中川輝光の眼

美術家の眼で日常を記録しています(paraparaart.com_ArtDirector)

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本の紹介・瀧悌三著「一期は夢よ鴨居玲」
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若き頃、「どのような画家になりたいですか」とよく聞かれたものです。わたしは殊更、誰かのようになりたいとも、こういった絵を描きたいとも思ったことがなかったので、いつも曖昧な返事をしていた。しかしながら、頭の片隅には、「気なる存在」や「イメージ」が無いわけではなかった。そのひとりが「鴨居玲」その人である。わたしの大学の先輩でもあり、その「退廃的なイメージ」は不思議に頭から離れることがなかった。この本「一期は夢よ鴨居玲」が発刊(1991年)されて、程なく読んだのですが、若き頃に抱いていた「伝説」以上に迫る「現実感」に、正直驚かされたものです。俳優のような整った顔立ちと、一処に収まらない「流浪の人」特有のさりげなさが、独自の「伝説」を生み出したのかもしれません。残された作品には、「鬼気迫るもの」があり、その「画家の視点」に、わたしは思わず頷いてしまう。ひとりの確かな技量を備えた画家が見たものは、人の「裏表」ではなかったのか、運命の采の目のように浮遊する「時間」そのものではなかったのか、そう思えてならない。
山折哲雄著「鎮守の森は泣いている」の紹介
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宗教哲学者山折哲雄さんの「鎮守の森は泣いている」(2001年刊)に…「共生」から「共死」の発想へ…がある。「共生」の理論の背後に、「生き残り」の理論がある。困難な状況の中で、我々のみ何とかして生き残りたい、そういうエゴイズムがある。「我が国の経済は、我が国の政治は、どのようにしたら生き残れるのか」、経済・政治だけではない、言葉を変えて、全てに当てはまる、「共生」の大合唱である。「人間は共に生きて、共に死ぬ」という考えに立ってみる、すると今まで見えなかったものが見えてくる。多くの人が死ぬ運命に置かれたとき、人は我も共に死のうと思う・・・そのようなことが書かれている。「東北を襲った震災」にわたしたちは大きな「喪失感」を覚えた、日本人独自の「死生観」が作用しているようにも思えた。…「共生」から「共死」の発想へ…は、わたしたちへの「警告」かもしれない。
串田孫一著「思索の階段」の紹介
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串田孫一さんの「思索の階段」を、紹介します。串田孫一さんのエッセイが好きで、旅に出るときなどよく一冊手にしたものです。今日は、朝から雨が降り続いています。この本にも「自然の音に耳を傾けよう」という表題で、「雨音」「木枯らし」などについて書かれています。気象異変のためか、日本の四季の移ろいも不安定で、わたしたちの自然観も異常をきたしています。「木枯らし」に、秋から冬への備えをしたのも、いつしか昔のことになりました。いつしか、「木枯らし」は人と人の間を通り抜けていく、次第に情感も薄くなっていく。串田孫一さんは、日本という風土・情緒が産み落とした「知識人」です。このような人たちが支えた「日本の文化」が、次第に色あせてしまう。これは、わたしの思い過ごしだろうか。

ジャコメッティ 私の現実
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「ジャコメッティ 私の現実」は、みすず書房が1976年に発刊された「ジャコメッティのメモや文章(一部会話)を集めた本」です。ジャコメッティの創作意図(思想)、その断片を垣間見るに適した一冊といえます。わたしのアトリエに書斎空間があり、その中央本棚にずいぶん長く「鎮座」しています。日本でも海外でも、ジャコメッティの彫刻やスケッチを見る機会があり、その都度「気になる・後味の悪い感覚」を覚えたものです。人がただ人として「存在」していることの「不安」、わたしたちの「無名性」にあるのかもしれません。ある時空間に現われては消えていく「存在」、芸術家も例外ではない。わたしは幼い頃から「空想癖」と「放浪癖」があり、よくぼんやり(夢想)していたものです。そのわたしにとって、ジャコメッティの彫刻は「脅威」そのもののように思えたのかもしれません。あまりに「哲学的な問い」を、それ(ジャコメッティの彫刻)は迫ってくるのです。ミケランジェロの啓示やロダンの情熱は、わたしの「空想枠」を広げてくれますが、ジャコメッティの塊からは「静止」しかない。時間どころか移動すらできない、わたしの居場所が自ずと定まってしまうのです。その「隷縛」から逃れる術はこの本を読む以外にない、そう「呪文」のように繰り返し読むのです。やっかいそのものです、「私の現実」は・・・。

竹田青嗣著「陽水の快楽」の紹介
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この本は、古書店でふと手にしたものです。「家にあるかもしれない」と思いつつ、旅先ということもあり、気まぐれに購入した。帰りの電車で読み返してみる、次第に「あの時」が読みかえってくる、不思議なものです。わたしは、大学を出てすぐに「教師」になった。しかしながら、その「立場」に馴染めなく1年で辞めた。それからの数年間は、旅の中でした、内実ともに「放浪時代」といっていいものでした。「団塊(この呼称は好きでないがよく使われる)の世代」が共有している時代背景(色濃い挫折感)があり、社会人としてのスタートラインもそこを起点としている。わたしの友人の友人(あの頃の人脈はただひたすら広いものでした)に「小坂修平(哲学)」がいて、その友人が若き「竹田青嗣」でした。竹田青嗣さんの歌唱力はセミプロ、とりわけ井上陽水が好きで・・・だから「陽水の快楽」は、自ずと生まれるべくして生まれた本です。わたしたちの世代に、井上陽水フアンが多いのには理由があるのです。わたしたちの世代特有の感性のなかに、挫折感の後に来る「しらけた雰囲気(情感)」が住み着いていて、井上陽水の歌がその部分に共鳴するからではないかと・・・行き場のない「中途半端な気持ち」がいまだに続いているのではないかと。この世代の多くは、次第に一線から退く・・・参議院選挙でがんばっている幾人かもこの世代ですが、疲れの色は隠せない・・・。この世の課題は多く、解消は遠い、夢はまだ先の先です。

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