◇大6 入選86回
箕面市 若島 正
54馬、56玉、65馬、イ同玉、66銀ロ56玉35角成ハ52歩、A同飛生ニ53歩B同飛生ホ54歩、C同飛成66玉、44馬、76玉、75と、同玉、76歩、同玉、77歩、75玉、87桂、同香成、84銀生同成桂、同龍、65玉、54龍、75玉、67桂、同香成、84龍、65玉、66歩、56玉、54龍、47玉、38金、36玉、45龍、同金、37金、25玉、26金、14玉、15歩、24玉、34馬迄49手 イ同香は64角成、47玉、46馬、同玉、37金、35玉、36金、24玉、54飛成、34歩合25金、同玉、34龍以下 ロ同玉は 44角成、(変化1図)甲65玉、55飛生、74玉、75歩以下 甲で55歩合は同飛成、77玉、75龍迄 ハ66玉はロに同じ ハ54歩合は46馬、同玉、37金、35玉36金、(24玉は54飛成、34歩合、25金以下)44玉、35金、43玉、41飛成以下 ハ53歩合は 46馬、同玉、37金35玉、36金、24玉、25金打33玉45金、43玉、(34歩合は31飛成、43玉、41龍、33玉、34香以下) (変化2図)41飛成以下 ニ54歩合は 46馬、同玉、37金、35玉、36金、44玉、35金、43玉、53金以下 ホ54桂合は同飛成、66玉、44馬、76玉、75と、同玉、76歩、同玉、77歩、75玉、87桂打、同香成、同桂まで。 A同飛成は 66玉、44馬、65玉、54龍(55龍は 74玉で打歩詰)、76玉以下、2歩不足 A46馬は同玉、37金、35玉、36金、24玉、25金打、33玉、45金、43玉、41飛成、53玉、44金、62玉、73成桂、同玉で逃れ B同飛成は 66玉、44馬、65玉で54龍は76玉以下、1歩不足で詰まない。(54馬は 74玉、75歩、同玉、76歩、66玉、55馬、76玉、77歩、75玉、67桂、同香成、73龍、同歩で逃れ) B46馬は同玉、37金、45玉、36金、44玉、35金、43玉、42金、54玉で逃れ。 C同飛生は 66玉、44馬、55歩合、同馬、76玉で、作意と比べて 54龍が飛になっているため詰まない。 C46馬は同玉、37金、35玉、36金、44玉で逃れ。 作者―52歩合~53歩合~54歩合の3段連続打診中合がテーマ。連続打診中合が理屈として可能なことは、久保紀貴さんの傑作が示すとおりですが、それを拡張すれば、理論的最大の3段連続打診中合も可能なわけで、実際にやってみたのがこの作品。それが成立するメカニズムは、山中龍雄さんの名作七連続歩合にインスピレーションを得ています。 打歩の仕掛けとしては、55で成と生の両方の可能性を残しておく必要があるというのがポイントで、最後の 54歩合は作意の同飛成だと 44馬に対して76玉が直接打歩詰になり、微妙に意味合いがにじんでいるように見えるところが多少気になりますが、同飛生なら 44馬に 55歩合で逃れる点に成・生の両方の可能性を残しておく必要性が生きており、解釈の違いは生じないと思います。収束は、舞台設定の中で収めながら、なるべく全体の駒が働くような手順を心がけました。龍を消すことができて、作者としてはほっと一息というところでしょうか。
☆本作は史上初の3段連続打診中合作品です。谷向奇道氏の打診中合、久保紀貴氏の2連続打診中合とくれば、理論的には3連続打診中合が可能ですが、久保氏の2連続打診中合ですら、精緻を極めた作品であり、3連続打診中合は相当困難と思われたが、それを実現してしまうのが、若島氏の若島氏たる所以です。
☆先ず56歩を消去する序が入り(いきなり66銀では同玉、44角成、57玉と逃げられる)5手目66銀に同玉とし以下同玉、44角成とした変化ロ中、変化1図が大元のタネ。
この局面で65玉と逃げると、55飛生、74玉、75歩が打歩詰ではないので詰みます。他方、55歩合だと今度は同飛成、77玉、75龍で詰みます。基本はこの変化の為に、66銀には56玉と逃げて、35角成と開き王手をさせて、54に打診中合をして同飛成だと66玉、44馬、76玉で打歩詰。同飛生だと66玉、44馬、55歩合で逃れという形に持ち込みたい訳です。
ということで、7手目35角成とした時の受け方が本作の主眼です。普通に66玉では変化図1と同じなので、54歩合が先ず考えられ、次に53歩合が考えられますが、いずれも46馬以下、変化ハ中の変化2図のような形になり、41飛成が実現して詰む変化となります。
この図でもし飛車が52の位置なら43玉~52玉と飛車を取りながら逃げることが出来ます。したがって、52歩中合という第1の打診中合が最善になります。ここで、同飛成は66玉で詰まない。又46馬は今度は変化2図と同様に進んだ時に41飛成に53玉と逃げられて詰まないのです。そこで52歩中合に対しては同飛生と指します。今度は変化ニです。54歩合とすると、46馬以下53金と打てて詰みますので、そう打たせない為に第2の打診中合53歩合が更に必要となります。ここで46馬以下は詰まないので同飛生とすれば、ここでも66玉とは逃げられませんので、54歩と3連続目の打診中合をするのが最善となります。以上が3段連続打診中合の仕組みです。
☆さて3段連続打診中合をされては、54歩合に対して、以下44馬の時に55歩合とさせないように同飛成とするしかありません。以下44馬に76玉となって打歩詰ですが、4歩手に持ったことにより、詰みに至ります。具体的にはと金を捌いて歩と決めて、87桂、同香成、84銀として桂を入手します。これは67桂、同香成として67の逃道を塞ぐ為です。そうして右辺に追い込み、41手目45龍と3段連続打診中合で主役を演じた龍を捌き捨てて詰上がります。
☆3段連続打診中合だけでも考えられないのに、本作はその前後も素晴らしい。56歩消去の為の馬の押し売りに始まり、3段連続打診中合の後は桂を87と67に捨て83香と63香が87成香と67成香になってしまう趣向的な捌き。最後に龍迄消えてしまう。最初にして決定版の作品です。
☆本作を見ていると、理論的に可能な作品は願えば必ず出来るものだと思わされました。
☆星に願いをかけるとき、 人に差別はありません
心に願う望みはすべて、 あなたのものになるでしょう。
池〇俊哉―35角成の空王手に対して、52、53の歩中合は変化の55飛生に備えて飛生で取らなければならず、54歩中合は一転龍にならなくてはならない。このロジックを中心に、中盤の龍と桂の動きまで精錬された感触
今○健一―52歩の捨合から始まる3連続の歩合、その意味付けも難しい。増えた持駒の歩をいかに使うか、ここから先も上手いものです。 海〇王―素晴らしすぎる内容。まさに傑作。 加〇孝志―歩中合の連打は光るが配置の苦しさ、収束の平凡、駒の残り方が気になる。 神〇薫―岡本さん作は(当時あまり解図をしておらず)解説を読んで驚いたが、本作はリアルタイムで解図出来て嬉しく思います。 川〇敏嗣―飛を強引に成らせる歩の連続合にうなる。35手目66歩が打て、41手目45龍捨てで28金が活用できそうな展開になりホッとする。 小〇徹―7手目35角成としたところで手が止まる。歩が4枚あれば詰むと判明したので8手目から13手目までの見当をつける。 齋〇博久―解者に優しい手順だと思います。 須〇卓二―打診連続中合?ともかく右と左で打歩が絡み驚きの連続合の応手は見所満載。 鈴〇彊―3度の歩合。2度の飛不成の応手。中盤での87桂。成桂をはがしての67桂。いずれも香で取らせ龍と馬で網をしぼる歩使いの妙技は流石。当代超一流の構想作。堪能しました。 占〇亭―55馬からの打歩詰を回避して安心していたら、間髪入れずに打歩詰の罠。手順は軽いが中身は濃厚。 竹〇政秀―飛に歩の中合連打は良(誤答) 竹〇健一―何か出そうだと思ったらやっぱり!連続打診中合と言えば良いのでしょうか?構想実現の後はさらっと流しているかのように易しい収束に入るのが助かりますね! 中〇照夫―3連続成生打診中合とは夢のような手順。 永〇勝利―打診中合の三連続とは!作者名で狙いが透ける中、この水準、流石です。 西〇かな―手付かずです。(無解) 水〇修―5筋の連合を見落としていました。凝りに凝った見事な手順です。 山〇誠―飛車が成れないことを見越して、歩の連続中合が絶妙の防手。早詰ではないかと首を傾げることしきり。 和〇登―歩の連続中合を見事に実現 |
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