ポール岡田の「昨日・今日・明日」 :C'est la vie

2010年活動再開のGS出身ロック・ミュージシャン。フレンチ系エンタメ情報、60's、映画、スポーツ、etc。

Tokyo-Paris

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「パーソナル・ショッパー」は、なぜかパリのハイブランド・ファッションを舞台背景に展開するスピリチュアル・ミステリー。



オリヴィエ・アサイヤス監督が昨年(2016)のカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したフランス映画「パーソナル・ショッパー/ Personal Shopper」が、
512日からTohoシネマズ六本木ヒルズほかで公開されている。

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この映画の中心となる舞台はパリ。

3ヶ月前、双子の兄ルイスを心臓発作で亡くしたモウリーン。

彼女にはスカイプで繋がっているアラビア半島在住のボーイフレンドがいるが、兄の死のショックはあまりにも大きかった。

双子のモウリーンと兄ルイスは、先に死んだ方が残っている方にサインを送ると誓い合っていた。その霊的なサインが来れば、きっと悲しみから立ち直って、新たな生活に切り替えることできると信じ、ルイスが住んでいたパリに住み続けていた




彼女の仕事はパーソナル・ショッパー。
忙しいセレブから依頼を受け、クライアントに代わって、服・靴・アクセサリーなどを買い付ける、個人専属スタイリストのような業務。

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このところは、キーラという、部屋の合鍵まで渡された女性クライアントに振り回され、彼女の一方的な伝言による指示で、シャネルの本店、カルティエなどのお気に入りハイブランド店だけではなく、時にはロンドンまで行って、的確に商品を選び、購入して、指定時間内に届ける日々。
しかも、モウリーンに試着を禁じる厳しい注文も・・・。

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ある日、ロンドンへ買い付けに向かおうとした駅で、
モウリーンは携帯電話に差出人不明のメールを受け取る。
それは、まるで彼女を監視していたかのような内容。
モウリーンは意を決して「ルイス?」と問いかけるが無視され、
「まず、接触したい」という返信が来る。


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そして、ロンドンから戻り、キーラ宅に衣装を届けると、
モウリーンは、また差出人不明のメールを受ける。

「キーラの家に着いたのか?」

謎の相手は、モウリーンの仕事の内容も知っているようで、
そのメール誘導により、彼女は禁を破ってキーラの衣装を着てしまう。



そして、彼女が想像もしていなかったことが起こる・・・。





監督・脚本はフランス出身オリヴィエ・アサイヤス。
1986年に「無秩序」で長編デビュー。
その後。「パリ・セヴェイユ」(91)、香港のスターであったマギー・チャンを主演にした「イルマ・ヴェップ」(96)などの作品を監督。

この映画がきっかけでマギーと結婚をするが、
の後、離婚してから再びマギー主演の「クリーン」(04)を制作。
この作品でマギーはカンヌ国際映画祭の女優賞を受賞している。
(ドラッグ中毒の歌手の再起を描いた「クリーン」に関して、僕は2009年の
9月に、このブログに試写メモを投稿している)

その後の代表作には、ジュリエット・ビノッシュを主演に起用の「夏時間の庭」(08)や「アクトレス〜女たちの舞台〜」(14)などがある。
この「アクトレス〜女たちの舞台」では、
今回主演のクリステン・スチュワートがビノッシュと共演している。

またアサイヤス監督は、ブライアン・イーノやソニック・ユースなど個性的なミュージシャンとのコラボレーションも多く、音楽ドキュメンタリー映画「NOISE」(06)なども制作している。




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主人公モウリーンを演じるのは、
米国ロサンジェルス出身のクリステン・スチュワート


10歳の時に、映画デビューを果たし、翌年に、デヴィッド・フィンチャー監督の「パニック・ルーム」(02)で主演ジョディ・フォスターの娘役を好演して注目を集めた。
その後、山田洋次監督の「黄色いハンカチ」をハリウッドでリメイクした
ウダヤン・プラサッド監督「イエロー・ハンカチーフ」(08)で<朱美>にあたる少女マーティン役を演じて、高い評価を獲得。
そして、1970年代に人気を博したガールズ・ロックバンド「ザ・ランナウェイズ」の軌跡を描いた音楽映画The Runaways」(11)では、バンド・リーダーで男まさりなギターリスト、ジョーン・ジェットを演じた。

アサイヤス監督の前作「アクトレス〜女たちの舞台〜」では、米国人女優として初めてフランスのセザール賞の最優秀助演女優賞に輝いている。





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衣装提供にシャネルなどが名を連ね。シャネル本店があるパリのカンポン通りでも撮影を敢行したファッショナブルな世界と霊的世界の交錯。

霊の存在がどこかエレガントなファンタジーに感じられたり、
突然、ホラー映画のような脅しが現れたり・・・、

でも、霊の存在をリアルに感じさせながら、
リアルな女性の前向きに生きる心を描く・・・・
とても不思議な映画である。


とにかく、クリステン・スチュワートが魅力的。


そして、作品の前半部分はほとんど音楽を感じないが、
中盤に流れるデイトリッヒのヴォーカルが妙に気になった・・・・。



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