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Au 11 Octobre 2010
スペイン発のミニマルな超密室サスペンス映画「リミット」が、
11月6日から公開されている。
オープニングのミステリアスでオシャレなタイトルの後、
映画は、仄かな光に浮かぶ横たわる男の姿から始まる。
この男はアメリカ人の運転手ポール・コンロイ。
アメリカの運送会社に雇われ、イラクの都市で運送業務をしていたが、
仕事中に突然、何者かに拉致され、
地中に埋められた棺桶のような箱の中に閉じこめられている。
カメラは、この棺の中のポールの姿だけを撮え続ける。
ポールが目を覚ますと、そこは残り90分の酸素しかない密室であることに気付く。
そして手許には見慣れない携帯電話とジッポらしいライターのみ。
携帯のバッテリー残量は僅からしい。
灯りはライターに頼るしかない。
ポールは、雇い主のアメリカの運送会社の本社に電話をして、状況を伝える。
しかし、なかなか緊急の状況を理解して貰えない。
そのうちに、イラク人と思われる拉致犯らしい男から電話がくる。
助かりたかったら、アメリカ政府に身代金を払うように連絡をしろという指示だった。
そして、政府の返事が遅いと、
携帯電話のカメラで自分の姿を撮影して、画像を送信するよう指示もされた。
助けを依頼している米軍の救援隊とのライフラインとなる携帯の充電も、
ライターのオイルも、棺の中の酸素も、そして犯人側の要求も、
刻々とその限界が迫ってくる。
そして、非情にも、この状況で責任回避の契約を強要する運送会社。
異常な緊迫感の中でもがく、密室のポールの姿・・・・・・。
監督は本作品の製作・編集も担当したスペイン出身のロドリゴ・コルテス。
映像に登場するただ一人のキャスト、主人公ポール・コンロイ役を演じるのは、
カナダ出身のライアン・レイノルズ。
主な出演作品に、「X-MEN ZERO」(09)、「あなたは私の虜になる」(09)などがある。
私生活では、2004年にミュージシャンのアラニス・モリセットとの婚約〜解消(06年)を経て、
2008年に人気女優スカーレット・ヨハンソンとカナダで結婚している。
映画「リミット」で、このサスペンス・ドラマの準主役とも言える役割は、
海外とも通話できる携帯電話とそこから流れる声の存在である。
僕は、8月に33人の男たちが地中に閉じこめられた
チリのサンホセ鉱山の落盤事故を思い浮かべた。(10月14日に全員の救出)
あの時も地下と外界との連絡をハイテック機器が通信メディアとして活躍していた。
カメラ付き携帯電話だけが手許にある超密室サスペンスは、
ヒッチコックの時代には考えられなかった設定である。
そして、ワンショット映像ではないが、棺の中の世界の映像と、
外界の音声だけのミニマルな要素でドラマを完成させるアイデアは、
とてもロックな感覚で面白い。
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