tammyのブログ

日々鑑賞した映画の記録です。

先日、フェスティバルホールで行われた
「第54回大阪国際フェスティバル2016 山田和樹指揮 バーミンガム市交響楽団」
へ行ってまいりました。


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<日時>
2016年6月26日(日)14:00開演

<プログラム>
ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲J.306
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 作品30
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92

指揮:山田和樹
ピアノ:河村尚子
バーミンガム市交響楽団



山田和樹さんは、以前NHK交響楽団を指揮されているのをテレビ観てから気になっている指揮者でした。
私自身そこまでオーケストラの演奏を生で聴きに行くことは無いのですが、今回は本当に感動しました。
「これが生で聴くオーケストラの音なのだな」と…
そして、聴きに行くからには一番良い席で観るべきだと確信しました。(本当にケチっちゃだめですね)
この日はほとんど満員でした。凄いですよね。

山田さんの指揮は、飛んだり跳ねたり、観ていて楽しいんです。
スマートではありませんが、こちらに訴えかけてくるような指揮に、観ている側は感情を揺さぶられる感じですね。
初めの曲「オベロン」序曲から、もう吸い込まれるような優しい音色にホントに感動して涙が出そうになりました。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番も、ベートーヴェンの交響曲第7番もどちらも知っている曲でしたので、より一層楽しかったですし、感動も大きかったです。
また、どちらの曲もフェードアウトするようなエンディングではなく、ジャンジャカジャンと大団円で終わる曲なので、観ている方も達成感があり、気分の良い感動を味わえました。

ただ、今回結構予習はしていったのですが、1回聞いただけではちょっと理解できませんでした。
映画でもそうですが、せめて2回は観ないと理解できないですね。

クラシックだけではありませんが、どんなコンサートであっても、音楽というものは形がありません。
やはり、その空間を共有しているという一体感が音楽にはあり、それが大切なのだと思います。

今回はじめてフェスティバルホールに行ったのですが、すごく良いホールだと思いました。
ホールの感じや、その他の設備など、今まで行った(数少ない)ホールの中でも一番良かったです。

あ〜、やっぱりクラシックっていいな〜

≪ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番≫


≪ベートーヴェン:交響曲第7番≫


誰が為に鐘は鳴る

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『誰が為に鐘は鳴る』(1943 アメリカ)
監督:サム・ウッド
出演:ゲイリー・クーパー、イングリッド・バーグマン、エイキム・タミロフ、アルトゥーロ・デ・コルドヴァ

スペイン動乱を舞台に、ゲリラ活動に参加したアメリカ人の心情を描いた悲恋ドラマ。
政府の軍事輸送を阻止するため、鉄橋の爆破計画が練られた。
作戦に参加したアメリカ人ロバートは、ジプシーのゲリラに協力を求める。
そこでロバートは、美しい娘マリアと出会い、二人は激しく惹かれ合うが……。(Yahoo!映画より)


かなり有名な作品なのでいずれ観ようと思っていたのですが、勝手に「戦争映画だしな〜」と決めつけて今まで観ずにいました。
戦争映画はやはり観ていてちょっと疲れてしまうんですよね。
しかし、『誰が為に鐘は鳴る』は完全に恋愛映画でした。
しかも美男美女の悲恋物語…
アメリカでは、第二次世界大戦中にこんな映画を作っていたと思うと、何とも言えぬ複雑な気持ちになりますね…


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本作では、1937年のスペイン内戦を舞台にしており、欧米からの義勇軍として参加していた大学教授のロバートを中心に描かれています。

◇スペイン内戦とは…
スペイン内戦(1936年7月 - 1939年3月)は、第二共和政期のスペインで勃発した軍事クーデターによる内戦。
マヌエル・アサーニャ率いる左派の人民戦線政府(共和国派)と、フランシスコ・フランコを中心とした右派の反乱
軍(ナショナリスト派)とが争った。
反ファシズム陣営である人民戦線をソビエト連邦が支援し、欧米市民知識人らも数多く義勇軍として参戦、
フランコをファシズム陣営のドイツ・イタリアが支持・直接参戦するなどした。(wikipediaより)

スペイン内戦についてまったく知らなかったので、第二次世界大戦の前にこういった戦争が行われていたのをこの映画を通して初めて知る機会となりました。
歴史って大事ですね…(^^;


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よくよく考えてみると、ほぼ画面に映るのは、川か、岩場か、彼らの住処である洞窟ばかり…
でも、そこに陽が差したり夜空に満天の星空が広がったり、思いもよらぬ雪が降ったりするので、画的にはそこまで気にはならなかったです。

ゲイリー・クーパーはもちろん素晴らしいほど素敵なのですが、この映画ではイングリッド・バーグマンの方が個人的にはインパクトが強かったです。
フワフワなショートカットにちょっとボーイッシュな格好なんですが、はにかんだようにおでこに手を当てて笑う姿なんて、女性の私が観ても可愛すぎます。
この戦争で、両親を目の前で殺され、自身も兵士に髪を刈られ暴行を受けたという過去を持つ19歳の少女を演じていました。
そんな彼女が恋するのが、義勇軍としてスペインに来ていた大学教授のロバートという男性なのです。
彼は鉄橋の爆破指令を受けて、この土地へ来ていました。
二人が見つめ合うシーンは数知れず、イングリッド・バーグマンの純粋で素直な感情表現に心動かされない人はいないのではないでしょうか。


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ラストで二人は引き裂かれることになります。
ロバートは敵に足を撃たれ、このままでは足手まといになるだけだからと、自分を置いて行くように言うのです。
マリアは泣きながら仲間たちに連れられて彼と別れることになるのですが、彼女にとってそれが幸せだったかといえば疑問です。
私としては、家族でも好きな人でもそうですが、こういう状況で生き別れになるのって一番嫌です。
もし撃たれて死んでしまったというならまだしも、まだ一緒に居られる可能性があるのに、その人を置いて行かなければならない、というのは本当に酷いし、辛い選択なのではないのかと思います。


この映画で印象に残ったセリフがあります。
「爆破のために人を殺すのもしかたない。だが、この先生き長らえるとしたら、人を傷つけないで生きて行きたい。」
ロバートの案内役で付き添ってくれていたジプシーのアンセルモという男が、鉄橋爆破の視察の際に言った言葉です。
誰も、人を傷つけることを望む人はいないはずですが、戦争を体験した人たちは誰もが思うことなのかもしれないとも思いました。


完璧とは言い難い作品ではありますが、170分という長さも特に気にならず、充分楽しめる内容でした。
鉄橋に爆薬を仕掛けているシーンもハラハラして、結構面白かったです。
ゲイリー・クーパーとイングリッド・バーグマンもナイスな配役でした。
素敵なクラシック映画でしたね〜




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どうしても観たくてDVDを買ったのが2014年の8月。
そして、どうしても劇中の音楽を聴き続けたくてサントラCDまで買ってしまったのはその後すぐ(笑)
今どきCDを買うなんて思いもよらなかったんですが、ここまで聴き倒したCDは今までそう無かったです。
そんな大好きな『ロシュフォールの恋人たち』を、昨日「午前十時の映画祭」で劇場鑑賞することが出来ました〜

あぁ、素晴らしすぎる…
観終わった後の何とも言えない幸福感…
世界がキラキラして見える、それってとても素敵なことですよね。


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明るい日差しの降り注ぐロシュフォールの街並み。
人々は陽気で、素敵な恋を夢見たり、過去に愛した人を思い出したり…
この映画で描かれているのはほとんどが夢のようなお話です。
でも、だからずっと心に残り続けるし、たまにフッと思い出しては幸せな気持ちになると思うんです。
だれもが夢見る理想の人と巡り合えるなんて現実的にほぼあり得ないけれど、それを空想することは
とても自由で素晴らしい事だと思います。


そしてこの映画の色合いや、撮影された時をそのまま感じられる空気感、それがこの映画の一番の魅力だと思っています。
年に一度のお祭りで沸き立つ数日間を、本当にワクワクするような高揚感をもって描かれていると同時に、
お祭りが終わった後の空虚感のようなものも描かれていました。
二度と戻らない時間に想いを馳せるのはあまりにも現実逃避的ですが、このような空気を持った時代があったことを感じれるだけで、心が満たされる気がするんですよね。



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今回劇場で観て思ったのは、やはりエンディングが素晴らしいです。
三人それぞれが理想の人と出会う。しかも誰も傷つくことなく完璧なハッピーエンドで終わるのです。
もちろん映画の中でツッコミどころは色々ありますが(バラバラ殺人事件はいらんやろ、とか)、それを含めて考えてもやはり素敵な映画です。
歌上手いでしょ?とか、ダンス上手でしょ?とかいう見せつけられてる感(?)や押しつけがましさがないのも自然で良いですね。

あと、観ていて何が楽しいかというと、やはりカラフルな色合いだと思います。
白タイツにイエロー、ピンク、パープルのワンピースとか、オレンジやグリーンのプリーツスカートとか、服装を観ているだけでも凄くワクワクします。
特にカフェで働いてるジョゼットという女の子の衣装がかなりツボでしたが、ジーン・ケリーのパープルのジャケットはどうかと思いますね…
白や黄色の外壁など、街並みの色合いもカラフルで素敵です。

と、いろいろ書いたところでこの映画への私の愛情は伝わらないと思います(^^;
この映画を(DVDで)観る前から「キャラバンの到着」のメロディーを知っていました。有名ですもんね。
そのメロディーが大好きで、この音楽が流れる映画ってどんなものなのかと凄く期待して観たわけですが、
そしたら、私が「キャラバンの到着」に抱いていた印象そのものの映画だったんですよ。
もしくはそれ以上の映画だったんです。
映画の中では結構早い段階でその曲は使用されますが、その後も歌詞がついたりして色んな場面で流れます。

とにかく、私はこの映画に出会えて本当に良かったと言うことと、何度見ても本当に素晴らしくて大好きな映画だと言うことです。
きっと、何歳になってもずっと好きだろうなと思う作品ですね。



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<『ロシュフォールの恋人たち』サウンドトラック>


イマジン

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『イマジン』(2012 ポーランド,ポルトガル,フランス,イギリス)
監督:アンジェイ・ヤキモフスキ
出演:エドワード・ホッグアレクサンドラ・マリア・ララ

ある日、イアン(エドワード・ホッグ)はリスボンにある視覚障害者たちのための診療所を訪れる。
彼はインストラクターとして、診療所の盲目の子供たちに“反響定位”を伝授するための授業を行う。
一方、隣室で引きこもっている女性エヴァ(アレクサンドラ・マリア・ララ)は、目が見えないにもかかわらず
つえなしで動けるイアンに興味を持ち……。 (シネマトゥデイより)

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ポルトガルのリスボンにある、視覚障害の児童を対象とした診療所が舞台です。
そこに現れたイアンという講師。
彼自身も目が見えないにも関わらず、彼は杖を使わずに自由に歩きまわります。
車が行き交う道路を普通に横切ったり、見えないはずの自転車の場所や今いる人の性別まで、彼には分かってしまうのです。
やはり子供たちは「本当は目が見えてるんじゃないの」と疑うわけで、そういう子には「ほら」と自分の目から義眼を取り出してその子の手に乗せてしまったりと、イアンは結構奇抜な先生なのでした。
そんな中、診療所にずっと引きこもっている一人の盲目の女性エヴァがいました。
彼女は授業にも出ることはありませんでしたが、イアンの存在に興味を持ち、徐々にみんなと関わりを持ち始めます。
しかし、診療所の職員たちは、彼のちょっと型破りな授業に少しずつ不信感を抱き始めます。
そして結果的に、彼はその診療所を出ていくことになります…


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とっても素敵な作品です。面白いとは言えませんけれど…
登場人物のほとんどは目が見えません。
でも、この映画を観て思ったのは、私たちが日常で感じることの何倍もの感覚で、盲目の人たちは日常に起こる色んなものを感じ取っているんだろうな、ということです。
主人公のイアンは、車のスピードを音で聞き分けることで大通りを横切ることが出来るし、指や舌を鳴らしてその反響で何がどこにあるかというのも認識できます。
実際にそんなことが出来るのかは分かりませんが、もしそうならすごいことですよね。

リスボンの傾斜のある街並みがとても素敵で、路面電車や狭い道に並ぶ建物の数々が夏の日差しにキラキラしています。
とあるカフェへ 、イアンがエヴァと共に訪れた時、彼は「近くに港がある」と彼女に話します。
その後同じ施設のセラーノという少年が、そのカフェの近くのオジサンたちに港のことを聞くと、この近くに港なんてない、と言われてしまうんですね。
でも、ラストでは、海は見えないけれど、そのカフェから大きな豪華客船が通り過ぎるのが見えるんです。
青い空の下に、豪華客船とリスボンの街並みが映し出されるラストは本当に素晴らしかったです。
そして、最後にまたイアンとエヴァが出会える、というのも素敵なエンディングでした。


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エール!

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『エール!』(2014 フランス)

フランスの片田舎の農家であるベリエ家は、高校生の長女ポーラ(ルアンヌ・エメラ)以外、全員が聴覚障害者。
ある日音楽教師トマソン(エリック・エルモスニーノ)に歌の才能を認められ、パリの音楽学校で行われる
オーディションを勧められたポーラは喜ぶものの、歌声を聴けない家族から反対される。
家族のコミュニケーションに欠かせないポーラは、考えた揚げ句……。(シネマトゥデイより)


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学校へ行くにも自転車でバスの停留所まで行って、そこからバスに乗って高校へ向かうという、結構な田舎町に
主人公のポーラは住んでいます。
家族は、両親と弟の4人家族。
早朝から牛の世話や何やらをしてから登校し、学校での授業はちょっと上の空で、講師の言うことにも素直に聞き入れないような女の子です。
通学のバスの中でも家の酪農などの仕事に関わる業者と電話をしたりと、高校生のわりに結構忙しい毎日を過ごしている様子。
なぜ彼女が業者と連絡を取るのかと思ったら、彼女以外の家族は耳が不自由だからなんですよね。
あまりにも彼女は家の仕事や家族たちに縛られていたのかもしれません。
そんな時に学校の授業でコーラスを選択したことで、彼女の才能が開花します。
担当の講師から歌の才能を見出され、パリで行われるオーディションを受けることになるのですが、家族は素直に喜ぶことが出来ません…


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ポーラという女の子のサクセスストーリーです。
その点も含め、フランスらしいニュアンスの映画とは言えませんが、ストーリーも分かりやすく、万人受けする作品ではないでしょうか。
『エール!』という邦題はあんまり好きではないです。

しかし、ポーラ以外の家族は、聴覚障害があるからといってネガティブに物事を考えたりしないところが素晴らしい。
父親が村長選挙に立候補したりするくらいですから。(ところでその選挙の結果ってどうなったんだろうか…)
前向きに考える姿勢は見習わねばならないと思います。

確かにポーラは歌が上手なのです。
でも、フランス語の発音もあると思いますが、「すっごく上手!」とまではいかないんですよね…
フランス語ってどうももたついた感じが否めません。でもそこが好きなんですけど…

フランスの田舎町をイヤフォンで音楽を聴きながら、自転車で駆け抜ける清々しさが印象的。
なんか夢があって、それを応援してくれる人たちがいるって素敵だな〜と思います。
そういえば自分も短大で家を離れる時ってあんな感じだったな〜と、泣いたり笑ったりするポーラの家族を見て
ほのぼのと家族っていいな〜と思いました。
そして、主人公の女の子がラストで見せる笑顔が最高に素敵でした。


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さざなみ

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『さざなみ』(2015 イギリス)
監督:アンドリュー・ヘイ
出演:シャーロット・ランプリング、トム・コートネイ、ジェラルディン・ジェームズ、ドリー・ウェルズ、他




シャーロット・ランプリングをスクリーンで見るのは今回が初めてでした。
もう、本当に美しいです。素敵です。
70歳にしてあのスタイル、そして細いジーンズが似合うって素晴らしいことですよ。
現役の女優さんで一番憧れる女優さんであり、自分自身も70歳になってもあんな女性になりたいと本気で
思います。
庭に佇んで煙草をふかすシーンなんて、もう考えられないくらいカッコいいんですから。
オープニングで、大きな飼い犬を颯爽と散歩させてるシーンも惚れ惚れといたします。


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さて、原題は『45years』とある通り、結婚45周年を迎えた夫婦を描いています。

結婚45周年を迎えたジェフとケイト。
週末にはそれを祝うパーティが予定されていました。
そんなときに届いたドイツからの一通の手紙。
そこには、50年前にスイスの氷山で行方不明になったジェフの元恋人の遺体が、このたび発見されたと書かれていたのです。
それからというもの、ジェフは夜中に屋根裏にしまっていた元恋人の写真を探したり、ケイトには内緒で街の旅行会社でスイス旅行について相談していたりと、常に彼は元恋人の面影を探していました。
目の前にいる妻の話や存在さえ上の空であるように。
ケイトは、そんな夫に対する苛立ちと、存在しない女性への嫉妬心を徐々に募らせていきます。


まず、鑑賞されている年齢層が高めで、私だけちょっと浮いてたかもしれません(^^;
でも、私の映画の好みの問題ですから特別疑問ではないですね。
ただ、この作品は70代の夫婦の話ですので、20代でさらに未婚の私が観たところで深く共感できたかと言えば
それは難しかったです。
45年もの時間を他人と二人で過ごしてきた感情というの私には理解できませんが、それはとても深いものなのでしょう。


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ネタバレになりますが、
ある日、妻のケイトは屋根裏に保管されていた夫と元恋人が写った写真を見つけます。
写真をスクリーンに映写すると、そこに映し出された元恋人のお腹が明らかに大きいのです。
たぶん、ジェフとの子を身ごもっていたのだと思いますが、ケイトとジェフの間に子供はいません。
それが彼女にとっての後ろめたさだっただろうし、それがジェフに対する不信感を抱かせる決定打となりました。
ラストのパーティのスピーチで、ジェフはケイトと結婚できたことに感謝すると、こんな自分を長い間支えてくれ有難うと、そして愛している、と言います。
もちろん、その場でケイトは笑みを浮かべ微笑むのですが、それは本心ではありませんでした。
夫は過去を捨てて前へ進もうとしているようですが、妻はその決定的な真実を夫に突きつけることなく、心の奥底でずっと憎しみ続けるのだろうと、ラストの彼女の表情が物語っていました。
このラストの続きがどうなったのか気になる所ですが、結局は二人で今まで通りの生活をしていかざるを得ないのでしょう。

ジェフにしてみれば、50年も昔の恋人の話を開けっぴろげに話すことに罪はないと思っているのかもしれません。
でも、妻が「彼女が死ななければ彼女と結婚した?」と夫に聞くと「そのつもりだった」と答えるんですよ。
そりゃないわ〜と内心つぶやいてしまいましたけれども…
しかも、氷山で見つかった元恋人の女性は、50年前の20代のままの姿で発見されるんです。
そんな若くで亡くなった女性の思い出を相手にするのは、浮気以上にやっかいなことだと思います。


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シャーロット・ランプリングの抑えた演技がとても良かったです。
彼女はセリフよりも、表情などの姿で魅せる女優さんのように思います。
夫婦でダンスするシーンやパーティーのシーン以外で彼女が笑うシーンなんてなかったのでは?と思うほどに
冷めた表情のオンパレードでした。
口もとは笑っていても目元は絶対笑ってない。そんな彼女がクールで好きです♪
トム・コートネイも、ちょっと痴呆がはいってるかな?と思われるほど、ボヤ〜っと空(くう)を見つめる感じがいたって自然でした(笑)

でも、この映画は主演の二人を知らない人はわざわざ観に行かない作品だと思います。
私はランプリングが好きだから観に行きましたが、彼女が出演していなければ鑑賞しなかったことでしょう。
しかし、夫婦の在り方について、家族やその他色々なことを考える良い作品でした。
観終わった後は何か不思議な空虚感を感じる作品でもありました。




エヴァの告白

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『エヴァの告白』(2013 アメリカ)
監督:ジェームズ・グレイ
出演:マリオン・コティヤール、ホアキン・フェニックス、ジェレミー・レナー、ダグマーラ・ドミンスク、他

1921年、エヴァとマグダの姉妹は、ポーランドからの移民としてニューヨークにやってきた。
しかし、入国審査の時、妹のマグダが結核と診断され病棟施設に隔離されてしまう。
妹と離れ離れになってしまった姉のエヴァは、偶然ある男と出会うのだが…

というあらすじなのですが、映画としては地味な部類に入る作品だと思います。
でも、とても良い作品でした。


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エヴァという女性を中心に描かれているのですが、彼女は明らかに幸せに恵まれていません。
妹と離れ離れになって、その後彼女自身も祖国へ強制送還されそうになったところを、偶然出会ったホアンキン・フェニックス演じるブルーノという男性に助けられます。
しかしエヴァは、彼が勤める劇場で踊り子として、さらには妹を助けるための資金調達の為に娼婦として働きだすことになるのです。
観ている方としては非常に気の毒に思うのですが、なんだか彼女の生まれながらの幸の薄さに若干あきらめも感じられるんですね。
当時の世の中がどんなものだったか分かりませんが、祖国の戦火から逃れ異国の地に幸せを求めてやってきたとしても、頼るあてのない者にとっては苦労は絶えないし決して幸せになれる保証もないのかもしれないと感じました。
今のヨーロッパの移民問題もそうですが、大変な思いをしてヨーロッパを目指しても受け入れを拒否されるなど、やはり難民の人に対する対応は厳しいようです。


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エヴァを演じたマリオン・コティヤールの美しさに感動です。
あの悟ったような瞳と、影を背負ったような佇まいに心惹かれない人はいないのではないかと思います。
自ら不幸を招いているような、そんないたたまれない雰囲気を醸しています。
でも、確実に彼女は自分自身の美貌に気付いていると思います。
でなければあんなオーラは出せません(笑)
笑った表情なんて記憶にないくらいに気だるい表情ばかりなのですが、それがまた美しかったですね。

最初に出会ったブルーノは、短気で支配欲があって、銃を所持しだすようなちょっと怖くて面倒くさい男性。
でも、彼は本当にエヴァを愛していたし、見た目とは裏腹に繊細な心を持っていた人物なのでは、と思います。
次に現れるのがマジシャン風?のジェレミーという男性。
パッと見はそんなに悪くないのですが、でもちょっとチャラくて軽薄な印象の人物です。
彼はブルーノといとこ同士で、過去に女性関係でモメたことがあった様子。
その経験からブルーノはジェレミーを嫌っていて、絶対にエヴァを取られたくないと思うわけですね。
でも結局のところ、エヴァにとってどちらを選んだとしても幸せには恵まれないだろうな〜と思ってしまうのです。


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「祈りは叶わず、希望はつぶされ、愛に裏切られ、ただ生きようとした。それが、罪ですか――。」

映画の冒頭で自由の女神像が映されます。
当時のヨーロッパからの移民にとって、アメリカで最初に降り立つ土地がエリス島という島だったのだそうです。
そして、ニューヨーク湾から見えるリバティ島の自由の女神像を見ながらエリス島に到着したのだそうです。

ラストでエヴァはブルーノと別れ、新たな土地を目指すことになります。
エヴァが本当の幸せを手に入れることを、観ている方は望まざるを得ませんでした。




なずな

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堀江敏幸の『なずな』を読み終えました。
以前『河岸忘日抄』のことをちょっと書いた記憶があるのですが、『河岸忘日抄』もすでに読み終えています。

私は、小説を一気読みするというよりは、たま〜に乗る電車で読んだり、何かの待ち時間に読んだり、寝る前に読んだり、ただ気が向いたら読む、という感じで読み進めるので非常に時間をかけて読むことになってしまいます。
『なずな』も夏に読みだして先週読み終わったので、読み終えるまでにかなり時間かかってます(^^;




『なずな』は、地方の新聞記者の40代独身男性が、事情があって弟夫婦の赤ちゃん(なずな)を預かることになるお話です。
姪っ子を預かり初めての育児に奮闘するのですが、彼一人ではなく、病院の先生やその家族、大家さんや、飲食店の常連さんなど、周りの人々に見守られ助けられながら、なずなは成長していきます。
私自身育児なんてしたことはありませんが、同級生が母親になっていく様子を見てうんざりしている今日この頃です…(笑)
しかし、『なずな』で描かれているのは、母親が子に対する視線ではなく、伯父が姪っ子に対する視線だからこそ私はほのぼのと読めたのかも知れません。

堀江さんの本はどれも心が落ち着きます。
素朴な日常を切り取って、何気ないほんのちょっとした日々の出来事が、こんなにも瑞々しくて豊かなんだな〜と
感じさせてくれるのです。
淡々と綴られる文章や登場人物たちのちょっと冷めた言い回しなどは、映画で言うと、小津安二郎のイメージに重なります。
温かい人情も感じるのですが、主人公はどこか無表情で冷めた印象を感じさせるからかもしれません。
でもそういうキャラクターが私は好きです。
友栄さんという女性との恋愛関係とまでも呼べない微妙な関係性もよかったです。

「私は守っているのではなく、守られているのだ、この子に。なずなに。」

チャイルドシートがどうとか、風力発電やゲートボールや囲碁がどうとか、小さな街のどうってことのない出来事、人々の心の些細な変化などが素敵な文章で語られます。
広い範囲ではなく、ほんのごく小さな範囲での出来事を描きながら、そこには無限の幸せが広がっている気がするのです。
まだ会話もできない赤ん坊に話しかけることがどれだけ幸せか…
そんな幸せを私に伝えてくれる物語でした。


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『戦場のメリークリスマス』(1983日本/イギリス/オーストラリア/ニュージーランド)
監督:大島渚
出演:デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけし、トム・コンティ、ジャック・トンプソン、ジョニー大倉、 内田裕也

1942年、日本統治下にあるジャワ島レバクセンバタの日本軍俘虜収容所で、朝鮮人軍属カネモトがオランダの
男性兵デ・ヨンを犯す。
日本語を解する俘虜(捕虜)の英国陸軍中佐ジョン・ロレンスは、ともに事件処理にあたった粗暴な軍曹ハラと
奇妙な友情で結ばれていく。
一方、ハラの上司で所長の陸軍大尉ヨノイは、日本軍の背後に空挺降下し、輸送隊を襲撃した末に俘虜と
なった陸軍少佐ジャック・セリアズを預かることになり、その反抗的な態度に悩まされながらも彼に魅せられて
ゆく。
同時にカネモトとデ・ヨンの事件処理と俘虜たちの情報を巡り、プライドに拘る空軍大佐の俘虜長ヒックスリー
と衝突する。
東洋と西洋の宗教観、道徳観、組織論が違う中、各人に運命から届けられたクリスマスの贈りものが待って
いた。
(wikipediaより)

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鮮烈で素晴らしい映画でした。
第二次世界大戦末期のジャワ島を舞台に、日本軍とその捕虜となった英国軍人たちの交流を描いています。
戦争映画であるにも関わらず戦闘シーンはまったくありません。
しかし、両者は憎み合いながらも、互いに歩み寄ろうとする姿勢も感じられ、どこか不思議な映画でした。

主な登場人物は
ジョン・ロレンス:トム・コンティ
ジャック・セリアズ:デヴィッド・ボウイ
ヨノイ大尉:坂本龍一
ハラ軍曹:ビートたけし

ジャワ島のほぼジャングルと言えるほどのうっそうとした山岳地帯にある日本軍捕虜収容所。
何百人もの捕虜が収容されているなかで、英国陸軍のロレンスは日本語が話せることもあり、日本軍、特に
ハラ軍曹からの信頼は厚かったのです。
そんな折、新たに捕虜としてやって来たのがセリアズでした。
セリアズは捕虜であるにも関わらず日本軍に対して挑戦的な態度を取ります。
そんな彼のどこか儚げな姿が、ヨノイ大尉含め周りの者を魅了します。


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セリアズの美しい容姿にヨノイ大尉は魅せられたのだとは思いますが、ただそれだけではなかったはずです。
セリアズは過去の弟に対する仕打ちを後悔していること、そしてそのはけ口として戦争に命を賭けています。
ヨノイ大尉は二・二六事件に参加できなかったことで、死に遅れたと悔やんでいます。
二人はお互いに通じ合う所があり、だからこそヨノイ大尉はセリアズに惹かれたのだと思います。

やはり一番インパクトがあったのは、セリアズがヨノイ大尉の頬にキスするシーンでしょうか。
あの坂本龍一の正面アップの表情は凄くいい。
画面が揺れているのはワザとではなく、機械の具合で揺れてしまったらしいですが、彼の何とも言えない表情が
ぼやけていることで、内面の気持ちまでもが伝わってくる素晴らしいシーンでした。
そのあとヨノイは卒倒してしまいますが、卒倒するってこういうことを言うんだと思うほどの卒倒ぶりでした。
セリアズも捕虜の身でそんな行動をしたらどうなるのか分かっていたはずなのに、そして、ヨノイも彼がそんな行動を取ったことで処罰されることは確実だと悟ったその切なさがあのシーンからは充分に伝わってきました。


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また、デヴィッド・ボウイに坂本龍一、ビートたけしなどの一見まとまりのないように思える配役…
それなのに、観てみるとなんて素晴らしい一体感だったでしょうか。
坂本龍一の演技は酷評されたようですが、個人的にはとても良かったと思います。
ただ、セリフが聞き取りづらい…
ロレンスを演じたトム・コンティの日本語のセリフくらい聞き取りづらい…(^^;
日本語のセリフにも字幕が欲しかったですね。
あと冷静に見るとメイクが濃くって、そこでシラケてしまった人もいるのではないかと思うほどでした。
しかし実際のところ、地味に一番良い演技をしていたのはトム・コンティだったと思います。
彼の落ち着いた雰囲気が映画にまとまりを持たせていたように思います。
デヴィッド・ボウイは真っ直ぐな気持ちが素敵でしたし、パントマイムのシーンや花を食べたりする辺りはちょっとエキセントリックな感じが出ていました。
そして、ヨノイの感情を手玉に取った行動にも嫌味が無かったですね。
ビートたけしの粗暴な役柄は非常に合っていました。彼はラストシーンに尽きます。


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観るまでは、戦争映画だからもっと残酷で見るに堪えない映像ばかりなのではと思っていました。
しかし、戦って血を流す映像だけが戦争映画では無いのですよね。
本当に当時の様子を再現できているのかは分かりませんが、互いが敵同士であったとしても、そこには人情や友情があり、戦争の時代を生きる人間として仕方なく死を選んだり、恥を忍んだりして生きて行かざるを得なかった苦しみが伝わってきました。
兵士が自殺すると故郷に居るその人の家族に恩給が下りないから、戦死と処理したりするのもある意味では人情だと思いました。

当時の兵士たちが日々何を想い、何のために生きていたのか、そんなことを不思議と考えました。
虐げる者がいて虐げられる者がいる戦場ですが、結果的にはどちらも戦争の犠牲者なのです。
なにはともあれ、初めて観た大島渚監督の作品が今作でしたが、非常に凄い監督だと改めて思いました。
あと有名な坂本さんのテーマ曲含めその他の楽曲も素敵でした。


【予告編】



やはり観た映画の印象を文章で表現するのには限界がありますね。
良かったところとか、言いたいこととか色々あるのですが、素晴らしくまとまりのない文章にしかなりません…(^^;


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『あの頃エッフェル塔の下で』(2015 フランス)
監督:アルノー・デプレシャン
出演:マチュー・アマルリック、カンタン・ドルメール、ルー・ロワ=ルコリネ、アンドレ・デュソリエ

長い海外生活を終えて故郷フランスへ戻ることになった外交官で人類学者のポールは、パスポートに問題が
見つかり空港で止められてしまう。
自分と同じ名前のパスポートを持つ男に共産圏のスパイ疑惑がかけられていると聞いたポールは、心の奥に
しまい込んでいた青春時代の思い出を呼び起こしていく。
決して平凡とは言えなかった少年時代、危険に満ちたソ連への旅、そして憧れの女性エステルとの恋。
パリの大学に通うポールと故郷リールで暮らすエステルは、互いを思いながら毎日のように手紙を書きつづって
いた。
数十年ぶりにエステルからの手紙を読み返したポールは、ある真実に気づく。
(映画.comより抜粋)

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主人公の回想形式で綴られる青年時代の恋愛物語。
現在と過去を織り交ぜながら話は進むため、少々断片的な印象を受けました。
観終わった後も、どこかすっきりしないもどかしさがありますが、いろんなシーンがなぜか心に残る映画でした。

ただ、個人的に好きな映画とは言い難いです。
その理由は、ポールとエステルが互いのみを想い合っていれば一途な恋物語として納得できたでしょうが、
二人はお互い以外の異性とも付き合っていたというのがちょっと理解できませんでした。
ポールはパリの大学に通い、エステルは故郷の田舎町で暮らすという遠距離恋愛だったからかもしれませんが、ちょっと誠実さに欠ける二人の行動には違和感を覚えます。
しかし、その二人の不安定さがこの映画の良さであるとも思います。
爽やかな恋愛映画と思って観たらいけませんね。


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途中でつまらないと感じたことも確かですが、ありきたりなストーリーをここまで印象的な作品にできるのだと感じたことも確かです。
さほど明るい映画ではありませんが、観ている時よりも観終わってから心に響いてくる感じは心地よいですね。
ただ、そんなにきわどいシーンを多用しなくても映画としては成り立ったのでは、と思うのですが…
その点が残念でした。

また、主に1980年代を舞台にしているので、二人のやりとりはほとんどが手紙でした。
今では電話やメールも当たり前ですぐに連絡を取れる時代。
落ち込む彼女を慰めるには今書くこの手紙が着くのは遅すぎる、といったセリフもありました。
手紙は書く人の筆跡から温かみが感じられるのだと思うし、それが届くのを待つ時間が良いのだとも思います。
個人的に、メールなどの機械的な字体だといくら素晴らしい内容であっても冷たく感じてしまいますね。
二人の埋めることが出来ない愛情に切なさや儚さを感じました。


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いくら若い頃を振り返ってもその時代に戻ることは絶対にできない…
そんなどうしようもない考えに思いをめぐらすのが人生なんでしょうか。

マチュー・アマルリックは好きな俳優さんで、今回出演シーンは少なかったですが、やはり良い俳優さんだと思いました。
愛嬌のある表情がどうしても好きなんですよね。
また、女子から嫌われるけど男子からは好かれるエステルの魅力には見習うところが多々ありました(^^;


【予告編】



今回、テアトル梅田にて鑑賞しました。
県外の映画館は初めてでしたが、こじんまりとした空間や上映作品のセンスもなかなか良いと思います。
以前は映画を自宅で観るのが好きでしたが、最近はよく劇場で鑑賞することが多くなりました。
その場の雰囲気や臨場感を楽しめるようになったのだと思います。
他にもいろんな映画館を訪れるのも楽しそうですね。


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