産廃反対東総住民連絡会

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阿部一成 陳述書 1/2

陳 述 書
2009(平成21)年3月16日
被控訴人 住所 千葉県旭市後草3230
氏名 阿部一成
生年月日 1929(昭和4)年2月2日生

 私は、1964(昭和39)年3月より現住所に居住し、1.58ヘクタールの農地で、主に切花の生産販売により生計を立てています。農業生産施設は、カーネーション栽培のための12アールの温室が主なものです。農作業は、長男のほか、私と妻の2人が従事し、現在家族3人が働く施設園芸農家です。
 私は、戦後まもなく、施設花卉園芸をめざし、当時温室園芸の先端技術をもっていた都内田園調布の玉川温室村で研修の後、1952(昭和27)年から、多摩川対岸の川崎市宮内に農地を求め、温室栽培による切花を生産し、都内の市場に出荷する園芸農家になりました。
 それは、多摩川の流域固有の肥沃な沖積土層と地下の豊富な伏流水が、温室切花の生産に最適であると言う、恵まれた地域に着目して近代的切花生産を築いた先人達の指導によるものでした。

(地下水の汚染)
 しかし、温室経営も軌道に乗り、切花生産も安定した、1960(昭和35)年頃より、川崎市宮内地区の施設園芸地帯の井戸水に異変が起こり、腐敗臭や、舌を刺すようなピリピリした味で、とても飲用には使えない水に変質してきました。当然、切花生育のための事業用水にも不安で使えません。
 周辺の住民が原因をたどった結果、当時、都市近郊の農村地域では、建設業者が地主農家との契約で、田畑の表面の耕土から、地下10メートルぐらいまでの砂・砂利を、壁土やコンクリートなどの建設材料に売却し、跡地に解体家屋の廃材やカーバィト滓(テトラクロロエチレン)などの産業廃棄物を大量に投棄して、建設残土で覆土して返すという小規模産業廃棄物処分場が地域に乱立しており、それによる地下水汚染だと判りました。
 しかし、汚染された地下水脈での水質の復元は、膨大な負担を要し、個人の手に負えるものではないとされ、結果として地域に点在する園芸農家は、多額の自己負担で飲料水だけでも市営水道に加入する羽目になりました。以降、この地での温室経営は心ならずも断念せざるを得ないことになりました。

(移住)
 私たち家族は、産業廃棄物による地下水汚染に追い立てられるように、きれいな環境を求めて、ここ旭市に移住しましたが、その間私はカーネーションの栽培適地を求めて各地を探しました。
 カーネーションの栽培にはきれいで豊富な水が絶対条件です。適地と思うところでは、まず井戸の深さや水質の状況、鑿井業者の意見も聞きました。
 その結果、旭市(旧海上町)の台地は、清浄な地下水が四季を問わず豊富で、しかも気候が温暖でカーネーションの栽培はもとより、各種野菜の生産適地であると判断して選びました。現在では県内はおろか全国有数の野菜生産地となっています。
 私の農園には2本のボーリング井戸があり、深井戸ポンプで揚水しています。深さは地表から水面まで23メートルから26メートル、水深は2メートルから5メートルと、季節によって多少の変動がありますが、台地集落の平均的水位で水量も豊富です。
 井戸水の状態は、極めて良好です。当然のことですが、無色透明で、無臭で良質な井戸水です。水温は年中15度から16度で安定し、冬温かく夏冷たいという点でも有利です。現在では温室栽培用水と生活用水は、すべて井戸水を使用しています。
 農園の水需要は農業用、生活用あわせて、週に約15トンから20トンになります。温室栽培には大量の水を使います、水道水では経営的にも採算があいません。自然の水が最適です。近隣市町でも台地集落の住民は、井戸水利用で古来より問題なく健康な生活を続けています。

(農業委員会)
 また、私は移住して以来、東総用水土地改良区総代、海上町農業委員、海上町議会議員など、農業の環境や暮らしを守る側の役職を務めてきました。   
 (株)エコテック産廃処分場設置については、当初から地元住民の建設反対の声が高く、周辺地域の農業環境の悪化と、地下水源にかかる生活環境への影響も極めて大きいため、地元の実情について申しあげます。
 私はその頃、海上町農業委員と合併後の旭市農業委員を務めており、農用地の権利移動についての審査や、農用地利用の適正化と地域農業の振興に携わっていました。
 本件処分場に係る問題では、関係する銚子市、東庄町、海上町の各農業委員会とも(株)エコテックが申請した「産廃施設用地として賃借農地の一時転用」の是非を審議していますが、各農業委員会とも地元農家への影響を重視し、「不許可相当」として県に具申・進達し、以後、関係3農業委員会は、毎年同趣旨の「一時転用の更新」申請に、地元住民の意向を集約した意見書を添え、一貫して「不許可相当」と進達しています。
 しかし、千葉県農林部は地元各農業委員会の進達を無視したうえ、申請事業者との信義則によるとして、農業法人以外の株式会社への水田農地の賃貸借を認めたうえ、何の説明もなく「一時転用」の許可を8年間も更新したことは、到底理解できないところです。
 また、海上町農業委員会は1998(平成10)年5月、千葉県と県議会に「管理型産廃処分場の設置は周辺地域の農業生産環境を悪化させる」として、町長、議会議員、農協、商工会の代表22名と「設置反対」を陳情しています。
 更に7月、関係する一市二町の全農業委員69名が、千葉県庁を訪れ「産地の生産環境の悪化」を防ぐため、知事に「産廃処分場の設置取り止め」を重ねて陳情しています。

(町・市議会)     
 同じ時期、私は町議会議員として文教厚生、議会運営、総務の各常任委員や環境審議会委員なども務め、地域の実態に接する機会も多々経験しました。後述する「産廃処分場設置の是非」を問う住民投票は、まさに渦中のことでありました。
 当時、海上町議会は1988(昭和63)年頃から、町内に搬入される産業廃棄物の不法投棄や産廃処分場の新規参入に対応するため、行政職員と近隣の産廃処分場を視察しています。神奈川県のK社(本社・川崎市)の管理型産廃最終処分場は、横浜市郊外の谷津状の傾斜畑に勤労者住宅が点在する地域に造成され、進入路もさして広くない生活道路を利用しています。
 大型ダンプが往来し、道路に沿った水路には廃棄物の処理水が放流され、処分場特有の異臭がする、高さ3mの鉄板で囲われた1ヘクタールあまりの中規模の処分場でした。説明が終ると一同鼻を押えて辞去しましたが、後年、下流域の地下水汚染や周辺住民の生活環境破壊と健康に与える被害が懸念される状況でした。帰町後の討議では「不法投棄は勿論、産廃処分場の設置は百害あって一利なく、自然環境の保全を目指すべき」と結論しています。
 直後の議会で「産業廃棄物最終処分場設置反対」を決議し、行政当局も直ちに「自然と環境を守る」姿勢を表明し、議会に続き「産業廃棄物最終処分場設置反対宣言の町」を発表しました。
 1998(平成10)年5月、(株)エコテック最終処分場の設置申請に係る千葉県の問い合わせに際し、議会は臨時町議会を開き、再度「産業廃棄物最終処分場設置反対」を決議して、住民の意志として回答しています。
 この間、事前協議終了直前,申請者(株)伸葉都市開発の、佐藤光男(代表取締役)、横山隆(当時、伸葉都市開発・顧問)、大北晶敏(弁護士)、高橋三千雄(同和同盟地域改善対策事業連合会千葉県連合本部・会長)、小川正則(税理士)ら5名が再三来庁し、町幹部に「産廃処分場受け入れの同意」を迫り、恫喝めいた言動で威迫したことも記録にあります。
 同年8月、海上町では、本件処分場計画に係る「産業廃棄物最終処分場設置」の判断を全有権者に問う、千葉県初の住民投票が行われ、投票率87%、設置反対票率97%を超える圧倒的多数の住民による設置反対の意思を確認しています。

(産廃処分場による被害)  
 (株)エコテックが計画する大型(管理型)産廃処分場は、千葉県の説明では、埋め立て面積48,000屐⊃爾毅隠毅蹇腺横娃蹇∨笋疥て量742,000立法メートル、を10年間で埋め立てるとし、搬入する産業廃棄物の70%は、漏出すれば周辺地域に重大な環境汚染を起こす猛毒のダイオキシンや重金属類を含む、燃え殻や煤塵・汚泥などという、途方もない計画です。
 廃棄物の焼却により生成されるダイオキシンの20%が飛灰に、80%が燃えがらに含まれると言われますが、それらを満載した10トン車がセンターラインも引けない狭い市道を10年間、1日30往復します。
 こんな迷惑なことが許されるのでしょうか。野菜産地は年中農繁期です。地元耕作者は,狭い市道や農道でも邪魔にならぬよう小型のトラックやトラクターを使っています。一度、事故でも起これば野菜産地にとっては致命的な影響を受けます。農業生産振興上、農業委員会が危惧する一因でもあります。
 また計画地を含む周辺の平坦な北総台地の特徴は、粒子が細かく柔らかな火山灰土壌ですが、冬期、この標高30m〜50mの台地一帯は「木枯らし」とともに北西の季節風が吹き荒れます。20mを超える強風で黄塵が空を覆い視界を妨げることも、しばしばあります。夏期には台風が襲来し、進路によっては30m前後の荒れ狂う暴風が台地を直撃します。
 処分場はこの中に造られるのです。ダイオキシンや重金属が微細な煤塵や燃え殻とともに、10km〜20kmにわたって拡散します。平坦な台地にはさえぎるものはありません。いずれも人事の及ぶところではなく、季節を問わず半径数キロメートル、数万人の頭上に拡散します。汚染物質の地下への漏出を含め、私たち地元の被害は目に見えています。
 このような圧倒的住民の不安や反対にもかかわらず、エコテックは事前協議書を提出した1988(昭和63)年4月以来21年、現在に至るまで、事業計画、施設の構造、廃棄物の種類、処分の方策、環境汚染賠償責任など、周辺集落住民への最低限の説明すら一切しないという、住民無視の態度を取り続けています。
 処分場に搬入される廃棄物の70%が、ダイオキシンを大量に含む燃えがらと、人体に大きな影響を与える重金属類を含む汚泥であると知った住民は震え上がり、住民を無視して設置を許可した千葉県環境部の産業廃棄物行政に怒りをあらわにしています。
 また、この種の処分場による環境被害は、近年各地で頻発しています。同じ千葉県八千代市の一般廃棄物最終処分場の事故例のように、自治体が廃棄物最終処分場として、指導機関の千葉県環境部との緊密な指導で建設した施設でさえ、1995(平成7年)一般廃棄物の焼却残滓(燃えがら)等の埋立て開始後、わずか2年3ヶ月で地下水への漏出が検出され、工費55億円、工事期間8年、という全面的な改修工事をした実例があります。
 この事例も、千葉県環境部の産業廃棄物行政(指導・許可)の信頼度が問われるものとして、松ヶ谷地区だけに止まらず、銚子市、東庄町の計画地周辺の住民にも、大きな衝撃を与えています。

=>続く

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