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日本列島には強い寒気が流れ込んでいます。 北海道では雪となった所があり、内陸部を中心に積雪となっています。 また、本州各地も朝晩の冷え込みが厳しく、宮城県や福島県、それに九州各県には 「霜注意報」が発表されています。 あす朝も10℃を下回る冷え込みとなる所が多くなり霜の降りる所もありそうですから、 農作物の管理に注意してください。 さて、今後はもしかすると沖縄にも霜注意報、あるいは低温注意報が 発表されることがあるかもしれません。 沖縄と言えば、冬でも暖かいイメージが強く、霜や低温とは無縁なようにも思えます。 しかし、必ずしもそうとは限りません。 沖縄は比較的大陸と近く、寒気の吹き出しに伴い、気温がぐっと下がることがあるのです。 戦後有数の寒冬年となった1963年冬。 この年は東・西日本の日本海側を中心に平野部でも積雪が1〜2メートルに達する 記録的な豪雪に見舞われ、「三八豪雪」とも呼ばれています。 沖縄でも強烈な寒さに見舞われました。 1月下旬の平均気温は平年差−5.2℃。 同月20日には久米島で2.9℃という沖縄で観測史上最も低い気温が記録されています。 当時の琉球気象台の資料によると、霜や霰、霜柱といった現象が現れたそうです。 こうなると、沖縄でも霜が降りる可能性、あるいは霜が降りるくらいまで気温が下がる 可能性は全くもってゼロではないということが言えます。 そのため、沖縄気象台は新たに沖縄地方にも霜注意報と低温注意報の 発表基準を設けることにしました。 注意報の発表基準は、沖縄本島地方と先島諸島が予想最低気温5℃以下、 大東島地方が予想最低気温3℃以下と見込まれた場合。 では近年、これほどまで気温が下がったことはあるのでしょうか。 調べてみました。 久米島 5.2℃(1986年2月23日) 沖縄本島名護市 4.8℃(1986年3月5日) 沖縄本島那覇市・大東島・宮古島・石垣島・与那国島 なし ・・・というように近年はないようです。 ただし、沖縄本島最北端の国頭村にある奥アメダスでは2005年3月5日に 最低気温5.2℃を観測しています(ちなみにこの日の名護の最低気温は7.6℃)。 同じ沖縄本島でも北部は標高が高めのため、中部や南部に比べるとかなり冷えやすいようです。 名護の予想最低気温が7℃前後の場合は、国頭村などでは5℃以下まで下がる可能性も あるため、霜に注意した方が良いかもしれません。 今年2月、関東甲信でこれまでに経験したことのないような 大雪に見舞われたように、何が起こるか分かりません。 “想定外”がないように少しずつ警報・注意報の発表基準を見直したいところです。 |
気象(その他)
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(ずいぶんと日が空きましたが・・・)先日、植物園に行ったとき、気になるものを発見しました。 それは何かと言うと、バナナ。 私自身、なかなかバナナの「木」というものを間近で 見たことがないんですよね。 間近で見た印象としては、とにかく葉がでかい! 葉の長さはゆうに1メートルは越えていたでしょう。 で、驚きなのが・・・・ バナナって誰がどう見ても「木」に見えると思います。 でも、実は違うんです! バナナはバショウ属バショウ科の多年草。 「木」ではなく「草」だったんですね。 見上げるほど背が高く、にわかに信じがたいですが、一応世界一大きな草とされています。 写真にはありませんが、木のように見える茎の部分というのは葉が重なり合ってできており、 やわらかいです。 それを切っても年輪がないことからすると、やっぱり草です。 しかし、バナナが果物であるということには間違いありません。 農林水産省は、 ・一年で枯れてしまう草(一年草)から収穫できるものを野菜 ・数年にわたって枯れないで生きる草(多年草)から収穫できるものを果物 と決めています。 この定義に当てはめれば、バナナは果物扱いされます。 熱帯植物のバナナは高温多湿の条件を好みます。 気温15〜38℃のわりと広い範囲で生育し、最適な気温は 26〜31℃とされています(月平均気温は21℃以上が良い)。 さらに雨が多いことも重要。 赤道をはさんで南緯30〜北緯30度の間の地域で栽培されており、 特にフィリピンや台湾、南米のエクアドルなどは一大産地です。 では、日本ではどうなのか。 南西諸島は北緯30度以南で亜熱帯気候に属し、バナナ栽培が行われています。 沖縄なら島バナナや三尺バナナが有名なところでしょう。 沖縄本島(那覇)の平均気温は以下のようになっています。 12月〜3月にかけては21℃を大きく下回っています。 沖縄とはいえど、冬場は寒気の影響を受けることがあるので、 気温は低めです。 この間は生育がかなり悪くなってしまいそうです。 やはり沖縄本島あたりがバナナ栽培の北限でしょうか。 しかし・・・ 実は本州でも東日本以西では露地栽培に成功した報告が何例かあります。 なので、時間は相当かかるかもしれないけど、品種によっては本州でも栽培可なのかもしれません。 ただ、大量生産となると話は別。 やはり日本ではバナナの大多数を輸入に頼るしかないのが現状なのです。 さて、あすから3連休。 日本海を進む低気圧に向かって暖かな空気が流れ込むため、 全国的に気温はぐっと上昇します。 沖縄は30℃以上の真夏日予想も。 バナナが育つような熱帯のモワッとした空気に包まれることになりそうです。 |
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14日、ヒマラヤ山脈で季節外れの暴風雪や雪崩に巻き込まれて
日本人2人を含むトレッキングをしていた外国人やガイド合わせて
43人が死亡する事故がありました。
ヒマラヤ遭難事故としては、史上最悪の規模となってしまいました。 (ベンガル湾を進むサイクロン 日本時間11日22時) なぜ季節外れの暴風雪や雪崩は起きたのか? 原因はサイクロン「フッドフッド」です。 12日、ベンガル湾を北西に進んでいたサイクロンはインド東部に上陸。 上陸時の勢力はかなり強く、50メートルを超えるような強風も観測されました。 その後、内陸部を進むにつれて勢力を弱めたのですが… その湿った空気がヒマラヤの山々にぶつかって雪雲が発達し暴風雪に見舞われたり、 積雪が急速に増えたことで雪崩が起こりやすい状況になっていたとみられます。
ネパールの気象当局は12日の時点で天候が急激に悪化し気温も下がり、 13日には暴風雪になるという予報を出していたにもかかわらず、
それがトレッキングをしていた人には伝わっていなかったとのこと。
御嶽山との最大の違いは、これです。 御嶽山の場合は情報すら発表されていなかったものですから、誰も噴火の可能性を知るすべがなく、 あれほど大きな事故につながってしまったのですが、今回のヒマラヤの事故では
事前に情報があって、天候悪化の可能性を知るすべはありました。
つまり、あともう一歩のところで被害を食い止めることができたのです。 きちんと情報伝達できていれば…と悔やまれます。 この情報伝達の役割は、山を知り尽くす地元のガイドにあるでしょう。 ガイドの責任は大きいように思えます。 しかし、仮にガイドが今後予想される天候について説明したところで、 きちんとそれが伝わるとも限りません。
なぜなら、様々な国の人が集まっており、情報を伝える側と伝えられる側との間に “言語の壁”が立ちはだかるかもしれないからです。
この“言語の壁”を壊すためには、誰にでも分かるようなお天気マークを交えながら説明するという 工夫も必要だと思います。
ところで、このところのコメント欄にもあるとおり、日本でも天気予報のあり方について 改めて考え直す必要があるのではないでしょうか。
ますます高齢化が進む日本… それと同時にますます国際化が進む日本… 予報を、 高齢者にはどう分かりやすく伝える? 日本語の通じない外国人には? いくら気象技術が進歩しても、これを解決しない限り残念ながら 予報は伝わりづらい一方になってしまうかもしれません。
確かに天気予報自体まだ完全なものではなく、技術をさらに向上させるのも大事。 ですが、この先はそれと同じかそれ以上に予報の伝え方というのも大事になってくるでしょう。 あと6年後には東京オリンピックが控えています。 それまでには、外国人でも誰にとっても分かりやすい、そんな天気予報になっていればと願っています。 |
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きのう昼過ぎ、次世代型気象衛星ひまわり8号が種子島宇宙センターから 無事に打ち上げられました。
ひまわり8号は、ひまわり7号などと比べて 観測技術やデータの処理能力が大幅に向上しています。
具体的にはどのように改善されたのでしょうか。
1、水蒸気を立体的に・・・ 積乱雲や台風の発達に深く関わる大気中の水蒸気。 ひまわり7号も水蒸気を全く捉えられなかったわけではなく、 水蒸気量の少ない所を黒で、多い所を白で表す「水蒸気画像」があったのですが、
赤外線の波長が1種類しかないため、観測できるのは
上空7000〜8000メートルほどと上層に限られていました。
しかし、ひまわり8号になると、赤外線の波長が3種類に増えるため、 上空3000メートルほどの比較的下層の水蒸気も観測することができるようになります。
上層も下層も…こうして水蒸気の分布を立体的にとらえることで、 大雨がどこで降るのか細かく予測できるのではと期待されています。
参考)ひまわり7号による水蒸気画像 2、画像撮影の頻度 ひまわり7号は30分に1回画像を撮影していたのに対して、 ひまわり8号はデータの処理能力が向上したことにより
2分半に1回撮影することができます(ただし、日本付近のみ。他は10分に1回)。
画像が増える分、雲の動きもより詳細に分かり、 急激に発達する積乱雲をもとらえることができるかもしれません。
また、台風の進路予報の精度向上も期待できます。 進路の誤差の範囲は、これまでより24時間後の予報では およそ10キロ、72時間後ではおよそ20キロ改善されるかもしれないとのことです。
3、画像がカラーに・・・ これまで衛星画像は白黒で、雲と黄砂の判別がつきませんでした。 しかし、「ひまわり8号」は様々な色の光を認識できるセンサーを搭載しているため、 画像をカラーで表示でき、それによって雲と黄砂の判別が容易になります。
また、これまで衛星画像には映らなかった火山ガスも、 大規模噴火が起きた際には観測できるようになり、それによって
影響を受けそうな地域には早めの注意を呼びかけることができます。
こうなると、気象の分野だけでなく火山の分野においても、 さらなる進歩がみられるかもしれませんね。
なお、ひまわり8号は打ち上げられたとはいえ、まだテストの段階。 本格的な運用が始まるのは来年の夏からです。 さて、もう一つ宇宙関連の話題を。 今夜は日本の広い範囲で皆既月食があります。 月食とは月が地球の影に隠れて、太陽ー地球ー月が 一直線に並んで時に月が欠けて見える現象です。
日食に比べると頻度は遥かに高く、前回の皆既月食は3年前の12月にありました。 今回は石垣島などごく一部の地域を除いては 月の欠け始めから終わりまで観察することができます。
方角は東〜南東になります。 部分食の始まり 18時15分 皆既食の始まり 19時25分 皆既食の終わり 20時25分 部分食の終わり 21時35分 皆既食はきっかり1時間。 この間、月は「赤銅色」と呼ばれる赤黒い色になります。 問題なのは天気。 北海道や本州の太平洋側を中心に雲が多い予想。 ただ、雨を降らすほどの厚い雲ではありません。 雲の切れ間から月が見えることもありそうです。 皆既食は1時間も続きますから、雲が多くても観察のチャンスは大いにあるかと思われます。 (図は気象庁HPより)
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台風18号は、きのう朝静岡県に上陸し、関東を横断、各地に大きな爪痕を残していきました。
関東南部や静岡県では記録的な大雨に見舞われた所も。 横浜では、おととい明け方からきのう昼前にかけての総雨量が352ミリとなり、 48時間雨量としては統計をとりはじめた1976年以来観測史上最大を記録しました。
その横浜は、こんな状況になりました。 これは、同市港北区・日産スタジアムに隣接する新横浜公園のきのう夕方の様子です。 一見湖と見間違えてしまいそうなほど広い範囲にわたって浸水しています。 何もかもが水没しました。 でも、ご心配なく。 実はこの新横浜公園、普段はテニスコートや野球場を 有するいたって普通の公園でありながら、いざ近くを流れる鶴見川が増水した時には、
一時的に川の水を貯めておく遊水地として機能するのです。
横浜市北部を流れる鶴見川は、蛇行して流れており、 川幅も比較的狭いため、昔からはん濫を起こしやすく、
「暴れ川」と呼ばれることもしばしばありました。
特に昭和33年の狩野川台風では流域の一帯が浸水し、2万戸以上の家屋に被害が出たそうです。
そこで今から11年前の平成15年に造られたのがこの遊水池です。 もともとあった公園を水が貯められる特殊な構造にしました。 では、どうやって川の水はここに入ってくるのか、その仕組みは案外単純で… 公園付近の堤防のみを一段低くすることで溢れた川の水があえて 公園に流入しやすいように造ってある、ただそれだけのようです。
貯め込める総貯水量は390万立方メートル。 これは25メートルプール1万杯に相当します。 遊水地が機能したのは、きのうで15回目。 過去最大の流入量を記録したそうです。 確かにその量はすごい。 公園以外の様子も見てみましょう。 公園に通ずる階段や道路です。 写真にはないですが、当然入り口には「立入禁止」のロープが張られており、 中へ入ることはできません。
駐車場も水の中。 標識やゲートが辛うじて顔を出しています。 水は、公園だけでなくスタジアム1階部分にも及んでいました。 スタジアムは千本以上の柱の上に乗っかるようなかたちで建てられており、 その下に水が流入する構造です。
しかし、これだけ多くの水が貯まっているということは、 記録的な大雨にもかかわらず、しっかりと機能してくれていたと言えます。
おかけで一時ははん濫危険水位に達したものの、すぐに水位は下がって被害は全く出ませんでした。 ちなみに、貯まった大量の水はどうなるかというと、 川の水位が下がった時点で徐々に川へ戻されます。
そしてその後、泥を洗い流したりするなど清掃を行ってから、 普段通りの公園として再び賑わいを見せます。
普段は地域住民を楽しませ、またいざという時には命を守ってくれる素晴らしい新横浜公園。 日頃から感謝せざるを得ません。 さて、きょうは台風が去って全国的に高気圧に覆われているため、 全国的に爽やかな秋晴れとなっています。
しかし、天気に騙されないように。 関東から東北の太平洋沿岸ではうねりを伴ってしけていますし、まだ関東では川が増水しています。 川や海岸など危険な場所には引き続き近寄らないようにしてください。 |


