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箱のふた。

PCが壊れてしまったから
何年かぶりにこのブログを開く。


何年か前の私の言葉が入っていた。



久しぶりの友人に会ったような気分。


 私は結婚をしました。


 子供を産んだんだ。

 息子は9ヶ月になったよ。

 毎日、たくさん笑う息子を眺めて
 ツーンと涙がわいてくるんだ。

 幸せな生活をしています。


 追伸。
 あなたは元気ですか?



なんて。
宛てのない手紙を。

親愛なるあなたへ。

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とん、たたん、とん。

 
   『母の日』の話。

この間の日曜日は、母の日でしたね。
みんな何かを届けたのかな。

私は、遠くに住んでいる母に
小さな花束を
贈りました。

パソコンの中のお花屋さんに
遠い土地の名前を伝え、
パソコンで書いた手紙を
小さく添えてもらいました。

一年前も
おんなじお店に
おんなじカードを添えてもらったのだけど
今年のそれは
去年よりも小さな言葉でした。


日曜日は
彼の家族と食事にいく約束をしていて、
お家に伺うと
大きな紫陽花の花が
飾られていたのでした。

彼が、彼のお母さんに
贈った
鮮やかな青色の紫陽花。

彼のお母さんの微笑みが
とても大きくて
紫陽花によく似合うみずみずしさだった。


その日の晩ご飯はとてもおいしくて
夜中に会いにいった友達は相変わらずパワフルで
つられて笑っているうちに
雨模様の空は晴れて
うっかり傘を忘れて帰ってきた。

朝、乾いた身体で目を覚ますと
花束のお礼の手紙が、
ケータイに届いていた。

とても小さな手紙だった。

その手紙で
記憶が揺れて
いしいしんじ『麦ふみクーツェ』を読む。



   『 クーツェはここのところ、
     こころなしか小さくみえた。
    
     とん、たたん、とん。

     外は凍るような寒さなのに、
     クーツェのほうからは暖かい夏土の匂いがした。
     
    「ねえ、クーツェ」
     とぼくはいう。「ずいぶん縮んだね」

    ―――ちぢんだんじゃないよ。ちぢみやしない。

     クーツェはうたうようにいった。

    ―――おおきいちいさいは、きょりのもんだい。
                            』



気がつくと、母親が小さくなっていた。
おばあちゃんも小さくなっていた。
父親も。
家も。
街も。

単純に 時間の問題だと思っていたけれど
本当は 距離の問題だったのかもしれない。

  とん、たたん、とん。

遠くまで届くように

きれいな放物線をえがくように

もう少しだけ高く投げてみようか


   今年は小さなピンク色の花束が届いたはず。
   来年は何色の花を贈ろう。

言葉と音楽

今週の水曜日、
『ユリイカ』の青山真治監督の最新作

『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』

を観てきました。
不思議なタイトルは
「神よ、何ゆえに我を見捨てたもうや」
というヘブライ語だそう。
浅野忠信と宮崎あおいが出ています。

始終、
爆音で、がむしゃらな旋律の「音」がかかり続け、
ラウドな音が苦手な私は
思わず耳をふさぎそうになりながら耐えていたのですが
不思議と
きがつけば何かが解るようになっていきました。

演奏されているのは
決して調律された音楽ではないのです。
乱暴に、たくさんの音を重ね合わせただけの爆音。

それがだんだんと
異国のことばで語られた悲しみのように聞こえ
何かを怖がって叫ぶ動物の悲鳴にも聞こえ
ひとつでは単純に美しかった音が
ごちゃ混ぜになって騒ぎだしたことでそれが生きていることを知り
この音が止んでしまってほしくないと願い
ああ、これは音楽なのだなあと
そう思いました。

言葉と音楽が
とてもよく似ていると
初めて音楽側からそう理解した。

瞬間的な理解ではなくて
あの空間で最後まで耳を澄ませていて
ようやく語りきれるもの。
すごく
映画的な表現だったと思います。


あの空間にいれて
本当によかった。
とてもいい日でした。

ほろ酔いの晩。

今日は、二十歳の頃からお世話になっている
配膳会(ホテル・レストランなどへのサービスマン派遣会社です)の
新年会に行ってきました。
30名ほどの宴会。

横浜で仕事をはじめてから
まだ二週間ほどしか経っていないのに
ありがたくも
いろんな方にかわいがってもらい
さらにやんちゃだった頃からお世話になっている
上司も顔を出してくれ、
楽しいひとときを過ごしてきました。

ひさーーしぶりに飲んだお酒ですが
やっぱり楽しいですね。

焼酎をロックでカパカパ飲んでいたら
『おまえはカルーアミルクで倒れそうなのにな』
と、
おっさんたちが驚いていたり。

ひとりで飲む酒が好きなのですが
こういう大勢のお酒の場も好きです。
以前に先輩に
『気を使え』
と、叩き込まれたように
先輩にお酌をしたり
先に帰るという上司をきちんと席を立って見送ったり
私にしては当たり前のことをしていたのですが

そんな私の行動を見ていた同年代の子に
『世渡り上手だね』
といわれて、
なんだか心がチクリとしました。

上司に取り入って気に入られようとか
うまいことやって株をあげようとか
そんなつもりではなく
単に
楽しく過ごすための少しの気遣いが
歪んでとられてしまうこともあるんですよね。

郷にいりては郷に従え

とはいえ、
今までの環境で厳しく育てられたので
なんだかギャップに戸惑いました。

大きなホテルで働くということは
大勢のスタッフがいることであり
うまくやって行くためには
よくも悪くも
『目立たないこと』
が求められます。
なんだか私はそれがもどかしくて
苦手なようです。

むずかしいな。

『おもひでぽろぽろ』
の妙子ちゃんが学芸会でやった演技、
村娘Bとかそんな役だったのですが
『カラスが山に帰ってゆくよ!』
という台詞のあとに
小さく手を振って見送る
なんともひそやかで
さりげなく美しい

そんなことを目指して行かなくては
ならないのでしょうか。
うむむ。


それでも
今日はいろんな方とお話ができてよかった。
抽選会で20インチの液晶テレビをとり損なったのだけは
悔いが残りますが。

さあ明日も仕事だ。
外は、雪。
朝になったら積もっているかしら。

ギフト

駅について
あんまり寒いと思ったら
気がつけば
雪が降っていました。

18時くらいの
少しのあいだだけ
だったようだけど。

辛いことがあって
うっかり下ばかり向いて歩いて
しまっていました。

気がつけば
空を見た。

雪はいつだって
私の味方だ。
必要なときに私に
舞い落ちる。

神様がくれたGift。

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