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(広島市上空、周囲を山に囲まれた地形)
広島市北部を襲った集中豪雨。 被害はさらに拡大し、これまでに39人の死亡が確認されました。 ◆なぜこれほどまで被害が拡大したのか? ①経験したことのない大雨 安佐北区三入では3時間で観測史上最多となる 217.5ミリの雨が降りました。 この地での8月ひと月分の雨量が143ミリで、そのおよそ1.5倍にあたる 量の雨がわずか3時間で降ったことになるわけですから、がけ崩れなどの災害が 発生するのは当然のことかと思われます。 ただ、発生した土砂災害の規模は相当なものでした。 ②貧弱な地盤 中国山地は花崗岩の山です。 花崗岩は、雨や風などで風化すると真砂土と言われるサラサラした土へと変化します。 この真砂土、水分を多く含むと崩れやすく流れ出しやすい性質があるのです。 広島の山には真砂土が特に多く、広島市安佐北区と安佐南区では土石流と がけ崩れという異なる2種類の土砂災害が25か所近くで発生しているとのことです。 ③山と住宅地 広島市は過去数十年間の人口急増に伴い、 山裾まで宅地開発を進めてきました。 今回、被害に見舞われた地区も山と住宅地が隣り合わせになっています。 もろい地盤の山と住宅地・・・ 大雨になれば、大量の土砂が住宅まで押し寄せる恐れがあることは 宅地開発の時点で想定できたことでしょう。 とはいえ、開発に規制をかけるのは難しい現状があります。 というのも、広島市は河川が形成したデルタ状の地形となっており、 平地が少ないため、山裾まで開発せざるをえなかった事情があったのです。 ④真夜中の悲劇 雨が強まったのは多くの人が寝静まった未明でした。 そのため、雨の音や土砂災害の前兆など周囲の異変に 気づきにくかったのではないでしょうか。 寝ていたところに土砂が押し寄せ生き埋めになるケースが 多かったようです。 ◆豪雨当時、気象庁と自治体はそれぞれどのような対応をとったのか? 気象庁⇒豪雨の範囲が「府県程度の広がりがない」ということで 大雨特別警報は出さず。警報どまり。 自治体⇒午前4時に遅めの避難勧告発表。 つまり、雨が最も酷かった未明は、大雨警報が発表されており、 避難勧告は出ていなかったということになります。 もし、未明に大雨特別警報も避難勧告も出されていれば 被害を食い止めることはできた? そうとも限らないでしょうね。 確かに出さないよりかは出した方がマシ。 でも、外は真っ暗で猛烈な雨も降っており、 そんな状況のなかはたして住民の方々はきちんと避難することができるのか疑問です。 きちんと安全に避難をするためには、 前日夜の時点で豪雨の予測ができている必要がありました。 しかし、それもまた難しい話です。 今回は積乱雲が広島市北部というごく限られた地域で帯状に発達しました。 その帯の幅は15〜20キロという狭さ。 このような非常に狭い範囲で次々と発生、発達する積乱雲を予測するのは まず不可能なのです。 予測不能な豪雨に対応するためにはどうすれば良いのか? 常日頃から防災意識を高めておくのです。 広島では大規模な土砂災害が発生したのは今回ばかりではありません。 今から15年前の1999年6月にも梅雨の大雨により広島市北西部や 呉市などで斜面崩壊や土石流が発生して家屋倒壊などの被害が相次ぎました。 この時は、今回被害に見舞われた地区ではほとんど被害が出なかったそうですが、 「あの時大丈夫だったから今回も大丈夫」などというようなことは決してありません。 だいいち絶対に崩れない山などは存在しません。 裏手が山の斜面となっている家にお住まいの方は、雨が大量に降れば 斜面が崩れる恐れがあるのを覚えておくことが大切です。 さて、きょうも西日本から東北にかけて大気の状態が不安定となっており、 東北では局地的に激しい雨も降りました。 このあとは広島でも雨が降りやすくなり、降り方の強まる心配があります。 まだ土壌には大量の雨水が含まれており、少しの雨でも土砂災害の恐れ。 警戒してください。 |
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2014年08月21日
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