“犬は「しつけ」で育てるな!”のホントの意味を考えよう。

半放し飼いの犬127匹の群れと暮らした堀明が発信しています。このブログはめったに更新しません。

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タージマハ−ルはアグラにある。
 
亡き愛妻に捧げた白亜の霊廟。
正確無比なシンメトリーの美しい建造物…
タージマハールは、人々の絶賛を欲しいままにするインド屈指の世界遺産だ。

私はしかし、ずっとアグラを素通りしてきた。
 
私にとってのインドは、トラを観察するフィールドだ。
奢侈に流れた権力者の墓など、はなから私の興味の外なのだ。
そう自分に言い聞かせるように長距離列車の中の私は、いつもアグラを見逃した。

インドでのフィールド・ワークが7年めを迎えたある日、私はふと思った。
 
そろそろタージを見ておこう。
 
なーに、どうせ風まかの旅なのだから・・・
 
ようやく私はアグラで途中下車をした。
 
冬のアグラの風は乾いていた。
 
いにしえの奢侈が生んだ白亜の廟へと、私は歩みをすすめた。
 
 
 
イメージ 1
 
 
 
タージマハールには驚くほどの静謐(せいひつ)が流れていた。
 
この優雅で物静かな犬たちは、どこから旅をしてきたのだろう。

乾いた風が、凪のようになっていた。

私の頭はすでに空っぽになろうとしていた。
 

余談の余談
この作品はいわばイレギュラー。
こんな写真が撮れるといいな…撮影地へ向かうときにはいつもある一定のイメージを持って臨みます。イメージ通りに撮れたときには、爽快な気分になります。
しかし経験は感性を鈍らせるというのでしょうか。人間というのは妙な生き物です。
撮影を続けて行くうちに、イメージ通りの写真が「撮れない」ことが悔しくて仕方ない。そんな思いで落ち込むこともあります。年々そういう傾向にあります。これは決して楽しいことではありません。
野外撮影では天候にも左右されます。そして動物は気まぐれです。
そういうときに、私を救ってくれるのは、イメージの外からやってくるイレギュラーです。この仕事がやめられない理由のひとつは、自分のイメージを超えた一枚が撮れることがあるからかもしれません。
(でも、めったにありません ) 
 
※上の写真は、『Wan』(ペットライフ社)2008年4月号に掲載されたものです。
本文は(もちろん)このブログのために書き下ろしました。
 

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