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2019年2月24日
柏市のアミュゼ柏クリスタルホールで高木竜馬ピアノリサイタルがあったので聴いて来ました。
高木竜馬さんは第26回ローマ国際ピアノコンクールに優勝していますが、昨年9月9日にノルウェーベルゲンでの第16回エドヴァルド・グリーグ国際ピアノコンクールでも優勝し、30000ユーロの賞金を獲得しました。
この時聴衆賞も一緒に受賞しています。

今回は優勝記念コンサートと言うことで、各地で催されているコンサートの一環です。
プログラムは
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グリーグ国際ピアノコンクール優勝記念と言うことで、グリーグの抒情小曲集 作品8-6トロルハウゲンの婚礼の日、作品5−4のノクターンを取りあげています。
グリーグは生涯にわたって抒情小曲集を作曲し、全部で10集、全66曲にも及びます。
第3集は明るい感じで「蝶々」、「春に寄す」などが有名です。
若い頃ナクソスの廉価盤CDを4枚か5枚購入し全66曲をリリックな作品とはこんな感じなのだと思いながら聞きました。
RCAでもゲルハルト・オピッツの全曲盤があります。
作品65-6の「トロルドハウゲンの婚礼の日」は親しみやすい作品で、若い頃のことを思い出しました。
作品54-4の「ノクターン」は聴いてみて、昔のことは思い出せませんでした。
グリーグの抒情小曲集は割と穏やかな気持ちにしてくれる作品が多く、派手な作品でないのでピアノの実力を示すには不向きかもしれません。

ショパンの作品60の舟唄(バルカローレ)はショパンの病状が進み、ジョルジュ・サンドとの関係に波風が立ち始めた頃の作品です。
ショパンはベニスに行ったことはありませんが、ジョルジュ・サンドと同行したマジョルカ島への船旅でも思い出したかのように、高木竜馬さんは船が港から出向するようにゆっくりと弾き始めます。
彼女との日々の思い出が、波の煌き、輝き、大きなうねりの中の航海のように思い出され、次々と変化してゆく、そして次第に海の光景は鎮まって凪いで行く。
とてもイイ感じで聴けました。
水面や波の描写は後にドビュッシーやラベルに大きな影響を与えたと言われていますが、良く分かるような気がします。
この曲は見え隠れする死の影と孤独の中で作曲されたショパンの「白鳥の歌」歌と言われています。
高木竜馬さんはプログラムの解説でアルフレッド・コルトーの言葉を添えています。
「うら若き女性が、この曲をむやみに演奏したり聴いたりしてはいけません。
 あまりに哀し過ぎて、危険ですから。」

幻想ポロネーズ作品61も晩年に書かれて曲です。
作曲当初からあまり顧みられませんでしたが、20世紀後半にルービンシュタインやホロヴィッツの演奏で人気が出てきた作品です。
ポロネーズの命名はしていますが、「ポロネーズ」のリズムはあまり出てきません。
いわゆる幻想曲の感じです。
私は暗い感じであまり好きな曲ではありません。
高木竜馬さんは「この痛ましい幻想は、芸術の域を超えている。」と言うフランツ・リストの言葉を解説に添えていました。
高木竜馬さんのプログラムの解説はいつも素晴らしい出来で感心しています。
今回もこの曲にポール・ヴェルレーヌの
「巷に雨が降る如く吾が心になみだ降る/かくも心に滲み入るこの哀しみは何やらん」と伊藤左千夫の
「池水の濁りににごり/藤なみの影もうつらず/雨ふりしきる」を添えて、そのようにイメージしながら演奏していたのでしょう。

15分間の休憩後はチャイコフスキーの「主題と変奏」に続いて、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番です。
 
グリーグ国際ピアノコンクールのピアノ協奏曲として2曲が課題曲となります。
一つはグリーグのピアノ協奏曲でこれは必須です。
もう一曲は選択でき、高木竜馬さんはラフマニノフの2番を選びました。
 
今日はオーケストラパートを妹さんの高木薫子さんが弾きます。
薫子さんは竜馬さんとは4つ違いです。
二人ともピアノ教師のお母様から手ほどきを受けています。
薫子さんもウイーンの第10回ロザリオ・マルチアーノ国際ピアノコンクールで大賞を受賞しています。
兄妹揃って凄い才能の持ち主です。
第1楽章はピアノ独奏がゆっくりとロシア正教の鐘を模した和音連打で始まって行きます。
聴き手にはピアノの演奏が難しそうには感じられませんが、実際には演奏至難なパッセージが多く、超絶技巧が要求されるとか。
第2楽章は薫子さんのPPで始まり、クレッシェンドしながら、竜馬さんのピアノ独奏を呼び入れます。
ピアノ独奏の上にフルートが入る第1主題の部分も薫子さんはいい感じで弾けていました。
竜馬さんのカデンツァも良く、第2楽章最期を静かにまとめました。
第3楽章では二人は盛り上がり、圧倒的な演奏でプログラム最後を締めくくりました。

アンコールはトロイメライ、英雄ポロネーズ、平均律クラヴィーア曲集第2巻第5番などの後、嬉しいことに2台のピアノでチャイコフスキーの組曲くるみ割り人形から「金平糖の踊り」、「トレパックの踊り」、「花のワルツ」が演奏されました。

ついでですが、NHKTVアニメ「ピアノの森」で高木竜馬さんは雨宮修平のメインピアニストを担当しています。
ショパンコンクールを舞台にした第2シリーズが2019年1月から放映されています。
一ノ瀬海のピアニストは非公開ですが、反田恭平、牛牛、シモン・ネーリング、ジュリエット・ジョルノ―などのピアノも聴けてそれぞれ個性が有り、魅力的な番組です。
興味のある方は見てください。

演奏後の高木竜馬さんと高木薫子さんです。
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