからの勝利、ポルトガルのイングランドからの勝利、フランスのブラジルからの勝利、そして、準決勝の、イタリアのドイツからの勝利と、この、フランスのポルトガルからの勝利である。
 2002年韓日大会でブラジルを優勝に導き、2004年の欧州選手権で開催国のポルトガルを準優勝に導いた名将フェリペが敗れた。選手個々の能力の差が、采配の限界を昨日の試合は示したということになるのだろうか。ポルトガルとしては、準決勝に進出した時点で及第点だったかもしれないが、しかし、フェリペの魂の入った采配を、準決勝の4か国が決まった時、決勝のドイツ戦で見たいと思っていた俺としては本当に残念だった。
 前述の、対戦国同士のジンクスから、おそらく優勝はフランスであろう。決勝だけジンクスが破られるとはちょっと考えにくい。イタリアとフランス。思えば、イタリアは4年前の韓日大会、大会前にフランス、アルゼンチンに次ぐ優勝候補と言われながら、決勝トーナメント1回戦で、開催国の韓国に、疑惑の判定などを含めてまさかの逆転負けを喫し、フランスは、アルゼンチンに並ぶ優勝候補筆頭と言われながら、予選リーグで無得点敗退と、前回優勝国としては史上初の汚名を作ってしまい、2年後の欧州選手権も、両国ともに振るわず、2000年の欧州選手権で両国が決勝で対戦して以来、この両国は6年間本当に苦しい思いをしてきた。その苦労が今大会において実を結んだのかなと、準決勝のデルピエロのゴール、準々決勝のジダンのパフォーマンスを思うと、そんな感じもする。
 9日、ジダンが、現役引退の最高のエンディングを迎えるように、ワールドカップを掲げている姿が絵に浮かぶが、果たしてどうなるだろうか?俺の興味はもう、イタリア対フランスの決勝よりも、ドイツ対ポルトガルの、カーンが出るか出ないかの3位決定戦にいっているが、とにかく泣いても笑ってもドイツワールドカップはあと残り2試合!存分に、最後まで楽しみたいと思う!!

全14ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事