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『さざなみ』(2015 イギリス)
監督:アンドリュー・ヘイ
出演:シャーロット・ランプリング、トム・コートネイ、ジェラルディン・ジェームズ、ドリー・ウェルズ、他
シャーロット・ランプリングをスクリーンで見るのは今回が初めてでした。
もう、本当に美しいです。素敵です。
70歳にしてあのスタイル、そして細いジーンズが似合うって素晴らしいことですよ。
現役の女優さんで一番憧れる女優さんであり、自分自身も70歳になってもあんな女性になりたいと本気で
思います。
庭に佇んで煙草をふかすシーンなんて、もう考えられないくらいカッコいいんですから。
オープニングで、大きな飼い犬を颯爽と散歩させてるシーンも惚れ惚れといたします。
さて、原題は『45years』とある通り、結婚45周年を迎えた夫婦を描いています。
結婚45周年を迎えたジェフとケイト。
週末にはそれを祝うパーティが予定されていました。
そんなときに届いたドイツからの一通の手紙。
そこには、50年前にスイスの氷山で行方不明になったジェフの元恋人の遺体が、このたび発見されたと書かれていたのです。
それからというもの、ジェフは夜中に屋根裏にしまっていた元恋人の写真を探したり、ケイトには内緒で街の旅行会社でスイス旅行について相談していたりと、常に彼は元恋人の面影を探していました。
目の前にいる妻の話や存在さえ上の空であるように。
ケイトは、そんな夫に対する苛立ちと、存在しない女性への嫉妬心を徐々に募らせていきます。
まず、鑑賞されている年齢層が高めで、私だけちょっと浮いてたかもしれません(^^;
でも、私の映画の好みの問題ですから特別疑問ではないですね。
ただ、この作品は70代の夫婦の話ですので、20代でさらに未婚の私が観たところで深く共感できたかと言えば
それは難しかったです。
45年もの時間を他人と二人で過ごしてきた感情というの私には理解できませんが、それはとても深いものなのでしょう。
ネタバレになりますが、
ある日、妻のケイトは屋根裏に保管されていた夫と元恋人が写った写真を見つけます。
写真をスクリーンに映写すると、そこに映し出された元恋人のお腹が明らかに大きいのです。
たぶん、ジェフとの子を身ごもっていたのだと思いますが、ケイトとジェフの間に子供はいません。
それが彼女にとっての後ろめたさだっただろうし、それがジェフに対する不信感を抱かせる決定打となりました。
ラストのパーティのスピーチで、ジェフはケイトと結婚できたことに感謝すると、こんな自分を長い間支えてくれ有難うと、そして愛している、と言います。
もちろん、その場でケイトは笑みを浮かべ微笑むのですが、それは本心ではありませんでした。
夫は過去を捨てて前へ進もうとしているようですが、妻はその決定的な真実を夫に突きつけることなく、心の奥底でずっと憎しみ続けるのだろうと、ラストの彼女の表情が物語っていました。
このラストの続きがどうなったのか気になる所ですが、結局は二人で今まで通りの生活をしていかざるを得ないのでしょう。
ジェフにしてみれば、50年も昔の恋人の話を開けっぴろげに話すことに罪はないと思っているのかもしれません。
でも、妻が「彼女が死ななければ彼女と結婚した?」と夫に聞くと「そのつもりだった」と答えるんですよ。
そりゃないわ〜と内心つぶやいてしまいましたけれども…
しかも、氷山で見つかった元恋人の女性は、50年前の20代のままの姿で発見されるんです。
そんな若くで亡くなった女性の思い出を相手にするのは、浮気以上にやっかいなことだと思います。
シャーロット・ランプリングの抑えた演技がとても良かったです。
彼女はセリフよりも、表情などの姿で魅せる女優さんのように思います。
夫婦でダンスするシーンやパーティーのシーン以外で彼女が笑うシーンなんてなかったのでは?と思うほどに
冷めた表情のオンパレードでした。
口もとは笑っていても目元は絶対笑ってない。そんな彼女がクールで好きです♪
トム・コートネイも、ちょっと痴呆がはいってるかな?と思われるほど、ボヤ〜っと空(くう)を見つめる感じがいたって自然でした(笑)
でも、この映画は主演の二人を知らない人はわざわざ観に行かない作品だと思います。
私はランプリングが好きだから観に行きましたが、彼女が出演していなければ鑑賞しなかったことでしょう。
しかし、夫婦の在り方について、家族やその他色々なことを考える良い作品でした。
観終わった後は何か不思議な空虚感を感じる作品でもありました。
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