ポール岡田の「昨日・今日・明日」 :C'est la vie

2010年活動再開のGS出身ロック・ミュージシャン。フレンチ系エンタメ情報、60's、映画、スポーツ、etc。

Tokyo-Paris

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仏映画「バルバラ〜セーヌの黒いバラ」


「黒いワシ」や「ナントに雨が降る」などのシャンソンで知られ、
1997年11月に67歳で他界したバルバラ・・・・・。
パリで生まれ、1950年代からフランス音楽界でシンガー&ソングライターとして存在感を高め、シャンソン界の女王として君臨した。


そのバルバラの孤高の存在を、個性派俳優でもあるマチュー・アマルリック監督が、主役に女優ジャンヌ・バリバールを配して独特の表現スタイルで描くオマージュ映画「バルバラ〜セーヌの黒いバラ / BARBARA」が
11月16日からBunkamura ル・シネマほか全国で公開される。

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在りし日のバルバラ像を描くこの作品は、
「エディット・ピアフ〜愛の讃歌」、「ゲンスブールと女たち」、「最後のマイ・ウェイ CLO CLO」、「ダリダ〜あまい囁き〜DALIDA」など公開されたフランス音楽界のスターたちの再現ドラマ仕立て風の伝記映画とは一線を画し、独特の構造スタイルで描かれている。
・・・・・・アマルリック監督が敬愛するバルバラの映画を制作するにあたって、いかにフェイク臭を感じさせない作品を作れるかと思い悩み、たどり着いたのが・・・・ある女優が映画でバルバラを演じるという映画撮影の模様を描くドラマを撮らえるという二重構造の設定による表現・・・・<入れ子構造>と言われるれる劇中劇的な映画スタイル・・・・だと推測される。


アマルリック監督は、主演のジャンヌ・バリバール(音楽アーティストとしても才能豊かな女優)をバルバラ役ではなく、映画女優ブリジット役を設定。
・・・・そして、そのブリジットがバルバラを演じ、アマルリックが演じる監督のイヴが演出する新作映画の撮影シーンなどに、バルバラ本人の過去の貴重なステージ映像も交えながら、[ジャンヌ・バリバール]が[バルバラ]に同化する瞬間を描こうと画策した。

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女優ブリジットは、バルバラになりきるため彼女の性格や歌声、動作などすべてを真似して自分の中に取り込もうとする・・・・・。

ブリジットの中でバルバラの存在は少しずつ大きくなり、
いつしかバルバラに支配されて・・・・。
そして監督のイブもバルバラに染まるブリジットに混乱し、、
二人は徐々にフィクションと現実との境界を見失っていく・・・・・。


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本作品の監督であり、劇中でジルも演じるマチュー・アマルリックは、
パリ近郊の出身。
1984年に映画初出演した後、裏方仕事をしながら短編の制作や俳優を続け、96年にアルノー・デプレシャン監督の「そして僕は恋をする」でセザール賞の有望若手男優賞を受賞。その映画で共演したジャンヌ・バリバールと私生活のパートナーとなり2子を設けるが後に離婚。
そして、デプレシャン監督の「キングス&クイーン」(04)が米国でも注目され、スティーブン・スピルバーグ監督作「ミュンヘン」(05)でハリウッド映画に初出演を果たす。
その後の代表作として「潜水服は蝶の夢を見る」(07)、「007慰めの報酬」(08)、ノエミ・ルボフスキー監督の「マチルド、翼を広げ」(18)など。

監督業としては、
1997年に「Mange Ta Soupe(原題)」で長編監督デビューを果たし、
「さすらいの女神たち」(10)でカンヌ国際映画祭の監督賞を受賞している。



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主人公ブリジットを演じるジャンヌ・バリバールはパリ出身。
主な代表作品は、「そして僕は恋をする」(96)、ジャック・リベット監督の
「恋ごころ」(02)、ディアーヌ・キュリス監督の「サガン 悲しみよこんにちは」(09)、オリビエ・アサイヤス監督の「NOISE NOISE」(09)と「クリーン」(09)、
女優ジャンヌ・バリバールの歌手活動を追ったドキュメンタリー映画「何も変えてはならない」(10)、「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」(14)など。

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この映画のジャンヌ・バリバールはすばらしい。
彼女はこの映画の撮影に入る前に、バルバラの個性を形成する曲作りの方法を理解する目的で、歌い方、ピアノ奏法、作曲テクニックなどを長い時間をかけて学んだらしい。まさしくプロフェッショナルの仕事の流儀だ。                                        


愛の闇を言葉の波動で語るように歌う・・・・。
ジャンヌ・バリバールの魅力を通して、バルバラの深みのあるシャンソンの表現力を新たに教えられたような気がする。


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