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昨年2013年8月30日に特別警報の運用が始まり、きょうで1年が経ちました。 特別警報とは、警報の基準をはるかに上回り、数十年に一度の災害の 起こる恐れが高まった際に発表されるものです。 この1年で特別警報が発表されたのは3事例ありました。 昨年9月、京都府、福井県、滋賀県に「大雨特別警報」、今年7月、沖縄本島と 宮古島に「大雨・波浪・暴風・高潮特別警報」、そして今月、三重県「大雨特別警報」。 しかし、これら以外にも特別警報が発表されてもおかしくない状況であったにもかかわらず、 発表されなかった事例もありました。 見えてきた特別警報の課題とは一体何なのでしょうか? (1)対応できない局地的豪雨 昨年10月の伊豆大島豪雨と今回の広島豪雨、ともに50年に一度クラスの 大雨になっていたものの、特別警報は発表されませんでした。 これは、大雨特別警報の発表基準のひとつ「50年に一度の値を超過した格子が 府県程度の広がりをもつ」に該当しなかったためです。 府県程度の広がりとは、まさに文面通りその府県の広い範囲にわたっていること。 つまり、市町村単位で50年に一度クラスの大雨になっていてもダメなんです。 特に海に囲まれた島嶼部では周囲(海上)に観測点がなく、府県程度の広がりとは ならないこともしばしば。 そこで島嶼部にはこんな措置がとられています。 たとえ周辺地域がそうでなくても、ある島のみで局地的に50年に一度クラスの大雨に 見舞われた場合、 ・気象台長等からその市町村長に直接連絡し、危険感を自治体と共有する ・府県気象情報に、たとえば「○○島で50年に一度の記録的な大雨となっている所があります」と いった形で、住民の方々にも危険感を伝える 局地的豪雨が予測できない以上、特別警報の対象を市町村単位に絞ることも難しいのが現状。 特別警報がすべてと考えるのではなく、記録的短時間大雨情報や土砂災害警戒情報など 他の情報にも注意を払うことが大切だと思います。 (2)想定外?太平洋側の豪雪 今年の2月14日から15日にかけて関東甲信で歴史的な大雪となり、 甲府で114センチ、前橋で73センチ、熊谷で62センチ、東京都心で27センチの 積雪を記録しました。 府県程度の広がり(というより地方程度の広がりとでもいうべきか?)かつ、 内陸部中心に50年に一度の値の2倍以上に達する積雪であったにもかかわらず、 特別警報は発表されませんでした。 これは、大雪特別警報の発表基準のひとつ「警報級の降雪が丸1日以上降り続く」に 該当しなかったためです。 でも、よく考えてみると、太平洋側で雪が丸1日以上降り続くこと自体まずないんですよね。 ましてや警報級の雪なんて・・・。 主に日本海側の降雪は冬型気圧配置で、太平洋側の降雪は南岸低気圧。 確かに日本海側なら冬型が持続すれば警報級の雪が数日続くことはあるでしょうが、 太平洋側は南岸低気圧が通過したら降雪は終了、数日降り続けることはありません。 滅多にないことだからこその特別警報なのかもしれません。 しかし、いくらなんでも降雪のメカニズムが大きく異なる日本海側と太平洋側で 基準を一律に設定するのは無理があるように感じます。 太平洋側向けに新たな発表基準を設ける必要もありそうです。 たとえば、「降り続く」にこだわらないとか。 特に雪に不慣れな太平洋側の場合、「時間」よりも「量」だと思います。 たとえ短時間であっても量が多ければ社会への影響は大きいのです。 (3)低い認知度 気象庁は昨年11月21〜24日にかけて日本全国に在住の20歳を対象に 特別警報の認知度等に関する調査を行い、その結果を今年3月28日に発表しました。 それによると、「特別警報」という言葉を見たこと・聞いたことのある人の割合は62.3%。 また、特別警報を「重大の災害の起こる恐れが著しく大きいことを警告する情報」と理解していた 人の割合は41.3%という結果だったそうです。※サンプル数は2800 この数値が大きいと感じるか小さいと人それぞれでしょうが、私はけっして多くはないと思います。 4割の人が見たこと聞いたことすらない・・・ 見たこと聞いたことはあっても正しく理解できていない人が少なからずいる・・・ 情報を出す側が被害を食い止めるためにどんなに頑張っていても、情報を受ける側が 全くの無知では意味がありません。 情報を受ける側にもきちんと使命があって、それは特別警報のみならず様々な情報の 意味を正しく理解することなのではないでしょうか。 見えてきた様々な課題。今後が期待されるところです。 |
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2014年08月30日
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