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【まず師匠を一枚】
「関根さん、この間新宿に行って、今まで持っていたカメラを下取りしてもらって、新しいのを買ってしまいましたよ。
本当は、もう少し待てば、この機種の上位機種が出るんですけど、その前に山に行く予定を立てているので、買ってしまいました。」
「どれどれ、わー、軽くて持ちやすいね。さすがに前のものより使いやすそうだね」
「そうなんですよ。気に入ってるんですよ。本当に格好の良いカメラだなって思っているんですよ。」
「もう、どこかで試し撮りしてきたの?」
「はい、安曇野のほうに朝早く行ってきました。見ますか」
パソコンを持ってきていた彼はその時の写真をあれこれ見せてくれました。
「そういえば、最近のことなんですけどね。職場でいつも失敗の多いやつがいて、周りからはあれこれ文句を言われる事が多いやつなんですけど、文句を言ってもそいつは凹むだけで、改善はされないんだよねって思ったんです。
そして、そいつを見ているとまるで数年前の自分のような気がして・・・。
だから、怒っているやつに、いや、俺も昔はあんな感じだったんだけど、怒っても治らないよ、丁寧にこれはこういうふうにしてほしいって指示してやれば、きっとゆっくり改善すると思うから、怒鳴らないで、教えてやってくださいよ」って言ったんですよ。
そいつは、怒られると、次の日には休んでしまったり、取扱が難しかったんで、ああ、そういうところも俺と似ているなぁと思って、俺はそいつに言ったんです。
「嫌なこともあると思うけど、お前にはできることはあるんだから、この部署にいてくれ、いてくれることで助かるんだから、嫌なことを言われたら、俺に教えてくれ、そしたら、俺は、何が問題だったのかお前に教えるから。
俺も引きこもり気味で、切れやすく、人との付き合いは下手だったし、具合も悪くなりやすかったので病院に行って、カウンセリングも受けているんだけど、だんだん元気になってきているから、お前のこと、似てるなぁって思って心配しているんだよ。
だから、怒られたりしたら、俺にすぐに教えてくれ、何が問題だったのか、どうすればいいか、考えるから」
そしたらね、そいつ、俺のところに結構話にやってきて、だんだん元気になってきてるんですよ。そして、俺はほんとに、そいつに似ていたなぁって気づいたんですよ。あ、でも、そいつ、カメラはやらないって。でも、俺が人のことを心配していろいろ話せるなんて思っていませんでした。」
「おー、すごいね、自分の気分が少し楽になってきて、人のことを少し心配できるようになるって、きっと自分の心が快復してきている証拠かもしれないよ。よかったねぇ。」
「いやぁ、これは絶対カメラのおかげです。楽しいもん。
このカウンセリングに来て関根さんに出会えて、カメラを教えてもらえて、元気になって、夏前に尾瀬に行く予定です、その前に一緒にどこかに行きましょうね。
そうだ、せっかくカメラ持ってきたから、師匠を一枚撮らないとね。じゃ、撮りますよ。関根さんの笑顔は良いんだよなぁ。俺にはそういう笑顔できないです。歯がきれいなのかなぁ」
こういうカウンセリング、嬉しい時間です。
写真は
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