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『仏教ビジネスのからくり』 井上暉堂著 2010年10月30日発行
この本の著者は、慶應義塾大学卒。プロボクサー、新聞・経済誌記者、慶應ビジネススクールにてMBA修得などの経歴が並ぶ。
臨済宗の老師でもある会社経営者ということだ。 内容は
序 章 「知らぬが仏」では済まされない
第一章 知られざるお寺のガバナンスシステム 第二章 戒名・お墓・お布施の真実 第三章 ビジネスマンも顔負けの仏門ビジネス 第四章 ボーズ・ビー・アンビシャス(坊主よ大志を抱け!) である。
宗教・・・特に仏教の歴史背景と現在の制度の概略、宗教法人が、いかに税金面で優遇されているかが最初に紹介されており、更に、どのように運営されているか・・・や、収益の構造も示されている。
宗教を信仰する人の心理やきっかけは様々だと思うし、その信仰の強さも人それぞれだろう。
“走るおっさんライダー”は、特に新宗教・新新宗教の問題に興味は強いが、既存宗教の問題点も多いと思う。 この本で述べられているのは、信者の信仰の姿勢や、オカルト的な部分ではない。
『寺』及び『宗教法人』というシステムの問題点や、今後の道筋を示すものと言えるかもしれない。 宗教が、宗教としてあるべき姿とは一体何なのか・・・?
既成の仏教が、葬式仏教と呼ばれるようになって久しく、多くの坊主、僧侶も、仏教を心の拠り所としてではなく、職業の一つ、生活の糧として扱っているように思える。 各人の思いとは別に、法律制度もそう言った扱いを助長していると感じられるのだ。 そして、既成宗教の問題点を逆手に取り、宗教法人制度を利用して、新宗教・新新宗教が数多く立ち上げられ、
『救済』の建前のもと、一時期は強引な勧誘によって信者を増やし、信者から金を集め、そのいくつかは大きな力を得た。 そこに、現在の“宗教団体”或いは“宗教法人法”の本質的な問題点があるように思う。 大雑把に言うと“走るおっさんライダー”は、キリスト教と、新宗教・新新宗教とに共通点があると思っている。 一つは、キリスト教の終末思想による脅しと、仏教系の宗教では、先祖とか祖先の罪の償いなどである。 ニュアンスはそれぞれで違いはあるが「このまま行けば破滅だ。」と言って、信者を自教団の指導に従わせる点で共通しており、もっと言えば、自然保護などを叫ぶ人たちも同じことをやっている。 しかしこれらは、論理的に説明しきれていないのである。「科学的な証明がないから。」とは言わない。
現在の科学が、全ての事象を説明するまでに至っていない以上、“科学的な証明”は絶対ではないからだ。 例えば、天文学による天体の軌道が知られていない時代。
まれに起こる、太陽が月に隠される“日食”は、それを見たことがない人に、 「ある日突然お日様が黒くなり、雲一つない晴れた昼が夜のように暗くなる事があるのだ。」と言っても、 「俺はそんなのは見たことがない。見てないものは信じない。」と言ったかも知れない。 天文学が無い時代だから、その時代に「科学的に証明してみろ。」と言われても無理な話である。 やがて“日食”が起こった時「これは奇跡だ。神の仕業だ。神は存在する。」と言う者がいたかも知れない。
しかし、現在なら誰でもわかるとおり、それは奇跡ではなく、神の存在証明にもならない。 現時点で解明できない珍しい事象があっても、それは“神”や“天国と地獄”、“奇跡”“輪廻”“心霊”・・・、 そう言ったものの、論理的な存在証明には必ずしもならないことを、多くに人に認識してもらいたいものだと思う。 そうでなければ、 それを利用(悪用)して、人々を騙そうとする輩が常に出てくるからだ。
このような、人を脅したり騙したりする行為は、社会にとって害なのである。 |
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