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8月28日夜に見られた皆既月食です。少々遅くなりましたが、画像処理に時間がかかってしまいました。
撮影テクの話も多くなりましたが皆既月食の経過を写真とともにご紹介しましょう。


【星野】皆既月食中の星空

前日下見をした公園へ車で望遠鏡を運んでいく予定でしたが、手間がかかるし自宅のほうがメインのパソコンもあり自由が利くので、急遽自宅ベランダからに変更。

隣の建物から月が昇るまでの間は東の見晴らしの良い場所へ原付飛ばして阿蘇の稜線から昇る月を待ちましたが、この頃まだ東の低空は雲に覆われていました。そして、そろそろ自宅からも月が見える時刻になったので自宅へ戻り、晴れてくるのを待ちました。下の写真の時刻(19時54分)まで、月のある南東の空は雲に覆われていました。

雲が西から東へと動き、そろそろ月のある辺りの雲が取れてくる…。ドキドキしながら赤銅色の月との対面を待ちました。そして、次の瞬間。

真っ赤な夕日みたいな、真ん丸い月が空に現れました!!


アンテナと皆既月食中の月 (食分:1.36)
イメージ 1
撮影日時 : 2007年8月28日 19時54分
撮影地 : 熊本県熊本市
カメラ : ニコン D70
露出時間 : 10.00秒
レンズF値 : F4.5
撮影方法 : 固定撮影 (ISO設定 : 640)
※ステライメージ5にてトーンカーブ、シャープ処理等

1997年9月17日以来、10年ぶりの「皆既月食」との再会です! 感動しました。第一印象は、普段は水銀灯のような光芒を放つ月が、地平線スレスレの夕日のように暗く、輪郭もくっきりと見えていました。
例えるなら赤いバルーンが宙に浮かんでいるような不思議な感じです。普段、宇宙空間にこんな暗いものはないだろう、というような暗さだったので、「不気味」という表現がしっくりきました。もちろん、神秘的で美しくもあります。

そして、真ん丸い月面には赤色のグラデーションがかかっているので、不思議と立体的に見えてきました。


みずがめ座に浮かぶ赤銅色の月 (食分:1.02)
イメージ 2
撮影日時 : 2007年8月28日 20時19分
(撮影地/カメラ : 同上)
露出時間 : 20.00秒
レンズF値 : F4.5
撮影方法 : 固定撮影 (ISO設定 : 400)
※ステライメージ5にてトーンカーブ、シャープ処理等


【直焦点】皆既月食の経過

撮影テクの話になりますが、以下は全て追尾なし(ノーガイド撮影)です。せっかくの皆既月食、露出時間を切り詰めて画質が犠牲になりました、もったいない…。皆既食の直焦撮影では最低でも露出2〜3秒は必要だと実感しました。

想像以上に月が暗かったのです。

1秒以上露出すると月が流れてしまうので、今回はISO感度を最高に設定してコンポジット枚数でS/Nを稼ぎました。こんな苦労、馬鹿馬鹿しいですね。早く「赤道儀」を復活させねば。


皆既食 20時04分 (食分:1.24)
イメージ 3
撮影日時 : 2007年8月28日 20時04分
露出時間 : 2.00秒
ISO設定 : 800
※1.9倍エクステンダー使用

共通撮影データ:
撮影地 : 熊本県熊本市
カメラ : ニコン D70
望遠鏡鏡筒 : ビクセン R200SS (口径200mm 焦点距離800mm, F4)
撮影方法 : 直焦点撮影
※RegiStax3にてスタック、ステライメージ5にて画像処理


皆既食 20時10分 (食分:1.16)
イメージ 4
撮影日時 : 2007年8月28日 20時10分
露出時間 : 1.00秒×7
ISO設定 : 800
※1.9倍エクステンダー使用


皆既食 20時11分 (食分:1.15)
イメージ 5
撮影日時 : 2007年8月28日 20時11分
露出時間 : 露出時間 : 2.00秒×2
※1.9倍エクステンダー使用

こちらはコンポジット枚数が少なく、やや画質が粗いですが、露出時間が上より2倍なので、色合いとグラデーションが美しく描写されました。


皆既食 20時13〜17分 (食分:1.07)
イメージ 6
撮影日時 : 2007年8月28日 20時13〜17分
露出時間 : 1.60秒×4, 1/1.3秒×9
※1.9倍エクステンダー使用

コンポジット済みの長めの露出4コマと短めの露出9コマ同士をさらにコンポジットして、合計13枚の画像です。画質は滑らかになりましたが、もっと露出をかけたらグラデーションが自然になってくれたと思います。

というか、エクステンダーは外すべきでした。そうすれば、追尾なしでも光量を増やすことが出来たのに。皆既月食撮影に重要なのは解像感よりも光量だと痛感しました。充分美しく仕上がったので、まぁ満足なのですけれども。


皆既食 20時15分 (食分:1.09)
イメージ 7
撮影日時 : 2007年8月28日 20時15分
露出時間 : 3.00秒×2
※1.9倍エクステンダー使用

ということで、露出を3秒まで長くしてみました。本影中もっとも暗い部分も自然な色合いで表現されて、色合いもよくなりました。その代わり、日周運動で月が流れて少しボケた画像になりました。


10等星まで写った? 月の背後

皆既中の月とみずがめ座の星々 (食分:0.93)
イメージ 8
撮影日時 : 2007年8月28日 20時26分
露出時間 : 5.00秒

さて、皆既中の満月と、月の傍の暗い星々を一緒に写してみよう!という、皆既月食ならではの企画、というか思いつき。

トーンカーブで月面の赤銅色を白飛びさせずに、強力にレベル強調して、さらにステライメージに備わっている「スターエンハンス」フィルターで星を明るく強調してみました。「ステラナビゲータ」で調べると8等級までの恒星しか表示されなかったので、8等以上の明るい星3つの等級を画像中に記しました。

画面左上部分にはもっともっと暗い星が確認できますが、これらは10等級ほどでしょうか。満月と10等星を一緒に写すことは普通だと絶対に不可能ですので貴重な構図です。


皆既食の終了

光が戻りました (食分:0.95)
イメージ 9
撮影日時 : 2007年8月28日 20時24分
露出時間 : 1/5秒

月面向かって右側から左へ向かって光が差し始め、月から見上げる空には太陽の光が戻ってきたはずです。



光が戻った月、赤銅色の月から出現したみずがめ座σ星(食分:0.95→0.90)
イメージ 10
撮影日時 : 2007年8月28日 20時24分, 25分, 27分
露出時間 : (1枚目)1.00秒×11 (2枚目)1/1.3秒×8 (3枚目)1.00秒×6

右側から光に覆われてきました。この組写真は3分間の経過ですが、地球の影が移動していく様子がよく判ります。輪郭は大きな円弧を描いていますが、紛れもなくこれは地球の影です。月に対する地球の大きさがお判りになると思います。

本影部分は赤から白にかけて見事なグラデーションで美しいです。私は撮影に専念していたため、望遠鏡に取り付けたカメラのファインダー越しにしかこの光景は見ていません。低倍率アイピースで覗いてみたかったです。

影の境界に近いところでは青っぽくなっていて美しいです。さらに、みずがめ座の4.8等星の青色。星の輝きを強調するフィルターで、より美しく見せることができました。

この撮影の直後、一旦望遠鏡からカメラを外してカメラレンズで夜空を撮影し、再び直焦点撮影を行おうとしたら取り付ける部品が見つからず、部屋中を探し回ってしまい月食の進行を見逃してしまいました。月食の進行は思った以上に早いと実感しました。こんな慌て者の私に1分勝負の皆既日食の撮影なんて無理かもしれませんね(まだ見たことはありませんが)。

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