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『スタア誕生』(1954 アメリカ)
監督:ジョージ・キューカー
出演:ジュディ・ガーランド、ジェームズ・メイスン、ジャック・カーソン、チャールズ・ビックフォード、他
有名な映画スターとして活躍していたノーマン・メインは、映画基金募集ショーの舞台に酔って飛び出してしまう。醜態をさらすと思われたが、出演していたジャズ歌手エスターが機転を利かせて上手くとりなしてくれた。
その夜、エスターに映画出演を勧めたノーマンは、翌日、彼女を相手役に抜擢。
出演した映画も大ヒットしエスターはスター女優の切符を手にした。
そして、ノーマンと結婚。
すべてが順調に行くかと思われたが、エスターが名声を得る一方、ノーマンの人気はかげりはじめ、
酒におぼれる日々が...。
(Amazon『スタア誕生』内容紹介より)
引き続きジェームズ・メイスンの出演作で申し訳ないのですが、凝り性(!?)なもので、気に入ったらとりあえず
「観れる範囲で全部観る」をモットーにしているのでご了承ください(^^;
バンド歌手・エスターが有名な俳優・ノーマンに見出され、スターへの道を歩んでいくというストーリー。
しかしその二人が結婚してしまったのが、互いにマズい結果を生んでしまうんですね。
エスターが徐々に売れ始めていくのとは正反対に、ノーマンの人気は次第に落ちてきます。
彼はアルコール依存でもあり、それを彼女は愛情でどうにかできると思っていました。
しかし、彼は撮影所を解雇されたのを機にお酒ばかり飲む生活に陥り、ついには療養所に入所するほどの廃れた人物になってしまうのでした。
エスターは人気絶頂の時期にも関わらず、仕事を辞め、彼とどこかで暮らすのだと、撮影所長に話します。
その会話を聞いていたノーマンは、ある行動に出ます・・・
(以下、結末に触れていますよ・・・)
ジュディ・ガーランドの歌声は本当に素晴らしい、そして可愛い。
ミュージカル的な映画であるため、彼女の歌うシーンが色んな所に出てきます。
その圧倒されるほどの声量は彼女の天性のものだと思うのです。
特に「Swanee」のシーンが一番好きです。
ハツラツとしてキラキラ輝く彼女はまさにスタアそのものでした。
しかし、それとは対照的に描かれるのが、ジェームズ・メイスン演じるノーマンです。
彼は撮影所の看板スタアでしたが、アルコールによる素行の悪さが目立つようになり、徐々に人気は落ち込んでいきます。
エスターと結婚し、彼の見込み通りスタアとなった彼女は、彼にとっての誇りであり、それと同時に彼自身の落ちぶれた姿を認識させるには十分な存在だったのです。
彼女を見出したころのスタアのオーラは消え、みすぼらしい姿で警察に捕まったり、オスカーを手にした彼女の
スピーチの場もぶち壊すありさま。
しかし、エスターにとってノーマンはスタアへの道を切り開いてくれた恩人であることに違いありませんでした。
いくら彼が憎くても、彼女は彼を愛していました。
そして彼も彼女を愛していました。
彼女を永遠のスタアにするために彼が選んだのは、自らの死でした。
仕事が無くなって家にいる彼が、彼女の為に夕食を作って待っている場面があります。
帰ってきた彼女は今撮っている映画の場面を実演するのですが、互いが互いを励ましているような、
二人でいる時も、自分自身の本来の姿ではない誰かを演じているように見えました。
終盤で、ノーマンの死に打ちひしがれ、その日の舞台出演を拒むエスターに友人が言うセリフ。
それは、この映画そのものを語っているようでした。
君はノーマンがこの世に贈った贈り物だ。
酔いどれだったが、君を愛し自ら破壊した生涯で君だけを誇りにしてた。
君への愛と君の成功だけが彼の宝物だった。
彼は自分自身それを知ってて、人に誇れるその宝だけは破壊しなかった。
なのに君は彼を裏切り、彼が残したたった一つのものを彼の後から海に捨てようとしてる。
彼は君を残した。
君が自分を捨てたらどうなる。
ノーマン・メインは無になる。
そしてその後の舞台で彼女が言った「皆さま、私はノーマン・メインの妻です」というセリフ。
そのエンディングは、彼女が本物のスタアになった瞬間のように思えました。
終盤は感動的で、スタアがスタアであるための苦悩と喜びを感じさせられる映画でした。
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素敵なレヴューですね。
これも少し前に観ていたのですが、展開はあまり覚えていませんでした。
でも、丁寧に書いて下さった友人の言葉と彼女の舞台でのセリフのお蔭で、
ラストの部分を思い出すことができました。
いい作品でしたね。
「ジュディ・ガーランドの歌声は本当に素晴らしい、そして可愛い。」同感です。
「Swanee」、良かったですね♪
2014/8/11(月) 午後 10:24
こんばんは。
ほんとにヴィジュアル派ですね。
この映画は未見ですがおそらくジュディ・ガーランドの歌が良かった
のでしょうね。物語は「ライムライト」「黄昏」などと少し似ていますね。
メイスンつながりとは面白いですね。
2014/8/12(火) 午後 8:33 [ hisa24 ]
alfmomさん、こんばんは。
ありがとうございます。
以前ご覧になられたことがあるんですね。
単純なストーリーなのですが、その中ではスタアだからこその苦悩が描かれていました。
そして、優雅に思える人気俳優たちであっても、その笑顔の影には辛い生活が隠されていました。
ラスト近くで語られた友人のセリフが一番印象深かったですね。
良い映画の締めくくりでした。
ジュディ・ガーランドの歌声は「ザッツ・ エンタテイメント」で耳にしたことはありましたが、彼女の出演作は今回がはじめてでした。
体全体で歌っているような力強さと完璧な音程、そして軽やかなダンスは観ていて拍手したくなるほどでした。
本当に素晴らしいミュージカル女優ですね〜
2014/8/12(火) 午後 10:32 [ tammy ]
hisa24さん、こんばんは。
たしかに映像重視の華やかな映画です。
しかし、彼らの表には出さない辛さや悲しみも描かれています。
特にこの映画を一番楽しめるのは、ジュディ・ガーランドのミュージカルシーンですね。
本当に彼女の歌声は素晴らしいですね〜
「ライムライト」「黄昏」はどちらも未見ですが、あらすじを検索してみたところ本作とよく似ていますね。
助けた本人が次第に落ちぶれていくというのはよくある題材なのかもしれません。
それだけ誰が観ても感情移入できる内容なのでしょうね。
ジェームズ・メイスンにハマっていまして、観れるものはとりあえず観ています(^^;
まだまだ引き続くかもしれませんよ(笑)
2014/8/12(火) 午後 11:01 [ tammy ]
最近のNHKの再放送では「ノーマンメイン夫人でございます」となっていた。自分で自分のことを「夫人」と言うか?芸のない翻訳者ですね。小学生じゃあるまいし、直訳する馬鹿がどこにいる!
2016/12/10(土) 午前 11:14 [ xyw*j4*8 ]