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我が家には、大小合わせて4台の扇風機がある。だがまだ出していない扇風機が
1台残っていて出そうか、どうか迷っている。それは昨年の夏。計画停電が発表されて
慌てて買った充電式の扇風機だ。猛暑の夏に冷房は絶対に止められない。
高齢の母にせめて、扇風機だけでも使えるようにと買ったものだった。外国製でいろいろ 便利な機能が付いているのだが、使い方が難しくて苦労した記憶がある。その母が
5月に他界した。享年101歳。認知症も進み、車椅子の生活も長く続いた。
私の在宅介護は11年に及んだが、今振り返れば一気に駆け抜けたようにも思える。
身体機能が次第に失われていく母だったが、真っ直ぐで控えめで、愛情あふれる人だった
他人を責めることも、疑うこともなく、ただ黙って不自由な生活を受けいれてくれた。
そんな母を不憫に思い、これから先、母が少しでも穏やかに暮らせるならばと、いくつもの
介護用品を買いそろえた。一人ではもう何も出来なくなった母。
声さえ出ない。異常気象も多くなり、暑いにつけ、私は母を守る準備を整えるようになった。
衰弱していく母を見て、その思いはいつしか強い決意に変わっていった。
避難用のリュックには今も母のおむつがいっぱい詰まっている。3台の扇風機で十分夏を
越せるのだが、母の扇風機、出そうかどうしょうかと、何故か迷っている。
「女の気持ち>コラムより」
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