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日本におけるPCBは、『ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理に関する特別措置法』が平成13年に制定され、使用が停止されて回収保管されているPCB廃棄物に保管や処理については、一応処理体制の整備なども含め、平成28年までにPCB廃棄物を処分するものと規定されています。 平成15年4月にはポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画が策定され、広域的な処理体制の整備を進めるなど必要な対策が講じられています。 ただ、現時点での日本におけるPCB廃棄物の量は、完全には把握されておらず、それらが全て適正に処理されるのかという不安は拭いきれません。 また、電気機器などの絶縁油としてPCBが使用されている場合、機器メーカーが意図的にPCB油を使用していた機器は、PCB入りかそうでないかはある程度判断ができますが、そうではなく機器メーカーも知らないうちに混ざりこんでいたという機器に関しては、どれほどの量があるのでしょうか。 これはPCBが高濃度か、低濃度または微量かという問題でもあり、現時点では高濃度の機器に関しては一部処理が始まっておりますが、それ以外は未だ処理方法が決まっておりません。 一部と書いたのは、高濃度PCB入りのトランス・コンデンサーで10kg以上という条件があるからです。また、蛍光灯の安定器の中にある小さなコンデンサーについても、一部の地域(東京・神奈川・埼玉・千葉)でしか処理できず、それも本格的に処理されているわけではありません。 特別措置法という期限が限られた中での処理ということで、その進捗状況は常に見守っていかなければなりません。 実は平成28年度までに処理をしなくてはならないと規定されているのですが、PCB廃棄物を処理するJESCOの処理施設自体がPCBを処理することで汚染され、処理施設自体を平成28年まで無害化処理しなくてはなりませんので、いわゆる巷のPCB廃棄物は平成27年がある意味で処理の期限になります。 今年が平成21年ですから、あと7年しかありません。 高濃度のほかに低濃度の電気機器、そしてその他にもPCB廃棄物はかなりあります。 カウントダウンが始まったPCB廃棄物の適正な処理に向けた今後の展開が、どうなるのでしょうか。 |
PCBとは
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POPs対策は国際的な問題であり、UNEP(United Nations Environment Programme:国連環境計画)を中心として、各国関係省庁、政府間組織、非政府組織(NGO)、産業界などが協調・協力し合って対策に取り組んでいます。 しかし、東アジア諸国においては化学物質管理が進んでいる国があまり多くなく、欧州と比べて対策が遅れているようです。 条約を締結していない国へも働きかけ、国際的な協力態勢を築き、地球規模のPOPs汚染状況や実態を把握し、POPsの監視体制を強化することを期待します。 POPsの汚染を防ぐには、そのPOPsの性質や影響がどのようなものかを理解することが大切です。 また、条約にあげられている12の化学物質のほかにも、同様の性質を持つ他の有機汚染物質があるかも知れません。そのような新たな可能性を見つけ出し、製造や生成されることによる汚染が生じないようにするのも、必要なことだと思われます。 日本では1968年に、PCB等が混入した食用油を摂取した人たちに障害が発生するなどの健康被害が福岡県を中心とした西日本で起きました。 いわゆるカネミ油症事件です。 【カネミ油症事件概要】 福岡県北九州市小倉北区にあるカネミ倉庫株式会社で作られた食用油(こめ油)に熱媒体として使用されていたPCB(ポリ塩化ビフェニル)が混入し、それを摂取した人々に、顔面などへの色素沈着や塩素挫瘡(クロルアクネ)など肌の異常、頭痛、肝機能障害などを引き起こした。また、妊娠中に油を摂取した患者からは、皮膚に色素が沈着した状態の赤ちゃんが生まれた。母乳を通じて皮膚が黒くなったケースもある。この「黒い赤ちゃん」は全国に衝撃を与え、事件の象徴となった。 2002年に厚生労働大臣が、「カネミ油症の原因物質はPCBよりもダイオキシン類の一種であるPCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン)の可能性が強い」と認めた。現在、原因物質はPCDF及びCo-PCBであると確定しており、発症因子としての役割は前者が85%、後者が15%とされている。(引用:Wikipedia) また、カネミ油症事件だけでなく、ダーク油事件も起きていました。 【ダーク油事件概要】 1968年2〜3月頃、西日本で約49万羽ものニワトリの大量死事件が発生した。家畜衛生試験場や福岡肥飼料検査所等の調査により、カネミ倉庫製造のダーク油を含む配合飼料が原因と判明した(その後、ダーク油より多量のPCBが検出される)。 このダーク油なるものは米糠から米糠油を製造するときに生じる油滓や飛沫油を再利用して作られた黒っぽい油であるが、これに脱臭塔の熱媒体として使われていたPCBが混入してしまったことによって本事件が引き起こされた。 PCBの混入はダーク油だけでなく米糠油にも発生しており、こちらはカネミ油症事件という大規模なヒトに対する健康被害を引き起こした。(引用:Wikipedia) ※ニワトリの数は諸説あるようです。 この1968年に起こった「カネミ油症事件」をきっかけに、PCBは1972年の生産・使用の中止等の行政指導を経て、1974年に製造および輸入が原則禁止されました。 |
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残留性有機汚染物質(POPs=ポップス)は、環境中では分解されにくいため、その物質が発生したり使用した時に飛散した場合、揮発して空気中に拡散した場合、大気の循環とともに地球上に拡がってしまいます。それらが地上に降下したり、食物連鎖によって生物の体内に蓄積や濃縮され、再び人間の口に入ることも考えられます。 POPsは水に溶けにくく、油脂に溶けやすい性質があるため、生物の体内に取り込まれたPOPsは、排出されずに脂肪に蓄積しやすく、食物連鎖を通じて生物を移行してゆき濃縮されていきます。 急性毒性はそれほど強くなくても、長期間の摂取により体内に蓄積された場合、生殖器異常や奇形の発生をもたらすと可能性があると指摘されております。 日本国内では、具体的な対策として下記のような取り組みをしています。 POPs条約で掲げる化学物質の製造、輸入及び使用の禁止については、非意図的に生成排出されるダイオキシン類を除くすべての物質について、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律や農薬取締法などにより規制されてます。 ごみを焼却した際などに伴って、非意図的に生成される物質ダイオキシン類などについては、ダイオキシン類対策特別措置法に基づき、排出規制を行うとともに、各発生源別のダイオキシン類の排出量の目録(排出イベントリー)を整備し、平成12年9月には我が国における事業活動に伴い排出されるダイオキシン類の量を削減するための計画を策定するなど対策を行っています。 使用が停止されて回収・保管されているPCB廃棄物については、保管・処分等についての規制や処理体制の整備などを目的として『ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理に関する特別措置法』を制定し、平成28年までにPCB廃棄物を処分するものと規定するとともに、平成15年4月には『ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画』を策定し、広域的な処理体制の整備を進めるなどの対策が講じられています。 |
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PCBと言われるポリ塩化ビフェニルについて、再確認します。 化学物質の中で、自然環境の中では分解されにくく、また生物の体内に入ると蓄積しやすいものがあります。 またそういう性質の化学物質は、地球上のあらゆるところに移動・拡散し、思わぬところの環境にまで影響を与える恐れがあります。そして、一度環境の中に排出されると我々の身体にも有害な影響を及ぼすものもあります。 このような化学物質は、残留性有機汚染物質(Persistent Organic Pollutants)といわれ、その頭文字を取ってPOPs(ポップス)と呼ばれています。 その中にポリ塩化ビフェニル、つまりPCBも数えられています。 日本ではPOPsの製造・使用を禁止していますが、PCBは意図的生成物として製造された場合と、非意図的生成物として生成してしまう場合とがあります。 そこがPCB処理の難しい点でもあります。 簡単に焼却すれば良いというものではなく、無害化処理をしなければいけないのです。 1990年代から国連等が中心となり、POPs対策が各国の協力のもとに話し合われ、2001年5月にスウェーデンのストックホルムで、環境中での残留性が高いPCBなどの12物質の削減や廃絶に向けた「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」が採択されました。 2001年5月17日に条約が発効し、日本は2002年8月にこの条約を締結しました。 POPs条約の対象として次の12物質が数えられています。 ・アルドリン(Aldrin) ・エンドリン(Endrin) ・ヘプタクロル(Heptachlor) ・ヘキサクロロベンゼン(HCB) ・ディルドリン(Dieldrin) ・DDT ・クロルデン(Chlordane) ・ポリ塩化ビフェニル(PCB) ・トキサフェン(Toxaphene) ・マイレックス(Mirex) ・ダイオキシン類(PCDDs、PCDFs、およびコプラナーPCBs) ※POPs条約ではダイオキシン類についてはPCDDs、PCDFsを2物質と数えています) |
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PCBであるかどうか、あるいは高濃度であるかどうかは、 トランスやコンデンサーについている【銘板】というものでわかる場合があります。 その銘板の写真を掲載します。 ここに書かれてある事項について、メーカーが情報を公開しておりますので、 参考にしてください。(日本電機工業会HPより下記リンク参照) 指月の方は型名の【THK】そして【DF式】の記載でPCBが高濃度であることがわかります。 松下の方は【AF式】及び【不燃性】の記載でPCBが高濃度で使用されていることがわかります。 これらはコンデンサーで、基本的に使用されている油の交換は行いませんから、ほぼ高濃度が決定です。 しかし、トランスは抜油して油を入れ替えることがありますので、銘板からの情報では決定できない場合があります。抜油の記録があれば、油のPCB濃度の分析が必要となります。 |






