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こども の ころ・・・
「どれが いいの?
早く決めなさい!」
と 言われると
必ず 困ってた
ショップの たなに
あか あお きいろ ピンクに ブルー
虹色に並んだ かわいい箱を 見つけ
ぜんぶがいい! と 思ってしまった
虹色に そろって 並んでいるから
みんな 輝いている・・・
そんな かわいさ だった
「ぜんぶなんて ダメよ!」と 言われ
ひとつも 買って もらえなかった
いっしょうけんめい そろっている美しさを
説明したけれど うるさがられて ダメだった
そんなとき 弟は うるさく騒がず 無言の作戦
かなり 高い おもちゃから 少し 離れ
「あれ ほしい!」とも 言わず
じっと 見つめているだけ・・・
でも そんな いじらしさに
おばあちゃんは 感動!
弟の作戦勝ち 高額オモチャを ゲットした
幸せを 手に入れたのは ・・・ 弟
幸せを 逃してしまったのは・・・わたし
大切なものを 手に入れるには
作戦が 必要
むやみに ほしいを 主張すると
ダメ ダメ いばらが のびてきて
買ってあげると 決めていた人の
買ってあげたい気持ちを つぶすらしい
そんな おばあちゃんが 病院のベッドで
最期のとき 言ったのです
「好きなものは・・・たくさん あっても
いいんだよね・・・」
こどものころに 戦争があって
ほしいものなんて 買ってもらえなかった
おばあちゃん
買ってもらえるだけでも うれしいのに と
うるさがられた わたし・・・
弟の ほしいものから 少し 離れ
じっと 見つめるだけの さびしさは
昔の おばあちゃん・・・の さびしさ
心を くすぐった 人の 勝ち!
その後の人生でも ワンセットで ほしがった わたし
自己主張が 強すぎて 思い通りに なることは
少なかった
しあわせ いっぱい 逃がしてきた
それでもいい と がんばった
でも 最期に そんなことを 言われると
もっと 早くに おばあちゃんと 仲直り
しておけば 良かったと 泣けてきた
「わたし… 幸せ逃がす子 だよね」
そしたら おばあちゃん こう言った
「いくつになっても ケンカ できるなんて
こんな 幸せなことは なかったよ
あんたのおかげで 長生き できたんだ
ありがとね・・・
あんたは わたしの 天使だったんだからね」
そう言って 笑って 息を 引き取った
「ありがとうって 笑って 息を引き取った人…
初めて見ました」・・・と看護師さん
わたし 幸せは 逃がしてたけど
幸せを あげていたんだ
それを 笑って 教えてくれるなんて
ありがとう・・・幸せ もらったよ
人って 知らないうちに 幸せの中に
いるんだね
逃がしてるって 思うとき
それで だれかを 幸せにしてるんだ!
すごいこと 教えてくれて ありがとう!
幸せって わたしを 自由に 出入り してたんだ
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