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2017年12月23日
日本の灯台50選に選ばれている観音崎灯台を撮りたくて横須賀に来た時、観音崎灯台から徒歩で20分位の場所に横須賀美術館があるので、寄り道をして来ました。
翌日の12月24日まで、没後40年伊藤久三郎展が開催されていました。
伊藤久三郎は初めて目にする画家ですが、ポスターを見るとデ・キリコ風で少し惹かれます。
1時間くらい時間に余裕があったので、観て廻ることにしました。

横須賀美術館
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伊藤久三郎は1906年に京都市で生まれ、京都市立絵画専門学校で日本画を専攻しましたが、独学で西欧絵画を学び、それ以降は洋画一筋です。
二科展などにフォーブ的な作品を出展しています。

静物(1929)
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風景(1930)
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白、グレーの画面が特徴です。
二科展では東郷青児がシュールレアリスム風な作品を発表していたころです。
1932年に伊藤久三郎も「青い蟹」を描いています。
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浜辺に打ち上げられた青い蟹と海を航行する船は何か物語性を感じさせ、単なる風景画とは異なります。
そして二科展で入選、特選となった2つの作品「遅疑」(1933)、「流れの部分」(1933)になると完全にシュールレアリスム的な作品となっています。

遅疑
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流れの部分
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その後も
雨或いは感傷(1937)
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振り子(1937)
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 のような作品を経由し、1939年頃から明るい緑色を基調とした作品群を発表ししていきます。

森(1939)
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合歓の木(1939)
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木立(1940)
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具象的な画面に、人物の気配を描くことにより、心象風景的な世界が創り上げられています。
穏やかな緑系の色調が魅力的だと思うのですが。
これらはこの頃到達した一つのピークの作品群と言って良いかもしれません。

第二次世界大戦頃の軍部からの圧力からなのでしょうか、1949年頃から作品は抽象化していきます。

製作所(1949)
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伽藍の鳩(1950)
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スタイルがどんどん変化していきます。
同じ場所に留まることができない性格なのでしょうか。

猫電気A(1951)
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遮蔽(1953)
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忘却(1954)
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作品(1955)
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地表(1956)
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作品57(1957)
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1958年から胸部疾患のため製作が一時途絶えますが、1964年に制作を開始しています。

作品K19A(1964)
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作品K19B(1964)
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梟(1964)
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マチエールを強調した作品となっています。
 
そして今度は明るい白い感じに

日(1968)
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連(1968)
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KOPFFUSSER(1968)
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人物やジャガイモに国旗を

Atlas(1970)
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Pomme De Terre(1970)
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虫や豆の列など新しいものに挑戦していきます。

作品772(1972)
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ムシの1(1974)
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マメ(1975)
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しかし迫りくる死の影が

ひきだし(1976)
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そして絶筆の作品です。
作品(1976)
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1940年頃は日本が第二次世界大戦に突入した頃で、シュールレアリスムやダダイズムが当局から文化的統制を受けていた時期です。
その頃伊藤久三郎は彼らしいシュールの緑の絵画を描いていました。
彼はシュールレアリスムの世界に安住していたかったのではないかと思っています。
1939年の「木立」に次のような言葉を残しています。
壮大な<現實>の交響楽のまえに
私は乏しい笛吹に過ぎない
壮大な<現實>の交響曲のなかに
私は笛を吹こう

当局から安住の地を追われた伊藤久三郎は新たな楽園を求め続けた。
スタイルを変え続け、新しいものを追い続けたが、志半ばで逝ってしまいました。

横須賀美術館は恋人の聖地に選定されています。
美術館の屋上部分に恋人の聖地のプレートがあります。
ここは浦賀水道が眺められるビューポイントです。
2018年10月15日に撮影した映像です。
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神奈川県にはもう一つ美術館が恋人の聖地に選定されている場所があります。
それは箱根の森美術館です。
仙台から東京に就職して来たばかりの頃箱根の森美術館に行きました。
丁度ジャコメッティの企画展が催されていて、針金のような人体像に魅せられた想い出があります。
当時は恋人の聖地には選定されていなかったのでまた訪ねてみたいのですが、、箱根は印西市から近くもないし、遠くでもない微妙な距離にあるので、中々行く決心ができません。
いつかは再訪したいと思っているのですが。

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