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週末に西日本を縦断した台風11号は広い範囲に大きな被害をもたらしました。
10日は栃木県栃木市や鹿沼市などで竜巻とみられる突風が発生。 470棟を超える建物に 屋根が飛ばされるなどの被害が出ました。 レーダー画像を見ると、台風本体の雨雲、すなわちスパイラルバンドが 東海から近畿にかかっており、また台風の中心から500キロ以上も
離れた関東にも台風からの湿った空気による点々とした雨雲、
すなわちアウターバンドがかかっています。
台風11号は、このスパイラルハンドとアウターバンドがしっかりとしていたため、
広い範囲に大雨をもたらしました。
このように台風から離れた場所でも雨雲が発達することがあり、 台風から離れているからと言って安心はできません。
時にはスーパーセルと言われるような巨大積乱雲が発生することも。 スーパーセルは、雲の中で上昇流と下降流、収束、発散が うまく噛み合っているので、凄まじい発達を遂げます。
普通の積乱雲とは違って、多岐にわたる分野で力を発揮します。 多くの積乱雲は、それぞれある専門分野を持っています。 たとえば、猛烈な雨を降らす積乱雲は雷や突風をそれほど伴わなかったり、 逆に多数の雷や突風を伴う積乱雲はそれほど雨を降らせなかったり。
しかし、スーパーセルは何でもできて、猛烈な雨や雷・突風を同時にもたらします。 今回の竜巻は、このスーパーセルが原因でした。 鹿沼市では、竜巻があった時間帯にちょうど 1時間に50.5ミリの非常に激しい雨も降っています。
竜巻が発生する要因となるのは、一番多いのが「暖気の移流」、 二番目が「寒冷前線」、さらに次いで「台風」となっています。 秋は、 引き続き暖気が流れ込みます。 日本付近を通過する低気圧が増える分、寒冷前線の通過も増えます。 台風が多くやってきます。 これから秋にかけては、まさに竜巻シーズンと言えるでしょう。 |
気象(竜巻、突風)
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14日、秋田県三種町で竜巻とみられる突風が発生しました。 竜巻のような渦巻きを見たという証言や、1.5キロほどの範囲で一直線上に 被害が分布していることから、竜巻であることにほぼ間違いはないでしょう。 幸いけが人は出なかったものの、住宅など14棟で壁の一部が剥がれるといった 被害が出たとのこと。 この被害状況からすると、竜巻はそれほど強いものではありません。 竜巻の被害の規模を示す藤田スケールは最も下の「F0」と推定されています。 風速はだいたい17〜32メートル(15秒間平均)。 竜巻発生時、北海道付近に寒冷渦があり、秋田県内は 上空5500メートル付近−15℃以下の寒気が流れ込んでおり、 大気の状態が不安定でした。 この寒気、まだまだ列島に居座っています。 あすにかけては北日本や関東を中心に大気の状態が不安定。 竜巻などの突風が起こりやすい状況が続きそうです。 また、「湿った空気」というのも寒気と同様に不安定な天気をもたらします。 奄美や沖縄本島地方は台風7号から変わった熱帯低気圧から流れ込む 非常に暖かく湿った空気の影響で、やはり竜巻などの突風が起こりやすい状況。 沖縄県は国内で一番竜巻の発生数が多いです。 その理由としては、周囲が暖かい海なので、海上竜巻(シースパウト)が 確認されやすいということがあります。 竜巻は陸上だけでなく海上でも発生するのです。 もし、竜巻が迫ってきたらどうすれば・・・? ただちに身を守る行動をとってください。 ◇屋内では ・窓やカーテンを閉める(窓ガラスの破片が飛び散るのを防ぐため) ・丈夫な机やテーブルの下に入って身を小さくする ・窓のない地下室へ逃げる(あればですが・・・) ちなみに竜巻大国のアメリカでは地下にシェルターのある家が多いそうです。 ◇屋外では ・頑丈な建物の物陰に入って身を小さくする なお、たとえ竜巻が自分の方に向かってこなくても、同様の行動をとったほうが良いです。 竜巻の進む方向は予測不能で、突然向きを変えて自分の方へ向かってくることもありますから。 ちなみに話は少しそれますが・・・ 台風7号が6月までに発生するのは2004年以来10年ぶり、
6月中旬までに限定すると1997年以来17年ぶりとなります。
今年は5月が空白期間だったとはいえ、依然としてハイペースのようです。
97年と04年、いずれの年も全国への台風の接近数が15個以上と多かっただけに、
やはり今年も夏後半〜秋にかけてが心配です…
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山の多い日本では、山を越えて吹き下ろす
おろし風と呼ばれる強い風と付き合って いかなくてはならない地域というのも多々あります。 しかし、おろし風は局地的である故に、 どこで吹くの?どれくらい強まるの?といった 細かな予測は難しいのが現状です。 そんな中、今後の気象予報に更なる発展が 期待できるニュースが先日ありました。 京都大学の研究チームがシュミレーションを行い、 「比良おろし」のメカニズムなどを解明することができたのです。 (琵琶湖東岸の彦根と琵琶湖西岸の南小松の今年1月〜3月までの風の強さを比較)
そもそも比良おろしとは?京都府と滋賀県にまたがる比良山地を超えて 琵琶湖西岸に吹き下ろす強い風のこと。 以下の条件で発生しやすくなることが分かっています。 (1)寒冷前線通過後 (2)低気圧通過後 (3)西から高気圧が接近 今月4日に大津市南小松のアメダスでは 最大瞬間風速29.3メートルを観測しました。 4日の天気図を見ると、確かに寒冷前線が本州を通過しており、 琵琶湖西岸では猛烈な比良おろしが吹き荒れていたようです。 http://www.weathermap.co.jp/kishojin/diary_detail.php?date=2014-04-04 困ったことに、こうした強風が列車の運行をしばしば妨げてしまいます。 ちょうど比良おろしの影響を受ける地域には、大阪都市圏と北陸を結ぶ 大変重要な役割を担う、JR湖西線という路線が走っています。 なかでも特に影響を受けやすいのが比良〜近江舞子駅間で、 1997年6月には比良駅に停車中の貨物列車が強風に煽られて 脱線・転覆する事故も起きています。 JR西日本は、この区間の山側に、風を60%程度遮蔽する防風柵を 設置することで、運転規制値を幾分緩和することできましたが、 輸送障害の件数に明瞭な変化は見られません。 今年も比良おろしによる輸送障害が10日近くあったとのことです。 京大の研究チームは、比良おろしの吹く地域の地形や建物の データを入力し、風をきめ細かく予測するシステムの開発に成功しました。 そのシステムとは、対象地域は50メートル四方のブロックに刻んで、 そこに気象予報のデータを入力することで、1分ごとに6時間先まで 風の強さや風向を予測できるというもの。 これにより早めに突風を予測して湖西線の運行に役立てせそうですし、 別の地域の局地的な風の予測にも応用することができそうです。 ただ、残念ながらそれで輸送障害が減るわけではありません。 どうやったら比良おろしの影響を最小限にとどめることができるのか、 これを考えない限りいっこうに減ることはないでしょう。 特急列車160キロ運転の計画もありますが、 それは今のままだと厳しいでしょうね....。 |
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23日午後、岡山県矢掛町の河川敷でイベント会場のテントが 突風により舞い上がって、近くにいた9人が重軽傷を負う 事故がありました。 http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20140324-00000003-ann-soci ここで考えたいのは、なぜ突風が起きたのかということ。 一口で突風といっても、種類は様々。 その代表的なものとしては 竜巻、ガストフロント、ダウンバーストなどがあります。 ガストフロント・・・積乱雲の冷たい下降気流が周囲の暖かい空気と 衝突して形成される上昇気流を伴った小規模な前線で、 激しい突風をもたらすことから、突風前線とも呼ばれる ダウンバースト・・・積乱雲の底から爆発的に吹き下ろす気流で、 これが地表に達することにより四方に猛烈な風をもたらす しかし、もうお分かりの通り、これらはいずれも 発達した積乱雲が要因なのです。 事故当時、岡山県は高気圧に覆われて穏やかに晴れており、 積乱雲が発生するような状況ではありませんでした。 だとすると、単なる強風か? これも考えにくいのではないでしょうか。 当時、周囲のアメダスでも平均5.0メートル以下の弱い風で、 強風注意報は発表されていませんでした。 仮に強風が原因だとすると、テントが高く舞い上がる というようなことはないはずです。 となると、一番有力なのは、塵旋風でしょう。 これは、竜巻などとは大きく異なり日射を要因とします。 強い日射で気温が上昇することによって、 局地的な上昇気流が生まれ、渦が形成されるのです。 竜巻・突風大国のアメリカでは「ダストデビル」などと 呼ばれているそうです。 確かに、何の前触れもなく突如発生するのは 非常に怖いですよね・・・ 悪魔みたいな存在かもしれませんね。 突風が発生したのは午後1時で、 気温が最も高くなる時間でした。 しかも、「竜巻のような白い渦が近づいてきた」という 目撃談もありますから、塵旋風でほぼ間違いないと思われます。 気温が上がる、これからの時期は 突如発生する強い風には注意が必要です。 たとえ晴れていても・・・ またもちろん、積乱雲を要因とする突風も これからは次第に増えてきます。 天気は、暖かくなるほど実は荒れるんですね。 さて、あすは西から天気が下り坂。 暖かく湿った空気が流れ込む西日本は 雷を伴った激しい雨に注意が必要です。 関東や東北も午後は次第に雨が降りやすくなりますが、 こちらは激しく降るようなことはないでしょう。 |
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今月2日は埼玉県越谷市と千葉県野田市で、
4日には栃木県矢板市で竜巻が発生しました。
被災地の現状を自分の目で見て理解しておく必要があると思い、 竜巻発生から6日目のきのう、越谷市を訪れました。
現場となったのは東武伊勢崎線・大袋駅の東側。 竜巻の経路は上図の赤線のとおり。 桜井南小学校から下間久里・大杉地区を経て 北陽中学校に至ったとみられています。
私は下間久里地区を中心に調査してみました。 この地区、私の見た限り特に甚大な被害が出ているといった 様子はありませんでした(もちろん全く被害がなかったわけではなくて
屋根瓦が飛ばされるなどしてブルーシートで覆われている家が多い)。
ただ、公園や空き地には瓦礫が山積み。 もしかしたら瓦礫が片付いたから、 そう感じただけなのかもしれません。
ところが、大杉地区との境目付近に来ると状況が一変。 写真のように窓ガラスが割れて屋根もなくなっている家が目立ちました。 特に写真左の赤い屋根瓦が辛うじて残っている家は 甚大な被害を受けてしまったようで、外壁にヒビまで入ってしまっています。
倒壊の危険もあったでしょう。 また、こんなものも発見。 アンテナでしょうか。 電線に宙吊りとなっています。 被害を受けた地域では、こういった状態の箇所が 至る所にあると思われますが、大変危険ですから、
くれぐれも近づかないようにしてください。
さらにこちらもまた爪痕。 川の土手の草が北東方向へ一斉に倒れています。 これより、竜巻は北東方向、 つまり大杉地区へ向かったことが分かります。
今回の調査で分かったこと、それは少しずつではありますが、 日常を取り戻しつつあること。
調査中も幾度となくすれ違う住民の方々や車(瓦礫回収車ではない)。 そして買い物客で賑わうスーパー。 こういった普段当たり前の光景に心が温まりました。 テレビなどの報道で見る光景と実際に自分の目で見る光景は大違い。 復旧作業の邪魔にならない程度なら被災地に出向くのも アリなのではと個人的には思います。
さて、その越谷市のきょうの天気は晴れ、気温は26.5℃。 快適な陽気で、復旧作業が進みそうですね。 向こう1週間も高気圧に覆われて晴れる日が多いでしょう。 ただ、後半になると最高気温は33℃前後と平年を大きく上回る気温になりそう。 久々の暑さとなりそうですから、復旧作業に当たられている方は どうぞ熱中症にお気をつけください。
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